アフリカと日本の子供たち異文化交流会音楽で広がる友情の輪

中東、アフリカ諸国の大使館関係者を中心として、異文化交流を続けている日本中近東アフリカ婦人会(NCAF 会長:小池那智子)は、この度、ラルビ·カティ大使及びファヒマ·カティ夫人の全面的な協力の下、アルジェリア大使公邸で児童合唱団「どんぐりのド」と共に、音楽を楽しむ会を開催した。

「どんぐりのド」は、渋谷区西原周辺及び中野区南台周辺の幼児から中学生を中心に活動する児童合唱とリトミックのグル―プとして1999年に設立された。その20年以上に及ぶ歴史において、声を出して歌い、身体で音楽を感じる活動は、子供達の豊かな感性を高めると、とても高く評価されている。

今回のイベントには、アルジェリア、エチオピア、ジンバブエ、マリ等合計6ヵ国、8名のアフリカの子供達が参加した。最初の自己紹介では、「どんぐりのド」の子供達もアフリカ側からの子供達もとても緊張していたが、最初に日本のわらべ歌「じっちゃこばっちゃこ」を一緒に歌い、向かい合って軽快に手拍子をお互いに取る「手遊び」をするうちに、すっかり打ち解けていった。同席してくださった大使ご夫妻も歌と輪に入ってくださり、子供達と一緒に手遊びをして下さった。

「どんぐりのド」のレパートリーは広く、どれもがとても楽しい。「赤い鳥小鳥」                   「七つの子」「靴が鳴る」など日本人なら誰もが知っている名曲が演奏されたが、どれも易しいメロディーであり、アフリカ側の子供達もすぐになじみ、一緒に歌の輪にくわわった。続いて演奏されたのはアフリカの人々の間で広く歌われている「ショショローザ」だ。これはアフリカ側の子どもたちがのびのびと、どんぐりのドの子供達と一緒に歌った。最後は「鬼のパンツ」を振付も交えていっしょに歌った。この曲はイタリアの名曲「フニクリフニクラ」をベースにしており、外国人にもなじみやすい。その振り付けは、パンツをはく動作などのユニークで、どの国の子供達も大喜びだった。アンコールは鳴りやまず、予定時間をすぎても、何度も繰り返して「鬼のパンツ」を子供達は歌い踊った。

演奏を楽しんだ後は、アルジェリア大使夫人によるおやつの時間が準備された。初めていただくアルジェリアのお菓子はとてもおいしく、日本の子供達も大喜びだった。

会が終わったとたんに「今度はいつやるの?」とあどけない瞳を輝かせて聞く子供達も多く、次回の活動への期待は大変大きい。

アフリカ諸国と日本の子供達の交流は、大きな思い出を子供たちの心に残した。こうした楽しい思い出を外国の子供達と持つことは、将来、とても大きな意味を持つのではないか。共に歌を歌い、踊り、手を取った仲間たち。そうした思い出を共有する人々は、将来、お互いに戦うことはない。それこそが音楽の持つ力かもしれない。

今、ウクライナへのロシアの侵略は世界を大きく変えている。それは決してよい方向への変化ではない。平和で、互いを尊重できる世界が我々にとっては理想ではないか。

どんぐりのド、日本中近東アフリカ夫人会とアルジェリア大使夫妻が企画したこの小さな活動は、子供達の心に小さな平和と語らいの芽をもたらしたとも言える。異文化交流が本当に大切な理由とは、将来、互いに理解し、平和を守ることに繋がることだからではないか。

参加者の期待にも応えるべく、次回の活動も是非ともやっていただきたい。

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