オマーンと日本 国交樹立を祝って第52回オマーン・スルタン国ナショナルデーレセプション開催
中東の親日国オマーン·スルタン国(以下オマーン)と日本はその外交関係を1972年に樹立し、今年は50周年目を迎える。しかし、実際の二国間交流は400年も前に遡る。それはレセプションの冒頭での駐日オマーン国特命全権大使モハメッド・サイード・ハリファ・アル・ブサイディ閣下の挨拶からも理解できる。また、オマーンという国は先見の明を持ち、エネルギーなどに対しても非常に先進的であり、これからの人材育成への投資を惜しまない姿勢を世界に示していることにも深い感銘を受けた。
現在、オマーンでは、新国王ハイサム·ビン·ターリク国王陛下が即位し、国王自らがリードする「オマーン·ビジョン2040」の目標達成に向けて邁進している。この目的は多様な経済部門の成長を促進することにある。
オマーンは石油、天然ガス等の天然資源に恵まれてはいるが、現在はクリーン·エネルギーを重視し、そのシフトに向けた取り組みも開始している。2022年10月にはオマーン政府は2050年温暖化ガス排出量ゼロを目指しており、さらに再生可能エネルギー用に約5万平方キロメートルの土地を割り当て、グリーン水素関連事業には21兆円規模の投資の入札を行う計画も行うと発表している。
オマーンは学部卒業生全体に占める理工学部の卒業委生比率は世界一だ。オマーン政府による学生一人当たりの政府支出指数は世界第3位であり、こうした手厚い支援と学生への投資が至るところで実を結んでいる。
また、オマーンは観光資源にも恵まれ、安全で犯罪が少ない国でもある。こうした好条件からも、今後は日本からの観光客が訪れることが大変期待されている。
そうしたオマーンと日本の深い親交もあり、今回のレセプションには日本政府関係からも多くの議員などが参列した。山田賢司外務副大臣を始め、日本オマーン友好議員連盟江藤征士郎名誉顧問、山口那津男公明党代表、遠方からはビデオメッセージで山梨県長崎幸太郎知事が顔を揃え、祝辞を述べた。
会場となった総大理石造りのオマーン大使館とその庭には、オマーンの住居を思わせるテント作りのリビングルームが設置され、レセプションの招待客はそのテントの中、あたかも我が家で過ごすかのようにリラックスし、オマーン式のお茶、デザートと会話を楽しんだ。
料理も美食の国オマーンらしく、贅をつくした品々が並んだ。羊の丸焼きなど、日本ではなかなかお目にかかれないアラブ式の料理も多く、どれもが皆美味しく、日本人の口にあった。ついつい食べ過ぎてしまうほどの素晴らしいランチだった。きっと料理上手でも知られる大使夫人によるアレンジ、アドバイスがあったことだろう。
オマーンと日本の絆は長く、強い。これからもさらに良好な関係を発展させ、経済交流、文化交流にも大きな結果をのこしていけることを願いたい。