ペルー産みかん発売〜日本原種のみかんが里帰り〜

ペルー産のみかんが2018年から日本に輸出されていることに気づいている消費者も多い。毎年輸出量を伸ばしているペルー産のみかんだが、2021年にはその輸出量は約4500トンに及び、今年度はより多くが見込まれる。

ペルー産みかんの最大の魅力は、日本では味わえない季節にみかんの出荷ができることだ。国土が南半球にあり、日本とはシーズンが逆になるため、日本のみかんのシーズンではない時期においしいみかんの収穫が可能だ。

ペルー産みかん 種無しで食べやすいのが特徴
ペルー産みかん 種無しで食べやすいのが特徴

ペルーのみかんにはペルーに移民した日本人のストーリーが隠れている。温州みかんがペルーにもたらされたのは、1929年にこの国に移住した日本人のカルロス・カツオ・フクダのイニシアチブによる。1953年に日本へ旅行した際に、カルロス·フクダは薩摩みかん(温州みかん)の芽をペルーに持ち帰り、首都リマから約81キロ離れたワラル州に植えた。この薩摩みかんは、種なしで、皮をむきやすく、食べやすい。このみかんの持つこれらの特性から、フクダはこの柑橘類がもたらす可能性を見いだしたという。

最初に50本の薩摩みかんの苗木が植えられ、それを接ぎ木によって増やすという作業が行われた。ペルーの気候に適応し、これらのみかんの木から果実を収穫できるまでに5年~6年を要した。その後、薩摩みかんの生産は拡大し、ペルー市場で成功を収めた。その後、1985年には薩摩みかんの国際市場への輸出が開始された。

日本人移民が祖国を懐かしんで食べていたという薩摩みかん。今もペルーの地で柔らかい果肉とジューシーな味わいをもった果実を実らせ、日本に里帰り輸出されている。

日本では、イトーヨーカドー、ライフ、ピーコック、ヨークマート等のスーパーチェーンで手軽に買うことができる。真夏に「ペルーのみかん、太陽の宝石」を是非とも味わってほしい。

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