H. E. Mr. Teimuraz Lezhava

完璧な日本語を話し、日本を深く理解する大使が語る「歴史ある若い国とその魅力」

駐日ジョージア特命全権大使

ティムラズ·レジャバ閣下インタビュー

日時:2月14日午前11時から

ワイン、文化、音楽、バレエ-その他にも数えきれないほど、ジョージアはリラクゼーションとユニークな伝統文化の中心地だ。この度、駐日ジョージア大使、ティムラズ・レジャバ閣下とひざを交え、ジョージアが誇るもの、日本との関係の未来、両国の類似性、再生可能エネルギーへの注力などについてじっくりとお話しをお聞きした。

ティムラズ・レジャバ大使は、1988年、ジョージアの首都トビリシで誕生。しかし、父親の仕事の都合で頻繁な転居を余儀なくされ、幼少期の多くを海外で過ごした。特に日本とアメリカの滞在期間は長く、あわせて20年間にも及ぶ。レジャバ大使は2011年に早稲田大学国際教養学部を卒業し、キッコーマンに就職、勤務したという経験も持つ。

レジャバ大使は外交官でも、外交官になることも考えていなかった。しかし、ジョージアに帰国後、2018年に外務省に入省、2019年に駐日ジョージア大使館の臨時代理大使に就任。その後、2021年11月、正式に駐日ジョージア特命全権大使に就任した。気さくで親しみやすい人柄のレジャバ大使は、ジョージア文化に関連する興味深く、面白い情報を日本語でTwitterに投稿、5万人以上のフォロワーを持ち、そのツイートはとても愛されている。

日本の専門家として

Q:大使のご経歴と、最初に日本にいらしたきっかけをお話しいただけますか。

私が4歳の時、研究者であった父の新しい任務の一環で、私たち家族は日本に引っ越してきました。私たち一家は当時、広島に住んでおり、広島の様な日本の地方では数少ない外国人でもありました。ご覧の通り、見た目が日本人とは違っておりますので、広島の子供たちに堂々と指さされたこともありました。ですが、広島という地域に住んだことで、日本語をかなり早く習得することができましたし、小学校に入る前から日本語の読み書きも学びました。

私が8歳の時に一度ジョージアに戻りましたが、小学校時代は父の仕事の関係で何度か引っ越しをしなければなりませんでした。父は科学者として働いており、遺伝学を専門とする生物学者という面も持っています。

こうした経験ですが、振り返ってみると、まだ少年であった私にはとても大変な時期でしたが、今では自分はラッキーだったとも思っています。私がこうした大変な時期を乗り越えることができたのは、両親の愛情と教育があったからです。両親の愛と教育があったからこそ、祖国ジョージアとの深いアイデンティティを育み、海外にいても自己と帰属という意識を失うことがありませんでした。

結論から言えば、私の子供時代の経験は、世界に向けた広い視野を育て、ジョージア人として日本で暮らすことで得られた経験によって、ユニークな視点をもたらしてくれたと言えます。常に両親が守ってくれたことには本当に感謝しています。今度は私の番だとも思います。私も家族や子供たちの為だけではなく、広くジョージアのためにも、両親が私にしてくれたようなことを続けようと思います。

Q:お子さんが誕生なさったとお聞きしました。おめでとうございます。新型コロナウィルスの世界的大流行の影響もあり、大変困難な状況でしたが、どのように対処していらしたのでしょうか。

どうもありがとうございます。私の妻は母国から遠く離れ、更にコロナ禍の、非常に困難な時期に子どもを授かることになりました。ご想像のとおり、いくつかの制限がありました。まず、日本を離れることができませんでした。妻は日本語が話せず、当時2歳だった長女の世話もしなければなりませんでした。私もできる限り手伝いましたが、妻はとてもしっかりしていました。すべてがうまくいったことを神様に感謝しています。今、私たち家族は日本での家族の時間を楽しんでおり、パンデミックが治まるのを心待ちにしています。

Q:ジョージアの国旗は美しいですね。日本の国旗と非常によく合います。国旗が持っている意味を詳しく教えてくださいますか。

ジョージアの国旗の色は、赤と白で日本の国旗と色は同じです。ですので、私は常にこの国旗を日本で広めようとしています。ジョージアでは、4世紀にキリスト教が入ったことがあり、アルメニアに次いで2番目にキリスト教を国教としました。とても早期にキリスト教を国教としています。ジョージアはキリスト教正教会に属し、そのために文化には正教会の影響が色濃く残っています。これはジョージアの歴史、つまりジョージア人のアイデンティティを通じ、その精神生活において非常に重要な要素となっています。それはこれからも変わらずに続いていくことでしょう。いかなる大変かつ頻繁な困難な状況にあっても、ジョージアという国が存在し続けることを、ジョージア人を導いてきました。

ジョージア人が何世紀にもわたってアイデンティティを継承していくことがジョージア文化のバックボーンとなっています。東ヨーロッパと西アジアの交差点という独自の地理的、戦略的な重要性を持った地域にある為、ジョージアはいくつかの課題に直面してきています。

確かにジョージアという国は非常に厳しい立地条件にあります。ジョージアはここ数年、外部からの脅威にあらゆる角度から直面してきています。歴史的な観点から、私たちがアイデンティティを維持してこられたのは奇跡とも言えます。

現代のジョージアでは、国民は変わることなく、すべての活動、文化的発展などを積極的に続けています。

Q:駐日大使としての仕事について教えてください

私は2019年7月に任命されましたが、当時は代理大使という立場でした。まだ使節団の長でしたが、その年の11月に正式に信任状を天皇陛下に奉呈いたし、特命全権大使に就任いたしました。私が初めて日本に来たとき、(まだ4歳でしたが、)将来、駐日ジョージア大使になるとは油面も思っておりませんでした。

Q:駐日大使としての責任をお聞きできますか?

外交官の仕事には、多くの分野をカバーしなければなりません。それには安全保障、政治、貿易、経済などの重要な事項が含まれます。私は大使としてこうした分野をカバーしていますが、優先事項としては、文化活動です。文化活動を通じ、ジョージアを日本に広めていくことに取り組んでいます。

日本のジョージア大使館では、このミッションを非常に真剣に受け止め、取り組んでいます。ですので、東京のジョージア大使館では、より深くジョージアについて学ぶことができます。ジョージア文化が海外で認められるように働きかけることが重要なミッションですので、国家からのこのミッションは無事に遂行できています。

文化/ワイン

Q:世界で最高のワインはジョージア産だと一部では言われておりますが、なぜジョージアワインが特別なのか、その理由を教えてください。

ジョージアのワイン造りの歴史とは8000年にも及びます。ジョージアの他に、ワインの発祥の地であると主張できる国は他にはありません。 500種類以上のブドウの種類と、ワインを生産するための巨大なかめもあります。ジョージアは日本で大人気のオレンジワインも作っており、これは日本料理との相性がとても良いと評判です。

しかし、ジョージアワインとは、ジョージアの伝統、文化、ジョージ人がそのワインをどれほど愛し感謝しているかということがとても重要なことです。ワインは人をつないでいきます。まさにハーモニーを生むための道具と言えます。

ジョージアの文化遺産とワインとのつながりを最ももっともよく象徴としているのは、スープラの伝統です。スープラとは、ジョージア人が3000年以上にわたって行ってきたごちそう満載の宴会を意味します。(「タマダ」と呼ばれる宴会の仕切り役が必ず登場して乾杯の音頭をとります)

ジョージアではこれまでこの文化「スープラ」を大切し、保ってきています。日本からのお客様がジョージアを訪ねた時に、ジョージア人に出会って、その人々がワインを持っていたらどうでしょうか!ジョージア人は乾杯せずにワインを飲むことは決してありません。スープラと宴会の仕切り役であるタマダはジョージア文化の中核を成しています。

日本人に茶道が(日本の茶道)あるように、ジョージアにはスープラがあります。違いといえばお茶の代わりにワインを飲むことでしょうか。日本人が心を込めてお客様のお世話をすることを「おもてなし」と呼びますがスープラはまさにその「おもてなし」にあたります。茶道は、お客様を楽しませ、一緒に作法を行い、快適な時間を過ごし、それによって個人を表現する方法するなど、全ての要素を含んでいます。ジョージア人にとって、スープラとはまさに同じ目的を持っており、同じ内容です。もちろんスタイルは違いますが、その背後にあるコンセプトは同じです。それが特別なことであり、また、私がここ日本で皆様に知っていただいき、共に楽しみたいと思うことです。

ジョージア大使館ではジョージアの文化を日本の皆様にお伝えしたいと思い、漫画によるジョージア文化の解説、「タマダ君と行く100日間 ジョージア文化の旅」という小冊子を出しました。その読み物の中心にあるのはジョージアワインであり、また、ジョージアのおもてなしには欠かせない「タマダ」は、主人公「タマダくん」として登場しています。この小冊子には、ジョージアの文化を理解するのにぴったりの短い100のエピソードがあり、読んでいただければジョージアの文化をご理解いただけると思います。

またこの漫画をもとに、私は「タマダ」クラブを作りました。現在、ジョージアを愛する600人以上の日本人会員がこのクラブにおります。それぞれがジョージアの文化大使と言っていいと思います。

Q:最近、ジョージア産のブルータイプのワインを見かけました。珍しいブルーワインについて詳しく教えていただけますか。

ブルーワインの美しい青い色は、実際にはブドウ自体に由来しています。ブルースウィートワインと呼んでいい、甘いワインです。赤ワイン用ブドウの皮の色素を白と混ぜ、ブルーの色を出します。日本のソーシャルメディアでは大変話題になったようですね。とてもうれしいことです。

貿易と経済

Q:ワインと文化の認識に続き、ジョージアと日本の間の貿易と商取引に関してお知らせください。貿易、商取引にとって重要な焦点は何でしょうか?

ジョージアが重点を置いている方向性は2つです。一つは、すでにお伝えいたしましたとおり、ジョージアの文化的意識の高まりをもたらすことです。この意識の高まりによって、日本へのワインの輸入、ジョージアへの観光旅行などの産業への日本人の意識を高めるのに役立っています。

最近、さらに両国間で発展させたい重要な方向性を見つけて取り組んでもいます。グローバル化した世界とその競争力の中で、両国にとって大きな可能性を秘めたエネルギー分野に挑戦いたしたいと考えています。ジョージアの研究結果として、再生可能エネルギーの重要性が増していることです。全世界には、未来をグリーンにするという大きな希望と目標があります。

ジョージアは自然に恵まれており、今までも再生可能エネルギーを利用してきたという長い歴史があります。カスピ海に近い国ですので、ジョージアは炭素エネルギー資源に恵まれた国であると思われることがありますが、これは大きな誤解です。

ジョージアは、グリーンエネルギー発電によって電力の80%を供給しています。再生可能エネルギーを通じて、ジョージアは周辺諸国と協力し、よい経験を維持してきました。エネルギー分野に関しては、これはジョージアが誇りに思っていることです。

日本からの関心も高まっています。 2年前、TEPICO東京電力(東京電力ホールディングス)がジョージアの水力発電所に投資しました。これは、水力発電、地熱発電、海上水素エネルギープロジェクト、風力発電に取り組むため、ジョージアと日本の今後の成長の見通しは増加していくであろうという予測を示しています。

Q:ジョージアは、デジタル経済のトレンドセッターであり、世界のノマドワーカー(デジタル遊牧民)の間で非常に人気のある国と見なされています。この件について詳しく教えていただけますか。

ジョージア大使館には、ジョージアに行って働きたいという日本のデジタル遊牧民から毎日4、5回の電話を受けています。日本の比較的若い世代はジョージアを探検するようなことに特に興味を持っているようです。ジョージアはいつも海外からのお客様をお迎えしていますので、このような新しいトレンドを大いに歓迎いたしたいです。ジョージアは住みやすい国です。生活費が安く、にもかかわらず生活の質、レベルは他の多くのヨーロッパ諸国と同等と思っていただいて構いません。リラックスできる国です。温泉、素晴らしいワイン、美しい自然が備わっています。さらに、ジョージアが取り入れている先進的なビザの手続きにより、訪問にはそれほど面倒なことはありません。

ジョージアのバレエ、スポーツとその感動とは

Q:ジョージアの素晴らしいバレエ文化とアスリートについて話していただけますか?

ジョージア人とジョージアという国は、自分たちの芸術を発展させ続けてきました。どうしてでしょうか。おそらくそれは、ジョージアの長い歴史の中には常に、抑圧された困難な歴史的背景があり、そうした要因があって発展したのでしょう。

いずれにしても芸術と文化は常にジョージアの生活の重要な部分を占めてきました。その一例ですが、3月には東京でジョージア映画祭が開催されています。

ジョージアの音楽、ダンス、ワインを含め、基本的にあらゆる種類のアートがあることはとても印象的でしょう。世界的に知られているニコ·ピロスマニはジョージア出身ですが、そのユニークな作風は、限られた作家だけでなく、世界中の様々な工芸作家に至るまで、大きな影響を与えています。

ご存知の通り、ジョージアはバレエでも世界的に有名です。歴史的に困難なことにいつも直面していましたので、人々は常に自分を解放し、表現しようとしているのだと思います。そうした背景ゆえ、ジョージアのバレエはかなり成功していると思います。

有名なバレエダンサー、ワフタング·チャブキアーニは、バレエでの天才であり、世界のバレエにゆるぎない影響を与えました。誰かがジョージアからニューヨークに出向き、とにかく、今日に劇場で何を見るのかという基礎を作り上げることを考えているということでしょう。それをジョージア人は本当に誇りに思っています。

ジョージア出身の世界的な名バレリーナのニーナ・アナニアシビリの軌跡を繋いでいっていることも、とても誇りに思っています。アナニアシビリは、ジョージアのために非常に大きな仕事をしました。彼女は世界中、どこでも尊敬される名バレリーナですが、今はジョージアに戻り、ジョージアのバレエ、演劇、オペラなどの文化をさらに発展させようとしています。

つまり、才能がなければなにもできませんが、高いレベルで世界に何かインパクトを与えるには、内なる力が必要です。私にとっての内なる力は私を刺激し、ここ日本での自分の使命へのモチベーションを維持することに役立っています。そのような才能に恵まれた人に出会うとき、ああ、あんなふうになりたい、あるいは影響を受けたいと思うものです。

レジャバ大使、大変ご丁寧なお話しをありがとうございました。

詳細については、駐日ジョージア大使館をご覧ください。

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