開催中:チュニジア大使館展―美術・伝統工芸の世界

Tunis Embassy Exhibition

八王子にある東京富士美術館では、現在、チュニジア大使館展が開催されている。

チュニジアは北アフリカに位置し、アフリカ世界と地中海世界とアラブ世界の一員でもあるコスモポリタン的な国家で、素晴らしい景観を持つ観光地としても知られている。その美しい景色は「スター·ウォーズ」「イングリッシュ·ペイシェント」などの大ヒット映画のロケ地にも使われてきた。

また、近年は経済的な発展が目覚ましく、人材教育にも力を入れており、女性の社会進出も目覚ましい。2022年にはTICAD8も首都チュニスで開催された。このTICADはコロナ禍での開催という難しい状況にあったが、チュニジア側の大きな努力によって大きな成功を収めている。

Tunis Embassy Exhibition

そうした経済的発展、投資に注目が集まるチュニジアだが、その歴史は古く、長く貿易文化における功績を達成したと同時に、カルタゴの様な偉大な文明の発祥地でもある。象37頭を率いてアルプスを越えたと言われるハンニバル·バルカはカルタゴの将軍であり、日本でもよく知られている。古代のロマンをつたえるその将軍の姿は、現在もチュニジアの5ディナール紙幣にみることができる。

東京富士美術舘で開催されているチュニジア大使館展では、一室の展示空間にチュニジアの魅力が沢山つまっている。チュニジアが世界に誇る美しい各地の景勝地の写真に囲まれ、大使館が所蔵しているモザイク画、アラビア文化の影響をうけた絵画、各地の特色を出した独特のテラコッタ作品、細かい鉄線と木材を組み合わせて作った伝統的な鳥かご等、チュニジアを代表する芸術、工芸品が数多く展示されている。今年開催された大阪万博2025でもチュニジア館が展示した本物のモザイク画、また美しいタイルと装飾に彩られたVIPルームは大きな話題を呼んだ。その世界観をここでは改めてゆっくりと感じ取ることができる。

またミュージアムショップでは、大使館の協力により、チュニジア産の世界最高レベルのオリーブオイル、ターコイズブルーが印象的な陶器、透明感あふれるグラスなどが揃い、リーズナブルな価格で購入することができる。ミュージアムカフェでも、チュニジアスイーツをイメージしたティータイムケーキセットが提供され、オレンジケーキ、デーツなどをたのしむことができる(要予約)

チュニジアと日本は1956年に外交関係を結び、来年、2026年には国交樹立70周年を迎える。古くから親日国として日本と親しい関係を築いてきたチュニジアの魅力を改めて知り、理解するのにふさわしい展覧会となっている。


大使館の美術展 III  ―文化交流随想― 駐日チュニジア共和国大使館

Exhibitions of Embassies Part III: Embassy of the Republic of Tunisia in Japan – Pathways to Cultural Exchange with the World –

開催期間 2025年10月4日(土)~2026年1月18日(日)
休館日:月曜休館(祝日の場合は開館。翌日火曜日が振替休館)
開館時間:10:00~17:00(16:30受付終了)
会場:東京富士美術館:新館・常設展示室7

類似投稿