ペルーのロベルト・セミナリオ大使、帰国の途へ
2022年3月に着任した駐日ペルー大使館特命全権大使ロベルト・セミナリオ閣下が11月末、その任期を終えて帰国した。
プロの外交官として、ペルーと日本の外交の発展への貢献は大きく、華やかでもあった。ペルー海軍の美しい帆船、「ウニオン」号が日本を訪問したことは、今も記憶に新しい。

しかし、セミナリオ大使は、外交のみならず、実際の日本人の生活にしっかりとペルーを息づかせる活動に大きな成果を上げている。その一例が多くのペルー産食物が日本の食卓に上がるようになったことではないか。ブルーベリーなどのペルーの果物をはじめとする生鮮食料品、ペルーの農家が産出する個性豊かなブティックタイプのコーヒーはその代表格になる。ペルーのアルパカなどの高級繊維の日本市場への導入は、既に「ペルーのブランド」として確立されてきている。これはペルー製品の日本への輸出の活性化であるとともに、本国での人々の就業、雇用の安定化にも役立っていることだろう。

セミナリオ大使は、日本各地との地域交流にも非常に熱心であり、北海道から九州まで、各地を頻繁に訪問している。2024年1月1日に大地震に見舞われた石川県能登半島も訪問し、被災した人々を元気づけ、メッセージを残している。

セミナリオ大使の在任中、もっともペルーが注目されたのは大阪万博ではないか。ペルーパビリオンはでもペルーパビリオンの存在はとても大きく注目、多くの報道を目にすることになり、改めてペルーが注目されることになった。ここで多くの人々が目にしたのは、ペルー人の誠実さ、心温まるおもてなしだったのではないか。
ペルー人の国民性はまじめ、誠実で堅実だとも言われている。これは日本人の国民性との共通点ともいえる。そうした人々の気質の共通点もあり、ペルーには多くの日本人が移民し、ペルー社会に定着し、ペルーの人々と交流し、世界最大級の日系人社会を作ってきたのではないだろうか。

セミナリオ大使は、11月25日にお誕生日を迎えた。ペルー産アルパカのファンの人々に囲まれて日本で最後となるお誕生日を祝った。セミナリオ大使は、ここで長い外交官生活から引退するという。各国とペルーとの懸け橋となり、大きな貢献を果たしたいセミナリオ大使に心からの御礼を申し上げたい。
