勝ち組になろう!ジャマイカ大使館、勝ち豆 ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日を祝う

2月14日はバレンタインデー、3月14日はホワイトデー、2月4日の節分には恵方巻を食すなど、日本には食を交えた「おいしい記念日」がある。次にブームが来るのは1月9日の勝ち豆「ジャマイカ・ブルーマウンテン・コーヒーの日」ではないだろうか。

1月は入試直前でもあり、「勝ち」という言葉は受験生の励みにもなる。厳しい受験勉強の合間にも、香り豊かなブルーマウンテンコーヒーを飲んで、「勝ち組」となることを願い、あらたにモチベーションアップにも繋がる。では、なぜブルーマウンテンコーヒー豆は「勝ち豆」と呼ばれるのだろうか。それは、この最高級と言われるコーヒー豆が潜り抜けてくる過酷な環境とそれに耐える逞しさ、強さにある。

ジャマイカが世界に誇るブルーマウンテンコーヒーの歴史は1723年に、ルイ15世がフランス領マルティニークに3本のコーヒーの木を贈ったことに始まる。その5年後に当時イギリスの統治下にあったジャマイカ総督は、マルティニーク総督から1本のコーヒーの木を譲り受ける。それがジャマイカコーヒーの歴史の始まりとなった。

ジャマイカの首都キングストンに近く、世界遺産にも登録されているブルーマウンテン地区には特有の気候があるが、それは決して温暖と言える気候ではない。毎年襲い来るハリケーンをはじめとする過酷な自然災害にさらされ、ブルーマウンテンの木々はそれに打ち勝っていく。そうして実ったコーヒーは収穫され、さらに厳しい品質検査を乗り越えていくことになる。出荷されるのは「試練に打ち勝った勝ち豆」だけだ。これがブルーマウンテンが「勝ち豆」と呼ばれる所以だ。

1967年1月9日、この日はジャマイカのコーヒー関係者にとって忘れられない日となった。「勝ち豆」ブルーマウンテンの最大量を載せた船は、今を遡ること55年前のこの日に、初めて日本に向けてキングストンの港から出航した。そこからジャマイカと日本を繋げる「民間大使」として、ブルーマウンテンコーヒーは大きな役割を果たしている。

2020年に着任した現在のショーナ-ケイ・リチャーズ駐日ジャマイカ大使は、この「ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日」をとても大切にしている。コロナ禍が幾分落ち着いた今年、リチャーズ大使は、ジャマイカ国旗にある3つの色とその意味を意識した大振袖を着用し、コーヒー及び観光業関係者をもてなした。黒地の大振袖にゴールドの袋帯、グリーンの帯留と帯揚げといういでたちは、力強く想像的な人々(黒)、太陽の光と活気(ゴールド)、天然資源に恵まれた土地(グリーン)を意味する。

2022年「ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日」にて美しい大振袖を着用した、リチャーズ大使

女性の第一礼装である大振袖の着用は、日本人にとっても決して楽なものではない。しかし、リチャーズ大使は日本の礼儀に則り、日本式に髪を結い、大振袖を着用し、日本のマナーによって人々を迎えた。この心使いに、ジャマイカが持つホスピタリティを感じる関係者は多く、さらには「来年の着物はきっとグリーンに違いない」という憶測まで飛んだ。

また、今年は海外渡航も緩和されたことがあり、ジャマイカの観光についても紹介された。ユネスコ創造都市ネットワークの加盟都市キングストンはまた、豊かな文化を持ち、音楽はボブ・マーリー、美術では彫刻家・画家のマリカ・レイノルズ、美術の母といわれたエドナ・マンリーに代表されるように、文化も豊かだ。また、リチャーズ大使の毎年のおもてなしの心にも見られるように、ジャマイカの人々は心優しく、海外からの旅行者を歓迎している。

ブルーマウンテンコーヒーを飲んで遠いジャマイカへ思いを馳せ、がんばった自分へのご褒美としてこの美しい国を訪れてみたい。

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