日本画の魅力と共に過ごした5年間

The Ecuadorian ambassador and his wife

マリア·アンパロ·バルベリス駐日エクアドル大使夫人インタビュー

5年前に夫と共に来日した時に、なにか特別なことに取り組みたいと思っていました。できれば絵を描きたいと思っていたところに、当時のコロンビア大使からご紹介いただき、日本画をならうことになりました。最初は日本画の先生の描いてくださった絵手本を見ながら、筆と墨で竹、笹、花を描くことから始めました。徐々に上達し、岩絵の具を使って色彩豊かな作品を仕上げることができるようになりました。その作品はこちらです。花鳥風月も沢山描きました。駐在の終わりには、根津美術館に展示してある日本画の名作、尾形光琳の燕子花図の右隻を描きました。それまでも上村松園、永平寺天井画なども模写しています。

また、活動としてはラテンアメリカ出身の女性達と絵画のグループを作り、2週間に一度ずつあつまって作品を作っておりました。こちらも最終的にグループ展を開催することができました。

エクアドルと日本は100年以上に及ぶ深い関係があります。また、エクアドルの首都である「キト」の旧市街は、世界で最初に世界遺産に認定された場所の1つです。保存状態のよい旧市街地全体が世界遺産に認定されており、その街並みは美しく、深い歴史を感じることができます。

エクアドルの首都キトには、とても有名な画家でエクアドルのピカソとも呼ばれるオズワルド·グアヤサミンの美術館があります。「カピージャ・デル・オンブレ」という名前の美術館は「人々の礼拝堂」を意味します。

先住民族の父を持つ混血のグアヤサミンはエクアドルの多彩な文化、他民族、人々の悲しみ、苦しみと痛み、さらに最後に希望を含んだ作品を描いています。もし、エクアドルを旅することがおありでしたら、ぜひグアヤサミンの作品をご鑑賞ください。

マリア·アンパロ·バルベリス

(駐日エクアドル大使夫人)

マリア·アンパロ·バルベリス
マリア·アンパロ·バルベリス

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