混乱する時代へのメッセージを込めて:スペイン大使館ナショナルデーレセプションを開催
毎年10月12日はスペインにとって特別な日だ。1492年10月12日にスペインの探検家、コロンブスがアメリカ大陸を発見した日であり、スペインとスペイン語圏世界の歴史的なつながりを象徴する日に由来する。日本でもこの記念すべき日を祝うために、スペイン大使館によるナショナルデーレセプションが開催された。

今年はスペインにとって歴史的な快挙が続く年となった。サッカーワールドカップアメリカ大会では、スペインのナショナルチームは、強豪アルゼンチンとの死闘を制し、南アフリカ大会以来、16年ぶりにFIFAワールドカップトロフィーを手にした。また、スペインの象徴ともいえるサグラダファミリアでも、最も高い塔である「イエスの塔」の頭頂部が2026年2月に完成し、アントニオ·ガウディの没後100年に当たる6月10日に完成記念式典が開催された。この時に聖堂ではローマ教皇レオ14世によるミサが行われ、スペイン国王フィリペ六世とレティシア王妃、サンチェス首相も含む4千人が列席し、教会の周囲には13万人が集まった。
現在、日本とスペインの外交関係は極めて友好的だ。この良好な状態は、平和と安全の推進、気候変動への具体的な取り組み、科学技術の進歩が世界中の人々に恩恵をもたらすことの確保に至るまで、より広い国際社会と連携して課題を解決していくための原動力となっている。

この良い関係の中、日本のスタジオジブリがスペインで最も権威のある「アストゥリアス皇太子賞」の「コミュニケーション・人文科学部門」での受賞を果たした。そのため、今年のナショナルデーレセプションでは、会場入り口にスタジオジブリが特別にデザインした作品が展示された。

スペイン本国においても、マドリードでの「科学・技術・イノベーションに関する日西シンポジウム」の開催、防衛·宇宙分野に特化したスペインの経済ミッションの来日も予定されており、戦略的重要性が急激に高まるこれらの分野において、両国の産業界を結び付ける先駆的な試みとして高く評価されている。

両国の友好を深く感じあえる雰囲気の中、今年のナショナルデーでの、最も印象的であったのは駐日スペイン大使イニゴ・デ・パラシオ・エスパーニャ閣下によるメッセージであった。エスパーニャ大使は今年で創立500周年を迎える「サマランカ学派」の思想の現代における重要性を語っている。

16世紀、サマランカ学派の始祖、フランシスコ・デ・ビトアをはじめとする思想家たちは、「すべての人間には生まれながらの権利(自然法)と普遍的な尊厳があり、人類は一つの共同体である」という先駆的なビジョンを掲げていた。彼らが残した「国家の権力にも守るべき限界がある」という思想、万民のための法、「公益(コモン・グッド)」に関する深い考察は、現代の「国際法」の基礎を築く上で極めて重要な役割を果たしている。スペインにとって、この歴史的遺産を受け継ぐことは、国際法、主権平等、人間の尊厳、紛争の平和的解決を断固として守るという責任を遂げることにつながる。また、ルールの尊重とは、それが大国であっても小国であっても、だれに対しても「公平かつ一貫していること」が適用されて初めて成り立つということを忘れてはならないと、大使は述べている。
国際情勢が非常に不透明で先が見えない状況の中にあって、「どの国が真の友好国なのか」を見極めることが非常に難しくなっている。法の支配、対話、そして相互尊重という共通の理念に基づいている日本とスペイン両国の関係は非常に密であり、「日本はスペインにとって拠り所」であるとも大使は語る。

ヨーロッパの大国スペインと極東にある日本が寄り添うことで、世界の平和と安全の推進、気候変動への具体的な取り組み、科学技術の進歩が世界中の人々に恩恵をもたらすことの確保に至るまで、より広い国際社会と連携して課題を解決していくための原動力となるのではないか。

難しい国際情勢の中にあって、平和を築くことには国同士の相互理解と連携、そして尊重しあうことがいかに大切かを深く感じさせられ、また、平和の大切さをも改めて認識した素晴らしいレセプションであった。

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