アイルランド大使館、美しい新大使館でセント・パトリックス・デーを祝う

新しいアイルランド大使館でのセント・パトリックス・デー祝典でギネスビールで乾杯するデミアン・コール大使とショーン・キャニー大臣。

アイルランド、アイルランド人にとって最も大切な祝典であるセント・パトリックス・デーが今年もやってきた。

セント・パトリックス・デーとは、アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日の3月17日を祝うカトリックの祭日だ。このアイルランドの祝祭日であり、世界中で緑色のものを身につけて祝う「緑の日」としても知られている。それはアイルランドが「エメラルドの島」と呼ばれる美しい緑の風景に由来するという説と聖パトリックがシャムロック(三つ葉のクローバー)を手に三位一体を説いたという説に由来している。

セント・パトリックス・デー日本開催30周年を祝し、ギネスグラスを掲げる出席者と政府関係者。

現在もなお、セント・パトリックス・デーは世界中に散らばる7,000万人のアイルランド系の人々の繋がり、アイルランドの文化と遺産を披露する唯一無二の特別な機会となっている。日本でも大規模なイベントが各地で行われた。セント・パトリックス・デー・パレード東京は30回目となり、セントパトリックデーパレード横浜元町は20回目、グリーン・アイルランド・フェスティバルは10回目、エメラルド・ボールは30回目を数える。それらのイベントは長期に亘って毎年開催されていており、現在では日本の文化にもなじみ、地元で愛されるイベントになっている。

セント・パトリックス・デーの外交レセプションで演説を行うショーン・キャニー国際担当大臣。

セント・パトリックス・デーはまた外交においても貴重な機会だ。今年もアイルランド政府は首相と副首相を筆頭とする38名の政府代表団を組み、その代表団は50ヵ国以上を訪問し、アイルランドが観光・就労・留学・投資に最適な場所であることをアピールした。日本にはショーン・キャニー大臣が来日した。キャニー大臣は、民間企業で30年の職務経験、大学講師、地方議会議員、ゴールウェイ県知事を務めた後、下院議員に初選出され、大臣職の歴任の後、2025年1月に国際・道路交通・物流・鉄道・港湾担当大臣に就任した。

アイルランド大使館のイベントで、二国間関係の重要性についてスピーチを行う日本政府関係者。

アイルランドと日本の関係は極めて良好だ。2025年の大阪·関西万博2025は大成功をおさめ、昨年は首相の他に7名もの閣僚が東京と大阪を訪問し、文化・教育・研究・イノベーション・ビジネスなど他分野での新たな繋がりが生まれ、友情がはぐくまれた。

二国間貿易額は約220億ユーロに達し、日本はアジア太平洋地域におけるアイルランドへの外国直接投資(FDI)の最大の供給源であり、半導体、技術サービス、医薬品、医療機器、金融―サービスなどの主要分野での投資を行っている。また、農産食品輸出は品質が高く、日本で確固たる地位を築いている。

日本市場への輸出を象徴する、アイルランド大使館に展示されたキオ(Keogh's)のポテトチップス。

アイルランドという国は、EU諸国の中でもけっして大きな国とは言えない。しかしアイルランドはそうした事実を受け止め、多国間ルールに基づくシステムを基盤とする開放的で公正かつ自由な貿易システムを推進している。こうした機会こそ、経済的効果をもたらし、高賃金での雇用の創出、イノベーションを推進し、経済的回復力を構築できるから。そしてその機会には、たとえヨーロッパとアジアという地理的な位置は離れていても、同じ価値観を共有する日本が最も大切なパートナーだという。

また、今年のセント・パトリックス・デーでのキャニー大臣によるコメントで印象深かったのは、世界の戦争、侵略に関するアイルランドとしての意見であった。

すでに4年が経過しているロシアによるウクライナへの侵攻だが、アイルランドはこの侵攻について「違法である」とし、アイルランドは今後も公平かつ永続的な平和と安全の実現に向け取り組みを支援することも表明している。イラン及び湾岸諸国・中東地域における紛争については、アイルランドの長年の立場は国際報及び国連を支持することを明確に表明し、優先課題は緊急の緊張緩和と対話・外交への回帰を見届けることであるとも語っている。

今年はアイルランド出身の文豪小泉八雲(ラフカディオハーン)とセツ夫人をモデルにしたテレビドラマが放映され、よりアイルランドという国を身近に感じるようになった。「エメラルドの島」と呼ばれるアイルランドは、また「日いずる国」日本と価値観を共有する親しい友好を結んだ国だ。今後もその友好、観光、国際交流が確実に発展していくことを深く感じとれる今年のセント・パトリックス・デーであった。

セント・パトリックス・デーのレセプションで交流を楽しむ出席者たち。背景には新しく完成したアイルランド大使館の近代的な内装が見える。

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