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セルビアの歌姫 イェレナ・コンチャル来日「カルメン」のアリアで聴衆を圧倒

セルビアの首都ベオグラードの北に位置するノヴィ・サドはヴォイヴォディナ州の州都であり、セルビア第二の規模を誇る経済と文化の中心地でもある。ドナウ川沿いにあるノヴ・サドの市街には今もなおかつてのオーストリア・ハンガリー帝国時代のたたずまいが残り、また、文化的にもその影響は色濃い。 ノヴィ・サドにはセルビアで最も長い歴史を誇るセルビア国立劇場がある。その劇場においては年間200回近いオペラ、バレエ、演劇が上演されており、セルビアの舞台芸術の中心とも言える。そうした文化都市であることもあり、ノヴィ・サドは2021、2022年の欧州文化首都に選出され、一年間に亘って多くの文化行事も開催された。 この度、セルビア国立劇場で主席ソリスト(メゾ・ソプラノ)を務めるイェレナ・コンチャルが来日し、コンサートを行った。セルビア大使館でもアレクサンドラ・コヴァッチュ大使による女性の社会での活躍を象徴する「女性のためのコンサート」を企画、開催された。このコンサートにはゲストとして日本に駐在する女性大使の多くが出席している。 イェレナ・コンチャルはノヴィ・サド出身、ベオグラード国立大学で声楽を学び、学生時代からそのキャリアをスタートさせた。才能と華やかな美声に恵まれた美貌のオペラ歌手だ。 大使館のステージにはピンクと黒のドレス姿で登場したが、そのすらりとした立ち姿だけでも華がある。その声は華やかでありながら、かつて東ヨーロッパと呼ばれた地域出身のオペラ歌手らしく、ふとしたところに影と深みがある。よくオペラ歌手の声はアルプスを越えると違ってくると言われるが、コンチャルにもそうした陰影を秘めた魅力が備わっている。 聴衆を前にコンチャルはセルビアの歌、日本の歌を披露し、ハイライトにはオペラ「カルメン」から「ハバネラ」と「セギディーリャ」をうたった。コンチャルはまるで男性から男性に渡り歩くジプシーの女カルメンが乗り移ったかのように顔の表情を変え、自在に声を操るようにこの難しいアリアを歌った。素晴らしいカルメンを聴衆は堪能することができた。 イェレナ・コンチャルはまだ若い。きっと近い将来、よりその芸術に磨きをかけ、セルビア以外の国々のオペラハウスにも招聘され、世界を舞台に活躍することだろう。 ぜひともまた日本にも来てほしい。できれば今度はヴェルディのオペラ「イルトルバトーレ」に出てくるジプシー女「アズチェーナ」を演じてほしい。そんな余韻と次回への期待をのこしたコンサートだった。 イェレナ・コンチャル(Jelena Končar)メゾソプラノ セルビア第二の都市ノヴィサドにあるセルビア国立劇場(Serbian National Theatre)のソリスト(メゾソプラノ)。ラドミラ・バコチェヴィッチの指導の下、ベオグラード芸術大学音楽学部卒業。在学中からアニータ・メゼトヴァ奨学金やビセルカ・ツヴェイッチ奨学金、CEE Musictheater (ウイーン)奨学金を受け、数々の国内外のコンクールにて上位入賞。 彼女のオペラ歌手としてのキャリアは若くして始まり(学生時代から)、カルメン、アイーダ、スペードの女王、ホフマン物語、蝶々夫人、ナブッコ、リゴレット、オルレアンの少女など、数多くの有名なオペラに出演。 ベオグラードの国立劇場、ベオグラードのマドレ二アヌム劇場(ゼムン)、スロベニアの国立マリボール劇場(リュブリヤーナ)、クロアチア国立劇場(ザグレブ)、マケドニア国立劇場(スコピエ)でも頻繁に出演。ベオグラードフィルハーモニー管弦楽団、セルビアラジオテレビ(RTS)管弦楽団、聖ジョージ弦楽合奏団、セルビア軍隊管弦楽団などとの協演も数多く行っている。 【関連記事】

第18回アラブチャリティーバザー

駐日アラブ大使夫人の会(SWAAJ)主催第18回アラブチャリティーバザー開催! 今年、駐日アラブ大使夫人会(SWAAJ)は、創立25周年を迎える。その記念行事の一環として、5月27日に泉ガーデン·ギャラリーで「アラブ·チャリティー·バザー」を開催する。 このバザーではショッピングの他にも、アラブの文化、音楽、工芸品、民族舞踊、アラブ書道、ヘナの体験をすることができる。また、今回のイベントの売り上げの一部は日本とアラブの指定慈善団体に寄付される。 詳細は: 開催日時:5月27日(土)11:30am -16:30pm 場所:泉ガーデンギャラリー(港区六本木1-5-2) 入場料:2000円(抽選券付) 入場チケットのお問い合わせは 駐日パレスチナ常駐代表部TEL:03-5215-8700E-Mail:embsec2@palst-jp.com チュニジア共和国大使館TEL : 03-3511-6622E-Mail : tourcom@tunisia.or.jp エジプト大使館TEL : 03-3770-8022E-mail : egyptazaar2023@gmail.com 【関連記事】

東京マラソン参加前日イベントオランダ王国大使館、パスタ·パーティーを開催

オランダはとてもスポーツが盛んな国だ。オランダと言えば、1964年の東京オリンピック無差別級で金メダリストを取った「静かな巨人」アントン・ヘーシンク、札幌オリンピックで大活躍を見せたスピードスケートのアルト・シェンクと言う有名選手の名前が往年のスポーツファンには思い浮かぶ。多くのオランダ人は体を動かすことがとても好きで、サイクリング、マラソンの愛好者も多い。 ベルリン、ボストン、シカゴ、ロンドン、ニューヨークと並ぶ世界6大マラソン大会の一つである東京マラソンに参加を目的に来日したオランダ人ランナーのため、駐日オランダ王国大使館にで「パスタ・パーティー」が開催された。 駐日オランダ王国大使館経済部のトップを務めるピーター・テルプストラ公使参事官とそのチームを中心となって企画されたこのイベントは、東京マラソン前日に「炭水化物」を多く摂取して翌日に備えることを目的としている。このパスタ·パーティーには、マラソン愛好家で知られるメルバ·プリーア駐日メキシコ大使も参加し、「エネルギーを貯めるため」にパスタを沢山食し、翌日に備えた。 2020年からの新型コロナ感染拡大による行動制限により、東京マラソンも一般参加募集中止となった。 その為、多くのランナーは昨年のレースには参加することができなかった。今年は新型コロナウィルス感染拡大以前と同じように東京マラソンは開催されることとなり、一般のランナーも参加できるようになった。そうした状況の好転があり、多くのオランダ人ランナーが東京マラソンに参加するために来日した。 こうしてスポーツイベント前日に集まり、炭水化物をたっぷり食べてエネルギーを蓄え、親交を深めたせいか、多くのランナーは完走に至った。東京大会の完走が加わったことで、オランダ人ランナーは世界の6大マラソン大会(ベルリン、ボストン、シカゴ、ロンドン、ニューヨーク、東京)を完走したことになる。まさに前日に食した炭水化物が供給したエネルギーが功を奏したのだろう! 体力づくり、親睦を兼ねたオランダ式スポーツの楽しみに学ぶことは多い。 【関連記事】

東日本大震災音楽復興支援コンサート

第10回 バチカンより日本へ祈りのレクイエム 2023 記念公演 「愛と祈りのオペラと生きる喜びの第九」開催 2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興を支援するため、今年も「バチカンより日本へ祈りのレクイエム」が開催される。 このチャリティーコンサートは、バチカン市国の全面的な協力により、2013年3月から毎年、東日本大震災の心の復興を、国際文化交流を通した音楽で応援して続けてきている。 毎年、趣向を凝らしたプログラム、演出で参加者を楽しませてきているこのコンサートは、今年は声楽家で漫画家の池田理代子の脚本、薮田翔一作曲による新作オペラ「女王卑弥呼」が世界初演される。 その他にも多彩なプログラムのこのコンサートは、単にチャリティーと言うだけにとどまらず、新しい才能を導きだす機会ともなっている。 詳細、チケット購入はこちらから: 第10回 バチカンより日本へ祈りのレクイエム 2023 記念公演 (sakura.ne.jp)