「流体の美学」展 好評開催中

昨年から執行草舟コレクション/戸嶋靖昌記念館で開催されている「流体の美学」は重厚で見ごたえのある展覧会だ。

《「流体」とはいかなるものか》という「問い」をベースに企画されたこの展覧会を構成するのは執行草舟コレクションだ。新たに所蔵されたコシノジュンコの作品を含め、伊勢内宮禰宜荒木田宇氏(あらきだうじ)、高橋泥舟、山口長男、写真家の鈴木弘之らの作品が展示されている。

執行草舟コレクション/戸嶋靖昌記念館で開催中の「流体の美学」展より
「流体の美学」展より、コシノジュンコ画
執行草舟コレクション/戸嶋靖昌記念館で開催中の「流体の美学」展より
「流体の美学」展より、コシノジュンコ画

コシノジュンコは、大分県立美術館での大展覧会開催、瀬戸内国際芸術祭への展示など、美術家としての活躍が目立つ。ハイアットリージェンシー東京ベイには多くの作品がある。この展覧会では、比較的小さな作品の展示であるが、画面の空間を活かした構図とミクストメディアにより自由に描いた迷いのない線による描写が魅力的だ。夫君でもある写真家の鈴木弘之は、北京を訪れた時にインスピレーションを受けたという故宮の柳の木を撮影している。その木々の語り掛けるような描写を一瞬に捉えた構図が素晴らしい。

また、この展覧会には執行草舟コレクションの真骨頂でもある戸嶋靖昌の作品も十数点展示されている。この作品群は非常に見ごたえがあり、鑑賞者の足をその前で立ち止まらせる。

戸嶋靖昌は、スペインに長く暮らし、ベラスケスなどの影響を強く受けたという。残念ながら戸嶋靖昌は2006年に逝去している。今、日本人はこうした優れた画家の画業を見直すべきではないか。

この展覧会は好評のため、期間が延長されている。多くの美術ファンに診てもらいたい珠玉の展覧会だ。

開催期間:2022年10月11日(火曜日)~ 2023年2月28日(火曜日)

開館:火曜日〜土曜日 11:00〜18:00/日曜日、祝日、月曜日定休

   ※来館前に事前予約、連絡が必要

場所:執行草舟コレクション/戸嶋靖昌記念館 (東京都千代田区麹町1-10 バイオテックビル内)

最寄駅:半蔵門線半蔵門3,4番出口から徒歩2分、有楽町線麹町駅3番出口から徒歩6分

地図こちらよりご確認ください

連絡先:03-3511-8162

公式HP:執行草舟公式Websitehttp://shigyo-sosyu.jp/art/index.html

「流体の美学」展のご案内は、執行草舟公式Website ”What’s New”のページよりよりご覧になれます

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