ポストコロナのツーリズムとは?『太平洋同盟Alianza del Pacíficoによる観光振興』
この度、2023年度の活発なツーリズムへの誘致を目的としたセミナーがペルー大使館で開催された。参加したペルー、メキシコ、コロンビア、チリの4か国は太平洋同盟(Alianza del Pacífico)を構成している。
太平洋同盟は3つの「統合の力」を発揮することを目的としている。その3つとは、
- 世界市場に優先的にアクセスするためにフラットフォームとして確立する力
- 財·サービス·資本·人の移動の自由を確立するために故郷の壁を取り除く力
- イノベーション、効率性そして政策意志をもって国際経済の課題に備える力が挙げられる。
2011年に太平洋同盟が構成されて以来、外国投資誘致、ビジネス振興においては競争力のある様々な優位性を提供することができている。その結果として、この同盟に参加している4か国は、ラテンアメリカ及びカリブ地域において重要な地位を確立してきた。経済的競争力がある国々としてゆるぎない評価を得てもいる。そうした評価もあり、太平洋同盟加盟国はすでに世界80カ国以上と協定を締結し、アグリビジネス、製造業、鉱業、サービス業などを含む各分野のモノとサービスの輸出において世界的にも高い割合を示すようになった。
そうした国家を超えた発展を可能とした太平洋同盟加盟国は、ビジネスの活性化とさらには雇用の創出を可能としてきた。
コロナ禍がやや収まった現在、人々の注目はラテンアメリカおよびカリブ諸国への旅行に向かっていることは確かだ。太平洋同盟では日本におけるラテンアメリカ諸国およびカリブ地域への観光客の誘致を重視しており、航空会社、旅行社などとコラボしながら、日本からのツーリストの本格的な誘致に乗り出してきている。
太平洋同盟に加盟している国々には、魅力的な観光資源が多い。人々に感動をもたらすツーリズムに適した都市、自然、食、体験が満載だ。メキシコには、アステカ帝国の都でもあり、あらゆる時代を今もまだ感じることのできるメキシコ・シティがある。また、そのわずか50キロ北にはテオティワカン遺跡があり、観光には非常にアクセスがいい。この遺跡もまた世界遺産にも登録されている。コロンビアは大自然に恵まれ、多種多様な野鳥、昆虫の生態、蘭などの鑑賞ができる。首都メデジンには世界的に有名な画家、ボテロが制作した彫像が点在する公園、メデジン・カテドラルなどがあり、観光客には見逃せない地域だ。ペルーに至っては世界のツーリストの憧れとも言えるマチュピチュ遺跡、ナスカの地上絵などが存在し、世界のツーリストの憧れの地でもある。また、日本へのおいしい食品の輸出で知られるチリに代表されるように、極上のワインの産地でもあり、海の幸もおいしく、食事への期待は大きい。
こうした観光資源を最大限に活かすため、日本からよりアクセスしやすいよう、フライトの増便、航空便の接続などにも最大限の配慮が示されている。確かにラテンアメリカ、カリブ地域には今迄は遠いというイメージが先行してきた。しかし、その魅力を知れば、誰もが訪れてみたい地域だ。
外国投資の直接誘致において、ある程度の成功を収めつつある太平洋同盟が次に目指すものは、日本を含むアジアからのツーリズムの誘致だ。また、日本もまた、今迄訪れることが少なかったラテンの国々への旅に大きな期待を持っている。ラテンアメリカおよびカリブ地域については、日本人は「地球の反対側」という表現をしてきた。今、新たな体験とツーリズムを求めて、地球の反対側に行く時が来たと言える。
太平洋同盟 Pacific Alliance Alianza del Pacífico についてはこちらから。
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