小泉八雲とセツを巡る展覧会開催「怪談―ラフカディオ·ハーンとの邂逅」
朝の連続ドラマ小説「ばけばけ」の放映が開始され、改めて注目があつまっているのがラフカディオ·ハーン(日本に帰化後は小泉八雲)とその妻、セツの物語だ。

駐日アイルランド大使館では、アイルランド·日本交流美術展「怪談―ラフカディオ·ハーンとの邂逅」を2025年11月4日(火)~20日(木)会場:アイルランドハウス東京で開催した。この展覧会は、ハーンの有名な著書「怪談」をテーマとしアイルランドと日本のアーティストがその鋭い感性を活かして、作品を制作した。ハーンが描いた「怪談」の世界観を現代によみがえらせる展覧会だ。
ハーンとその妻、セツは松江で出会った。その地でセツはハーンに日本に伝わる怪談を語ったことは非常によく知られている。ハーンは時としてセツの語りに恐怖にかられ、夢を見ることに耐えがたく成ることさえあったという。現代作家によって描かれたこの「怪談」の世界を見ると、鑑賞者は「ハーンが抱いた恐怖」を間近に感じることさえできる。

またこの展覧会を記念して、アイルランド出身の薩摩琵琶奏者チャールズ·マーシャルとアイリッシュハープのトリーナ·マーシャルのコラボによる演奏会も開催された。その演出と音楽は、日本人であればだれもが「耳なし芳一」という怪談を思い浮かべる。

ハーンはギリシャのレフカダ島で、アイルランド生まれの父とギリシャ人の母の間に誕生し、その後、ダブリンで暮らしている。アイルランドは妖精、霊の存在が文化に息づく国だ。現在、日本で大きなイベントとなったハロウィンもアイルランドが発祥だ。もともとハロウィンはケルト人の信仰から生まれ、その起源は亡くなった人々の霊魂は戻ってくるというところにある。日本もまた霊は毎年のお盆に自宅に戻るという考えがあり、両国には各地域には妖怪、幽霊が存在する。アミニズムで繋がった両国の文化にラフカディオ·ハーンは親近感を覚え、セツというよき伴侶を得て、小泉八雲となって日本で生きることを選んだように思えた。

この展覧会は2023年6月に、ラフカディオ·ハーンが暮らした島根県松江市で開催して以来、各地を巡回し、「創造性が人と人を繋ぐ」というアイルランドパビリオンのテーマにちなみ、Expo2025大阪·関西万博でも展示された。2026年には埼玉県の柳沢画廊でも展示が決定している。ぜひとも鑑賞していただきたい展覧会だ。


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