ギリシャの歌姫とめぐる、ギリシャ人作曲家の音楽の旅

駐日ギリシャ大使オルガ・クリアマキ閣下とギリシャの歌姫アダ・アタナソプル

今年のギリシャの独立記念日の祝典には、特別の驚きがあった。昨年12月に着任した新大使オルガ・クリアマキ閣下の招きにより、ギリシャ出身でロンドンを起点にして世界中で活躍しているディーバ、アダ・アタナソプルが来日し、日本に駐在する外交団、ギリシャに関わる方々に素晴らしいコンサートを開催した。

アダ・アタナソプルは、ギリシャで著名な作曲家のミキス・テオドラキスやミミス・プレアサス、ヨルゴス・ハジナシオスなどが作ったギリシャ人なら誰もが知る曲を披露していった。その中にはビートルズが英語でカバーしたことでも知られる「ハネムーン・ソング」も含まれていた。日本の聴衆を驚かせたのは、ギリシャ人ソプラノ歌手が、ギリシャ系アイルランド人の作家ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の詩にギリシャ人作曲家ゲオルギオス・ヴカノスが曲を書いた「Eternal Song of the Four Heavens」を、日本の歌「糸」(作詞・作曲:中島みゆき氏)とともに初めて披露し、ギリシャと日本の音楽の伝統を結びつけたことである。

ピアノ伴奏とともにギリシャと日本の楽曲を披露するコンサート会場の様子

残念ながら日本人の聴衆の多くはギリシャ語は理解しなかったが、それでもアダ・アタナソプルが歌う数々の名曲には深く感銘を受けた。豊かな美声に加えオペラを基本とした正確な音程などのテクニックを兼ね備え、ギリシャ語の発声の美しさは、たとえ言葉はわからなくとも聴衆の心に染み入るものがあった。

ギリシャ語は古代から優れた言語として、多くのギリシャ悲劇、哲学を表し、現代においても「無形のパルテノン神殿」とさえ呼ばれる。UNESCOはギリシャ語デーを設定する等、世界で歴史的に評価されている言語だ。まさにギリシャ文化の真髄を感じつつも、わくわくするような高揚感を覚え、心から楽しめる音楽によるジャーニーであった。

感情豊かにギリシャ語の歌を届ける歌姫アダ・アタナソプルのアップショット

アダ・アタナソプルの次回の来日が待たれる。今度はコンサートホールにおいて、現代ギリシャの曲とさらにギリシャをオリジナルとして世界にひろがった楽曲などを組み合わせ、改めて音楽による世界一周旅行を楽しんでみたいと思った。

東京でのコンサートでパフォーマンスを披露するソプラノ歌手アダ・アタナソプル

プログラム & 作曲家

1. 夢の旅人 – ジョルゴス・ハツィナシオス(作曲家)
2. ウェイク・アップ・マイ・ラブ – コスタス・ジャンニディス(作曲家)
3. ワン・スカイ – ミミス・プレサス(作曲家)
4. 太陽の当たる場所 – ジョルゴス・ハツィナシオス(作曲家)
5. ハネムーン・ソング – ミキス・テオドラキス(作曲家)
6. ダスカロマナ – George Voukanos(作曲)、Mary Voukanou(作詞)
7. 四天の永遠の歌 – ラフカディオ・ハーンの詩
ジョージ・ヴォカノス(作曲)、エフィー・パナゴプルー(英語詞)
8. 糸 – 中島みゆき
9. Sunday Dawns – ミミス・プレサス(作曲家)
10. ゾルバ – ミキス・テオドラキス(作曲家)

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