日本における「セルビアの家」、駐日セルビア共和国大使館、セルビアの音楽を紹介「蒼炎―分断を超えて」:トリオ・シャルール+蒼炎メンバーによるコンサート開催

駐日セルビア共和国大使館でのコンサートにて、アレクサンドラ·コヴァチュ大使とトリオ・シャルール、蒼炎のメンバー。

セルビアと日本の関係は非常に良好であり、2027年には友好関係145周年を迎える。この年、セルビアの首都ベオグラードでは、「Play for Humanity – Sport and Music for All -スポーツと音楽をすべての人に」と銘打った国際認定博覧会(ベオグラード国際博覧会)の開催も予定されている。

この日のセルビア共和国特命全権大使アレクサンドラ・コヴァチュ閣下は、この国際認定博覧会(ベオグラード国際博覧会)の開催に触れ、「創造性と芸術をたたえる祭典となるはず」と明確にコメントした。

ベオグラード国際博覧会2027への期待を語るアレクサンドラ·コヴァチュ特命全権大使。

この国際認定博覧会(ベオグラード国際博覧会)のテーマには、技術主導の不安に満ちた世界で、強靭な個人と共同体を構築するために、人間はあそびの力を活用で、音楽とスポーツを通じて分断を乗り越え、復興を願うという「繋がり」を再構築するという意味が強い。現在、中東情勢が不安定化し、ロシアによるウクライナ侵攻の先行きも見えない今、私たち人類の共通の課題はまさに、「音楽、スポーツを介して繋がり、理解し合い分断を乗り越えること」ではないか。

この夜に演奏を行ったトリオ・シャルールは、「分断を乗り越える」を音楽で表現していた。フルート(齋藤有紀)、ピアノ(金益研二)、チェロ(薄井信介)の3名によって構成されたトリオ・シャルールは、日本で活躍を続ながら、2013年からはセルビアを度々訪問し、その活動の枠を広げてきた。

セルビアとのつながりを持ってからは、トリオ・シャルールは生のセルビアの音楽にさらに深く感銘を受け、より多くのセルビアの作曲家による作品、伝統的な楽曲と日本の著名な楽曲をセルビアのテイストを込めて編曲するなどしてレパートリーに取り入れている。そのトリオ・シャルールならではの独特の世界観は、セルビアと日本を結び付け、また沿分断を乗り越えてきたセルビアのしなやかな強さを表現しているとも言える。

トリオ・シャルールはセルビア人よりセルビアらしい音楽を演奏すると評され、2022年にはセルビアと日本の友好関係140周年を祝う記念コンサートでも演奏した。そのしなやかで強いセルビア色の強い音楽を、この夜に集まったセルビア縁の人達もまた心行くまで楽しんだ。

トリオ・シャルールと蒼炎メンバーによる、セルビアと日本の楽曲を織り交ぜた演奏。

この日のプログラムはピアソラの名曲「リベルタンゴ」から始まった。力強いフルートのリードでとてもモダンな演奏を聴かせが、続く日本の宮城道雄の名曲「春の海」では、フルートは大胆とも言える変化を見せた。ここではフルートは日本の尺八にも似た響きをもって、違った音楽を作り上げていた。

このパートの最後に演奏されたセルビアのコロは、めまぐるしいピッチで演奏された。「コロ」とはユネスコの世界無形遺産に登録された踊りで、その意味は「円、車輪」だという。「コロ」はセルビア語の意味の通りに、輪になって踊る舞曲であり、セルビアでは一般的であり、小学校において子ども達はその踊りを習うという。聞いているだけで自然に身体が動き出し、円になって踊る人々の輪に加われそうな気分になった。

セルビアの伝統舞曲「コロ」を情熱的に演奏するフルート奏者の齋藤有紀氏。

続くセルビア・メドレーでは、セルビア音楽に造詣の深いこの日の聴衆も、その音楽が醸し出したセルビア色に感銘を受けた。メドレー最後の曲は、ロシアの作曲家グリンカが作曲した「ペテルブルグの別れ」から有名な「ひばり」が演奏されたが、これもまた独特のセルビアの香を積んでおり、まったくちがった良い味を出していたと言える。

演奏会後のレセプションで交流を深める出演者と来場者。

音楽は余計なコメントもなにも必要とせず、その音だけでセルビアの文化のすばらしさを運んでくる。音楽もまたスポーツと並ぶ万国共通の言葉であり、異なる民族、文化、全てを超えて人々の心を繋げていく。この夜の感動を分かち合った人々は、セルビアがモットーとする分断を超えて一つになることを、来年のベオグラードでの国際認定博覧会より一足先に創造性と芸術をたたえ合う体験をしたようだ。

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