日本人の食と心を掴んだチリ大使:5年の任期を終えて帰国へ

駐日チリ大使ロハス閣下、送別会で乾杯の挨拶

この度、駐日チリ共和国特命全権大使、リカルド・ロハス閣下が日本を離れる。大使が感謝の思いを表すために主催した送別会には、5年間の長きに亘る日々に培った両国の友情を表すかのように、あらゆる業界から多くの人々が集まった。

ロハス大使、送別会に集まったゲストたちと

2021年着任したロハス大使の日々は、2021年の東京オリンピック、パラリンピック、2022年のチリと日本の国交樹立125周年から始まり、2025年の大阪万博など、大イベントの連続でもあった。

チリ国旗の前で記念撮影するロハス大使とゲストたち

ロハス大使は、送別会でのあいさつでもその日々を振り返った。日本のチリ大使館は決して大規模ではない。大阪万博への参加も決して楽なことではなかった。しかし、駐日大使館が中心となり、チリに関係する民間企業、チリ国内の関係機関などが綿密に連携し、力をあわせて取り組むことによって、大阪万博でのチリパビリオンは大きな成功を得ることができた。チリパビリオンには、万博会期中に200万人もの人々が訪問し、ソーシャルメディアでも大きな話題となった。注目度に至っては万博パビリオン中、トップ5館にもランクインしている。

大阪万博での協力を象徴する、多国籍のゲストと共に写るロハス大使

チリと言えばサーモン、ワインなどの食品を日本人は思い浮かべるだろう。現在日本で食べられているサーモンのほとんどがチリ産といわれ、スーパーマーケットでも手軽に購入できるほど日本人の生活に浸透している。ロハス大使の任期中にも日本への食料品の輸入量は増加をつづけた。

チリと日本の食品貿易を象徴する、送別会でのひととき

また、チリは国土が南北に細長い海洋国家であり、砂漠があるために豊かな風が吹く。チリはこうした恵まれた国土を活かして、風力発電を推進しており、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標としている。そうしたチリ政府の方針により、ロハス大使の活動はエネルギー、重要鉱物、科学技術などの幅広い分野におよぶこととなった。幸い、いずれも着実に協力体制を作り、着実な成果につなげていっている。これはロハス大使の巧みな外交手腕に他ならない。

エネルギー・科学技術分野での協力を象徴する送別会の一場面

また海洋国家として、長い歴史を持つ優秀な海軍でも知られている。防衛の面でもチリ海軍は日本の防衛省ともよい関係を築き、海上自衛隊幹部候補生学校の卒業式にロハス大使は毎年出席し、最優秀学生にメダルの授与を行ってきた。毎年のこの経験は、ロハス大使にとって日本でも忘れられない思い出だという。

チリ海軍と海上自衛隊の士官と共に写るロハス大使

5年の任期の中で、多彩な分野で確実に成果をあげられたことは感慨深く、外交官としての充実した仕事ぶりがうかがえるが、ロハス大使は常に謙虚であり、すべては各省庁、国際協力機構、商工会議所を始め、多くの省庁、政府機関、自治体などの御協力なしにはなしえなかったと日本への深い御礼を述べている。

チリと日本の友好を象徴するピンバッジを着けたゲストとロハス大使

ロハス大使はまた、日本各地を訪問できる機会に恵まれたことにも感謝を述べた。広島・長崎の原爆記念式典などへの出席も含め、心を揺さぶられる思いを持ったという。京都の寺社の訪問の際は、日本の文化、歴史の奥深さに心を動かされ、長野では日本の自然の美しさも堪能した。しかし、最も印象に残る訪問は、大阪、山梨のイノベーション拠点を視察したことだという。また、海上自衛隊訓練学校の卒業式に参列し、毎年、最優秀学生への勲章の授与を行ったことです。

日本での思い出を語るロハス大使、送別会にて

こうした関係づくりが旨く行ったことで、チリと日本の関係はより強固なものとなっている。ロハス大使は帰国なさるが、ぜひともまた日本を訪問してほしい。名大使の「里帰り」を日本は待っている。

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