カリブ海のリズム〜Rhythms of the Caribbean〜

カリブ海のリズム〜Rhythms of the Caribbean〜

カリブ海のリズム(Rhythms of the Caribbean) ジャマイカを思いっきり楽しむ夜がやってくる。 日時:10 月 07 日(金)18:30~21:00(開場 18:00) 場所:日本外国特派員協会「FCCJ」 東京都千代田区丸の内 3-2-3 丸の内二重橋ビル 5 階 地図はこちらから ジャマイカと言えば音楽。本場仕込みの歌手、ロベルト・ザ・スペシャリストが出演し、DJヒートによるレゲエ、アメリカンクラシック、ロックンロール、R&Bを演奏。 プロダンサーのショーン・クルサムによるデモンストレーションとフリーダンスも楽しみ。 ジャークチキンに代表される本場のジャマイカ料理も味わえる。 遠くて近い国、ジャマイカを楽しもう! 入場料:5,000 円(食事、飲み物込み。2時間制)事前振り込みでお願いいたします。振込手数料はご負担をお願いします。 当日受付 6,000 円(現金、PayPayでお支払い下さい) ドレスコード:スマートカジュアル、クールビズ 主催:日本ラテンアメリカ・カリブ海振興協会(JAPOLAC) 東京都中央区築地 4-12-2-806 TEL:(日本語) 03-6264-3858   (英語、スペイン語) 03-6264-3859 メール:info@japolac.com 協賛:株式会社喜代村(すしざんまい) 、ジャパンパートナーシップホールディングズ株式会社、…

パナマ大使はビジネス界出身 そのキャリアがもたらす新たな視点でパナマの魅力を語る

パナマ大使はビジネス界出身 そのキャリアがもたらす新たな視点でパナマの魅力を語る

長年ビジネスで培われた経験を活かし、駐日パナマ共和国カルロス・ペレ大使閣下は、日本とパナマの外交関係に独特とも言えるビジネスの視点をもたらしている。 この度の、ペレ大使のインタビューでは、そうした深い洞察を感じることができた。大使は日本ではまだあまり知られていない、日本とパナマの外交関係などにまつわる歴史も丁寧に話している。さらに、パナマ運河の人気の秘密や同国のユニークな経済および観光の魅力についても語っている。観光の楽しみでもある食に関しては、「Arroz Con Pollo(アロス・コン・ポジョ、鶏肉入りご飯)」を「お好み」として紹介。特に甘いプランテン(調理用バナナ)といただくのがお勧めのようだ。 大使は1974年にパナマシティ生まれ、パナマのラテンアメリカ科学技術大学(ULACIT)で学び、2019年10月に来日している。ペレ大使は民間企業の出身というバックグラウンドを持っているが、父と祖父は外交官として奉職しているという。 日本とパナマの外交関係について ペレ大使:日本とパナマの外交関係は長く、1904年に遡ります。1903年11月3日にパナマがコロンビアから独立を宣言した約60日後に、アジアの国として初めて外交関係を結んだ国が日本でした。これは運河があったことによって後押しされていると言えます。 日本船籍の6割がパナマ籍であり、日本は運河の第2位の利用国です。日本で使われるLPG(液化石油ガス)の8割がパナマを通過しており、パナマ運河は日本にとって重要な輸送・商業ルートと言えます。パナマは日本との間に強いパートナーシップと非常に強固な関係を築いており、その健全な関係を維持し、海運業界のお客様の声を聞くようにすることが大使としての任務のひとつでもあります。 パナマ経済の特徴について教えてください。 ペレ大使:パナマは、その地理的な位置の恩恵を受けています。地域で最も先進的な空港があり、全長約82キロの運河(パナマ運河=大西洋と太平洋を隔てる)に恵まれています。また、パナマは多くの多国籍企業が集結する経済の中心地でもあります。パナマには約140社の多国籍企業があり、日本企業も約40社あります。キャノン、パナソニック、ソニー、日本工営、トヨタ自動車などの主要な日本企業がこの地域に集まっています。パナマには “潜在力 “があるという調査結果が出ています。それは400万人のパナマ人だけでなく、ラテンアメリカの7億人の人々にも通じることでもあります。 パナマは、民主的で安全な国です。住宅や商業施設など、どのような企業でもこの地域で成長するためのインフラが整っています。また、パナマは自然災害が少ないため、データセンターやロジスティックセンターに適しています。パナマにはラテンアメリカ最大のフリーゾーンがあり、地域に貢献し成長している製薬企業があります。日本の企業がフリーゾーンに製品を送り、そこから中南米の他の地域に流通を行っています。 日本とパナマ間で、今後も成長が期待される分野は何でしょうか? ペレ大使:数件のプロジェクトが進行中ですが、特にJICA(国際協力機構)とのプロジェクトが注目されています。パナマ首都圏都市交通3号線整備事業の建設資金はJICAによって提供されています。この整備事業は、パナマシティの西部で行われますが、推定70万人にサービスを提供することになる重要な事業です。プロジェクトの完成後は、通勤時間が大幅に短縮され、人々の生活が変わることになるでしょう。現在、パナマの人々は出勤時間に間に合うように、朝3時か4時頃に起きて、17キロメートル離れたパナマシティまで通勤移動しなければなりません。これでは家族や愛する人と過ごす時間が少なくなってしまいます。家族を中心とした生活を醸成することは非常に重要ですので、日本からの資金援助と強力なパートナーシップによって解決に至ることに、大変感謝しています。 日本政府との協力による「パナマ湾浄化事業」は、パナマシティの衛生・環境状況を改善するため、排水収集システム、排水遮集システムおよび下水処理施設の建設を目的としています。このプロジェクトの調印は2007年6月になされました。パナマは、これらの日本との協力関係とこれまでの進捗を大変誇りに思っています。 日本でのパナマコーヒーの人気は高まっています。少し詳しく教えていただけますか。 ペレ大使:日本でパナマと言えば、まずパナマ運河、次にパナマ・ゲイシャ・コーヒーを思い浮かべるでしょう。私から農業部門への提言は、貿易を継続し、カカオのような高品質の製品を生産する競争力を持つことです。パナマは、カカオとラム酒の第一級の栽培国です。パナマはカカオの栽培と輸出に観光を組み込んでいます。パナマに日本人観光客を呼び、日本に農産物を輸出するという、両国にとってWin-Winの関係になることでしょう。 コーヒー業界は順調に推移し、特に日本のコーヒー市場において良い業績を上げています。ゲイシャコーヒーは14、15年前に始まりましたが、それは偶然の産物とも言えます。ですが、このコーヒーの味が日本人の好みに合うように、コーヒービジネスを日本に浸透させなければなりません。昨年、ゲイシャコーヒーのトッププロモーターである日本のサザコーヒーは、1ポンドあたり約2,000ドルの値段を付けました。現在では、何軒かのコーヒーショップでゲイシャコーヒーを取り扱っていますが、いつもすぐに売り切れてしまいます。これは、需要が非常に高い一方で、生産量が非常に少ないことを意味します。なぜなら、どこでも栽培できるというわけではないからです。ゲイシャコーヒーは、一般的なコーヒー豆ではないので、特定の湿度、高度、温度の下、管理しながら育てなければなりません。 持続可能な観光、SDGsへの取り組みについてお聞かせください。 ペレ大使:持続可能な開発目標に向けて取り組み、次世代のために未来に貢献することは、パナマにとって非常に重要なことです。パナマ運河が直面している最大の課題のひとつは気候変動の影響です。これは運河が一定の水量で機能しているためです。通常、雨季は3月か4月に始まり、12月に終わります。しかし、今は5月に雨が降り始め、1月に止むという気候の変化が起きています。パナマでは1年を通して8ヶ月間が雨季です。運河にとっては非常にありがたいことですが、干ばつになると水位が著しく低下するため、状況が懸念されます。そのために新たな水源を探さなければなりません。運河にとって期待されるプロジェクトがあり、そのひとつは40億ドルを投資する淡水プロジェクトです。 観光に関しては、パナマが国連世界観光機関と持続可能な観光への関与に関する協定を締結していたことを、誇りに思っています。パナマは、観光の持続可能性についても共有するつもりです。もちろん、パナマには美しいビーチ、美しい山々がありますが、パナマの最も重要な財産は人だといえます。パナマには、観光客のために食事を提供し、サービスを提供したいと考えている人々がおります。ですので、将来的に、実際にもっと多くの日本のお客様を、観光目的で受け入れることができるようになるでしょう。しかし、問題は「どうやってパナマに行くか」です。日本人の休暇は短いですね。残念ながら、日本とパナマを結ぶ直行便はありませんので、パナマ大使館はその実現に向けて努力をしています。これはパナマだけでなく、ラテンアメリカ諸国への便宜を図るためでもあります。中米・南米にとって、パナマは戦略的な位置にあるため、新しい空港ターミナルが建てられ、アメリカ大陸の83都市に直行便が就航しています。直行便が最も多いとされる2番目の都市はメキシコシティで、58都市とつながっています。日本から直行便が到着すれば、中南米やアメリカのどこにでも行くことができます。 パナマの伝統工芸、モラの歴史についてお聞かせください ペレ大使:モラはグナ・ヤラ族の工芸品です。グナ族(インディアン)とは、パナマの北部、378の島々からなるサンブラス諸島に住む先住民を指します。モラはリバースアップリケという技法を使ったハンドメイドアート(衣服)です。「モラ」という名称は世界のどこにも存在せず、パナマではグナ・ヤラ族だけが使っています。パナマの文化の一部と言えます。”世界のどこにいても、モラを見たら、その作品をとても誇りに思う。” モラはグナ族の人々にとって、漁業以外では一番の収入源となっています。…

日本画家・太田慧香個展『「共に生きる」-自然の寄り添い』

日本画家・太田慧香個展『「共に生きる」-自然の寄り添い』

日本画家・ 太田慧香個展『「共に生きる」-自然の寄り添い-』 東京・セイコーハウス銀座ホールにて開催中(9月11日迄) 古典的な技法で美しい花鳥風月を描き続けている日本画家、太田慧香の個展が今、訪れた人々に深い感動を与え、高い評価を受けている。 前回の太田湘香との二人展から3年という時間を空け、満を期しての初の個展開催となった。その間には、母であり日本画の師でもあった太田湘香を亡くし、また、新型コロナウィルス感染拡大という予想もつかない事態にも遭遇している。そんな中で、太田慧香が改めてみつめたのは「自然の偉大さ」「寄り添う自然」であり、その自然と「共に生きる」というあり方だったのだろう。 作品には、太田慧香が抱き続けている「自然への畏敬」と共に深い愛と真摯に芸術に向き合う力強い信念が感じられる。特に、四曲一双の屏風「深山幽谷」は見る人の心を打つ。将来、この作品はきっと彼女の代表作になるに違いない。木々が生い茂る深淵な山々には、湧き上がるような明るい光が湧き上がってくるようで、それはあたかも「明けない夜はない」と、不安の中にいる人々にまだ見えぬ希望を語り掛けるようだ。 太田慧香は小さな生き物にも優しいまなざしを注ぐ。稲穂にとまる雀、コスモス、紅葉などの間に遊ぶルリビタキ。どれも愛らしく心安らぐ。しかし、稲穂からおちた米をついばむ、正面を向いた雀のまなざしは、自然に生きることの厳しさを物語るかのように強く、たくましい。 今回の展覧会の作品には、扇、ストールなどと並んで、日本の住宅にも飾れるような小品もいくつか出展している。伝統的な表装も多いが、アクリルなどの新しい素材を使い、立体感溢れるモダンな表装には心惹かれる。こうして現代に息づきつつ、太田慧香の描く花鳥風月は、日本の伝統美を現代に伝えているのだと思う。 ふらりと立ち寄っても癒される。見る覚悟で行っても満足できる。そんな素晴らしい個展だ。 【関連記事】 日本美術を学ぶこと、その精神を理解すること 虚心会 太田慧香 個展のお知らせ 山種美術館

日本ジョージア国交樹立30周年記念イベント開催

日本ジョージア国交樹立30周年記念イベント開催

日本ジョージア国交樹立30周年記念事業「Summer Art & Music Fest with Nina Ananiashvilli」開催 ジョージアと日本は1992年8月3日に外交関係を樹立、今年は30周年にあたる。国交樹立30周年を記念して、ジョージアと日本両国では多くのイベント、友好交流事業が行われている。ジョージアには日本を代表する芸術家が訪問し、また、日本にもジョージアを代表する数多くの芸術家が来日している。 その一つとして、一般社団法人日本ジョージア文化交流協会主催、外務省、在日ジョージア大使館が後援する記念事業が開催された。「Summer Art & Music Fest with Nina Ananiashvilli」と題されたこのイベントでは、ジョージアが生んだ世界的バレリーナ、ニーナ·アナニアシヴィリがスペシャルゲスト・イベントアンバサダーを務め、ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使がスピーチを行い、多くの観客を歓迎した。ジョージアと日本の記念すべき年を祝う為、多くの駐日大使も参列した。 この記念事業の第一部はトビリシカルテット弦楽コンサート〜ジョージアの調べ〜、第二部は日本を代表する太鼓芸能集団「鼓童」による公演となった。 トビリシカルテットの日本での歴史は古い。日本で活躍するジョージア人と日本人による弦楽四重奏団であり、その演奏には定評がある。この度はジョージアを代表する現代作曲家スルハン・ツィンツァーゼによる楽曲をメインに演奏した。いずれの曲もジョージアの各地に伝わる民謡を題材として作曲されたものだが、美しく、もの悲しく、心にしみる音楽で、深く聞く人の心を打つ。 また、「鼓童」による演奏はダイナミックで、身体に伝わってくる太鼓の振動と機敏な動きに目が離せなかった。 こうした優れたプログラム構成、演出は、ニーナ・アナニアシヴィリとレジャバ大使あってのことだろう。ジョージアの芸術と日本の文化を知り尽くした二人が協働したことによって生み出された、素晴らしい時間にしばし酔いしれることができた。 ジョージアという国はとても誇り高い。旧ソ連からとても早い時期に独立を求めた共和国であり、世界最古ともいえるアルファベットも守り続けている。代表的な料理シュクメルリは日本ではブームとなり、その食の豊かさも見逃せない。…

国際文化交流パーティ”SUMO”開催 日本の国技を楽しむ

国際文化交流パーティ”SUMO”開催 日本の国技を楽しむ

日本の国技と言えば相撲。長い歴史を誇る日本古来のスポーツだが、今も日本人に深く愛され、さらには世界の人々にも愛され続けている。モンゴルをはじめ、海外から力士を目指し、相撲部屋に入門する若者も多い。 今回のイベントは、超党派 大相撲の発展を求める議員連盟のアドバイザーを務め、元力士でもある永井明が中心となり、より深い相撲文化の普及と国際化を目指して企画、運営された。 このイベントでは、元力士を揃え、会場内に土俵を作り、実際に力士同士がぶつかり合って数々の技を披露した。もちろん、相撲には日本古来、培われた美学ともいえるマナーがある。土俵の上での礼儀、取り組みでの禁じ手なども紹介された。いずれも外国人にも理解していただけるよう、丁寧な英語での説明がなされた。 続くアトラクションでは、会場に集まった参加者が力士の着ぐるみをきて相撲をとった。最初は参加に躊躇していたが、皆が沸き立ち、多くの男性が参加し、真剣に相撲をとった。駐日レバノン大使の令息も進んで参加し、引退したとはいえ、稽古を積んだ力士を互角の勝負をした。これは長い相撲となったが、どちらも譲らず、力相撲となった。最後は駐日レバノン大使のご令息が若さにものを言わせ、本物の相撲さながらの技で勝ちを得た!続いて、日本でレスリングのトップ10に入るという選手も参戦。その勝負も真剣そのもので、スピード感あふれる取り組みに改めて会場は沸いた。 最後にはそれぞれが力士と記念撮影。本当の土俵であれば、女人禁制であるが、ここでは誰もが土俵に入り、力士のポーズをとった。 相撲はもはや日本だけのスポーツとは言えないほどグローバルになった。しかし、その美学は守られ、それは日本人の心とも言える。 力士の経験もある永井明氏には、今後も本当の相撲を世界に広めるべく、活躍していただきたい。 Read also, KONISHIKI:大関が語る相撲 ディミトリス・カラミツォス−ジラス新駐日ギリシャ大使に聞く アルジェリア独立60周年記念インタビュー

名作《ゲルニカ》を身近に

名作《ゲルニカ》を身近に

名作ゲルニカを身近に「ゲルニカが来た!大迫力の8K映像空間」 2022年8月16日(火)~8月28日(日)NTTインターコミュニケーション・センター【ICC】で開催 ピカソの名作《ゲルニカ》。ロシアのウクライナ侵攻に伴い、これほど注目を浴びた名画はない。 ピカソはその生涯において4度の戦争を体験している。米西戦争、第一次世界大戦、スペイン内戦、そして第二次世界大戦だ。ピカソは、戦争そのものを描くことはなかったが、内戦ぼっ発から第二次世界大戦の終了まで、彼は絵筆を武器に見えない敵と戦い続けた。ピカソは1945年3月24日「レ·レトル·フランセーズ」で掲載されたインタビューで、「絵画は部屋を飾るために描かれるのではない。それは攻撃と、敵に対する防衛のための闘いの武器である」とも答えている。 1937年4月にスペインのゲルニカはドイツ空軍による大規模な爆撃を受ける。それを知ったピカソはパリ万博に展示する作品のテーマにこの《ゲルニカ》への爆撃を選んだ。 《ゲルニカ》は現在、スペイン・マドリードの国立ソフィア王妃芸術センター美術館に展示されている。《ゲルニカ》は門外不出だ。それはスペインにとって「最後の亡命者の帰還」という意味もあるだろう。しかし、制作から1958年までの間、各地での展示、梱包を繰り返したため、キャンバスは劣化し、ボロボロの状態になっている。それが《ゲルニカ》が門外不出となった大きな要因だ。 その《ゲルニカ》を現地に行かなくても鑑賞できるよう、NHKとICC(NTTインターコミュニケーション・センター)が協働し、325インチの8K高精細映像による上映を実現させた。監修には日本のスペイン美術の重鎮、早稲田大学名誉教授の大高保二郎氏があたった。 8K画像で再現された「門外不出の世紀の傑作」は余りにも素晴らしかった。踏みつけられ、傷ついた人々、苦しむ馬、母に抱かれた息絶えた赤ん坊、、、全てがありのままに再現され、更には肉眼では気付かない詳細な部分までも見ることができる。この大きな画面を通して、まるで《ゲルニカ》に抱かれるように、この傑作を鑑賞し、ピカソがなぜこの作品を描いたかも肌身をもって感じることができる。 8Kの映像空間はどこででも再現できるのだろうか。もしそうであれば、日本のみならず、世界各地でこの《ゲルニカ》を再現してほしい。この8K画像を通じて、人々は戦争の愚かさを知ることができる。現代においては、マスターピースを移動させるか、自分自身でその場に赴き鑑賞するだけではなく、こうした手法でも、芸術に真摯に向き合うことができる。 芸術とは形を変えるが、いつの時代も人々の意図と時代を反映する媒体だ。 <関連動画>NHKアーカイブス(https://www.nhk.or.jp/archives/museum/guernica/)で本展関連動画を公開中

TICAD8を記念して 横浜市役所で写真展開催

TICAD8を記念して 横浜市役所で写真展開催

TICAD8を記念して アフリカの今をみつめる写真展を横浜市役所で開催 8月27、28両日にチュニジアの首都チュニスで開催されたTICAD8-Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)は岸田文雄首相がオンラインで出席、また林芳正外務大臣が岸田首相の特使として現地へ赴き、大成功をもって幕を閉じた。 そのTICAD8開催を記念し、「アフリカ-大使たちの視線」写真展 実行委員長を務めるモハメド・エル―ミ駐日チュニジア大使および駐日チュニジア大使館の協力により、アフリカの今を紹介する写真展が、8月14日から16日まで横浜市役所1階ホールで開催された。 開会式では、同写真展実行委員会で名誉総裁を務める高円宮妃久子殿下ご臨席のもと、アフリカの発展、TICAD8等についての印象的なスピーチを賜った。当日の妃殿下は、アフリカの自然の風景を表したジャケットをご着用なさり、そのお姿からもアフリカへの理解とあたたかなまなざしが感じされた。 この写真展では、19カ国におよぶアフリカ各地に駐在する、総勢36名の日本人外交官、自衛官らが撮影した写真が展示された。いずれの作品も、目の前にあるアフリカの姿を撮影したものだ。その中には美しい大自然、伸び行く都市の姿、歴史的な場所、はじける笑顔など、アフリカの今が満載されていた。 TICAD8を総括し、林外相が「共に成長するパートナー」であるアフリカの潜在力を日本企業が活かすための機会であり、新たなビジネスの潮流を踏まえて日本企業がより一層ビジネスを展開できるよう後押ししたい、今回の会議を通じTICAD8に向けた機運が一層高まることを祈念する」と述べている通り、アフリカは今、ひときわ勢いのある大陸だ。これからのアフリカ諸国と日本の成長にこれからも期待したい。 【関連記事】 Let’s Reconnect!『にっぽん-大使たちの視線』 TICAD8まで1ヶ月:モハメド・エルーミ駐日チュニジア大使にインタビュー 〜TICAD8に向けて〜チュニジア デー in 横浜開催! チュニジアの独立66周年を祝って

アイルランドのミホール・マーティン首相訪日

アイルランドのミホール・マーティン首相訪日

アイルランドのミホール・マーティン首相訪日 日本との更なる関係と協力の深化にむけて アイルランドと日本の外交関係樹立65周年を記念し、2022年7月に第15代アイルランド首相、ミホール・マーティンが訪日した。首相は、岸田文雄内閣総理大臣と会談し二国間関係をよりいっそう深めたほか、都内のホテルで開催されたレセプションに出席し、アイリッシュコミュニティのメンバーおよび日本のパートナーたちと親睦を深めた。 ミホール・マーティン首相がレセプションのスピーチで述べた通り、アイルランドと日本は1950年代からの長い友好関係がある。両国ともに世界的な課題に直面しつつも、緊密で温かく、また生産的な関係を続けている。この二国間関係は、民主主義、法の支配、人権の促進という共通の価値観に基づいていることに他ならない。 また、日本の経済的パートナーとの会談では、日本との強力な経済的互換性に基づき、アイルランドがイノベーション、デジタル、グリーン経済、ライフサイエンス、金融サービス、フィンテック、科学研究の分野で専門性を高めていることを述べた。 日本企業のアイルランドへの進出も多く、それによって投資と質の高い雇用が創出され、二国間の経済関係の更なる発展にも貢献している。 また、アイルランドはその文化でも広く知られており、世界的な作家、アーティストも数多く輩出している。アイリッシュダンスをはじめ、その国民的な文化もすばらしい。日本でもそうしたアイルランドの文化は深く愛されており、先日もジェイムズ・ジョイスのブルームズデーを祝った。さらに10月には、1995年にノーベル文学賞を受賞し、日本を愛した偉大な作家シェイマス・ヒーニーの名にちなんだシェイマス・ヒーニー賞の初の授賞式が行われる予定だ。同賞は、日本人作家またはアイルランド文学作品の日本人翻訳家に贈られる賞である。 ミホール・マーティン首相は、アイルランドによる長期的な投資や良好な二国間関係の象徴となる新しい大使館ビル「アイルランドハウス」プロジェクトを歓迎した。このプロジェクトを成功裡に導いたことには、両国の機関の緊密な連携があった。 ミホール・マーティン首相は日本滞在中、日本の緑茶をこよなく愛すると口にした。2024年にはアイルランドと日本の深い友好関係の証ともいえるアイルランドハウスがオープンする。そのオープニングには、是非ともミホール・マーティン首相に改めて来日し、ご出席いただきたいと願う。ぜひとも日本の人々と、おいしい緑茶を一緒に味わっていただきたい。 【関連記事】 セント・パトリックス・デーを祝って カヴァナ駐日アイルランド大使インタビュー 駐日アイルランド大使館 ブルームズデーと『ユリシーズ』刊行100周年を祝う

大使館クッキングクラス(1)ジンバブエ

大使館クッキングクラス(1)ジンバブエ

日本中近東アフリカ婦人会(NCAF 会長 小池那智子)は、日本にあるアフリカ、中近東の大使館と交流し、本場の文化を味わい、伝え、理解する活動を広めている。 この度は、ノンプメレロ・アブ-バスツジンバブエ特命全権大使夫人によるクッキングクラスを開催した。今回は、40名近い日本中近東アフリカ婦人会のメンバーが参加し、本場の味を楽しんだ。 ノンプメレロ夫人が教えてくださったジンバブエの「味」は、サッザ、カボチャの葉の煮物、牛肉のシチューの3点だ。いずれも日本人にはなじみのない料理だが、食してみるととてもおいしい。材料も日本で入手できるものであり、家でも作ってアフリカの味を楽しめる。 レシピは以下の通り。 (日本中近東アフリカ婦人会ではこうした交流イベントを度々開催。入会等のお問合せは:ncaf2016@gmail.com) ジンバブエ料理 【材料】 イシツワラ/サザ(濃厚なトウモロコシのおかゆ) 材料 コーンミール 3カップ 冷水 1カップ 熱湯 750ml 【作り方】 コーンミール1カップを鍋に入れる。冷水を加えてかき混ぜ、ペースト状にする。 鍋を火にかけて、強火にする。ダマにならないように混ぜながら、熱湯を同時に加える。沸騰するまでかき混ぜ続ける。沸騰したら、鍋に蓋をして火を弱め、15分煮込む。続けてコーンミールを少しずつ加え、だまにならないようによく混ぜる。好みの固さになったら蓋をして5分蒸らす。鍋を開けてさらに混ぜて完成。 お好みのレリッシュやソースでお召し上がりください。 イボボラ/ムブーラ(カボチャの葉のお料理) 【材料】 かぼちゃの葉 1kg 皮をむき、洗ってみじん切りにする。 みじん切りにした大きなトマト 1 個 ピーナッツバター 大さじ3…

 日チリ外交関係樹立125周年記念

 日チリ外交関係樹立125周年記念

日チリ外交関係樹立125周年記念平和を願って:ラリ村のクリンの鶴を贈呈 最近、日本ではチリというと良質でおいしいワインを思い浮かべがちだ。チリのワインは日本の食卓をかなり豊かにしている。チリという太平洋を挟んだ遠い「隣国」と日本は、普遍的な価値を共有しつつ、深く長い友好関係を築いている。日チリ外交関係樹立125周年を迎える今年は、多くの記念すべきイベントが両国で開催され、改めてその関係の深さとチリの豊かな文化に触れる良い機会ともなっている。 その一つに、9月7日に広島市で開催される「平和のためのラリ村のクリンの鶴」寄贈式がある。このイベントは駐日チリ大使館が主催し、特別にチリの民芸家がデザインしたラリ村の馬の尾の毛織の鶴を広島の人々に寄贈する。 チリはワインのみならず、織物も重要な産物であり、そのクオリティは世界に知られている。このイベントには、チリ外務省文化芸術遺産外交局とチリ民芸財団が参加し、200年の歴史を持つ「クリン」と呼ばれる特別な織物技術を基づいた手作りの工芸品が選ばれた。 今回、チリ側は事前に平和への願いの世界的なシンボルともなったあるひとりの少女と折り鶴の物語に感銘をうけ、「鶴」というテーマを選んでいる。1945年8月に広島に投下された原子爆弾により、放射線浴びて原爆症の犠牲となった日本人少女、佐々木禎子の物語だ。禎子さんは、放射線による病を治したいという望みをかなえるために千羽鶴を織った。 平和への願いを込めた「クリンの鶴」は、平和と核兵器のない世界への誓いを表現するために、ラリ村から広島まで17,000キロメートル以上の旅をしてやってくる。 寄贈式は9月7日(水)午前10時30分より、広島おりずるタワー12階で開催され、この寄贈作品は2022年9月7日から1年間、広島のおりづるタワー12階に展示される。 チリと日本の友情、チリから届いた平和を願う気持ちに感謝し、改めて平和への願いを込めて、「クリンの鶴」の到着を待ちたい。 作品と作家について: この寄贈作品作成のため、チリでは民芸家が選ばれた。それぞれの民芸家はその芸術性によって「鶴」を表現している。 民芸家 Brigida Caro Cabrera ブリヒダ・カロ・カブレラ Mariela Medina Medina  マリエラ・メディナ・メディナ Ana María Contreras…

アンゴラ大使インタビュー

アンゴラ大使インタビュー

身近になりつつあるアフリカの大国、アンゴラ 豊かな資源、民主主義的思考と女性の活躍を応援 TICAD8も今年開催され、日本からのアフリカへの注目度はますます上がっている。この機会にアンゴラという国について、駐日アンゴラ特命全権大使、ルイ・オランド・シャビエル閣下にじっくりとお話しをお聴きした。 大使執務室でお目にかかった大使は、洗練された身のこなし、ヨーロッパ系の雰囲気も感じる素敵な紳士だ。大使の母国アンゴラは、アフリカ大陸西南部に位置し、その豊富な地下資源と急速な経済成長によってフロンティアマーケットとしての成長を続けている。日本との関係も大変良好だ。 アフリカの最先端の思考を知る上でも、是非とも皆さんに読んでいただきたい面白いインタビューになった。 質問:大使のキャリアについてお聞きしてもよろしいでしょうか。 外務省には1976年に入省いたしました。それから、いままでに国連、アフリカ連合などの国際的な会議に参加してきています。 外交官としては、第一書記官としてフランスに9か月間、参事官としてイタリアに6年間、公使参事官としてポルトガルに9年間の駐在経験があります。駐在の際は、在外公館勤務をいたしてまいりました。大使としてのミッションは日本が初めてです。2018年の12月5日に、天皇陛下に信任状を奉呈いたしました。 駐日大使になる前、外務省本省において多国間関係局長代理を務めており、色々な国のデリゲーションとコンタクトがありました。その中で、日本ともコンタクトがありました。日本への駐在の話があった時にはすぐに喜んで承諾いたしました。自分の新しいステージに踏み入れるという意味でも重要な経験であると思いました。 質問:アンゴラは、日本では今まではあまり知られていない国でしたが、大使のご着任後の努力が実り、両国間はとても近くなったと言えます。具体的な政治的、貿易などについてもお話しいただけますか。 まず、現在の日本とアンゴラの関係は素晴らしい関係だと言えることができます。今までもよいレベルでありましたが、私が日本に駐在することによって、さらによくなって行くようにといたしたいと願っています。私が駐在する前には、「今まで以上によりよい関係を作ってください」という政府からのミッションを与えられたという経緯もあるからです。 しかし、関係を作るというのは、そんなに簡単なことでないことは理解しています。日本にはアフリカに対する方針というのがあり、さらに独自の考え方があります。ですので、日本のやり方を理解した上で、こちら側からもスムーズに動くべきでしょう。日本がアフリカに対しても色々と提案をして下さること、関係性を持つことを、いつも深く考慮していくべきでしょう。そうした考えを持ちつつ、日本側からもアフリカに対してはさらに、共に深く掘り下げていけるようにと考えています。 また、日本にとって、アフリカは遠い、もしくはイメージ的に遠いと思われています。しかし、ネット社会が発達した今、この時代になりましたら、そんなに遠いという大陸というのはもうないのではないでしょうか。 ただ、日本からアフリカに対しての考え方には、政治的に不安定であるという心配は今もまだあるようです。しかし、現在においては、いくつかの例外もありますが、基本的にアフリカの国々は政治的に安定しています。多くの国々は平和になっています。つまり平和な政治が行われていると理解していただきたいと思います。 特にアンゴラが地理的に置かれている南部アフリカですが、南部アフリカ開発共同体(SADC)となっております。この地域は、本当に平和な政治が保たれています。そのSADC地域は、アフリカの中でも大変経済的にもポテンシャルがある地域でもあり、更には政治的にも安定しているという理想的な地域とも言えます。 ぜひとも、日本の方にはアフリカ、特に南部アフリカ、アンゴラに行っていただき、投資を考えていただきたいと願っています。アンゴラがあるこの地域には、本当に豊かな資源に恵まれています。駐日アンゴラ大使としても、大使館としても、アンゴラができる限り日本で知られるようと努力をし続けています。日本側からも、我々の努力をよい形で受け入れていただいていると思います。 質問:2020年初頭から全世界で新型コロナウィルス感染によるパンデミックが起きていますが、アンゴラはどのような状況にあったのでしょうか。 アンゴラでももちろん新型コロナウィルスに感染した人たちは多く、亡くなった方もいます。ですが、ヨーロッパに比べたら、それほど悲劇というほどの被害には至りませんでした。それには、アンゴラ政府が早めに行動を起こし、移動クリニックが出動し、出来るだけ早くワクチンを国民に接種するという政策が功を奏したと言えます。 質問:日本とアンゴラの関係について、具体的な政策はおありでしょうか。 最初に、アンゴラから、2018年の年末に、大変大切なデリゲーションが日本に参りました。そのデリゲーションの中には大臣が3名含まれておりました。 そのデリゲーションが来た時に、南にあるナミベ港の包括開発請負契約を締結されました。これはアンゴラ政府とJBIC(国際協力銀行)等の間での一般協定で、投資総額は約700億円に上ります。 また、JICA(独立行政法人 国際協力機構)の事務所がアンゴラにできました。JICAが力を入れていることもあり、JICA関連の契約が数多くなされています。…

ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)現在開催中

ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)現在開催中

芸術×力という強烈なタイトルの展覧会が現在、東京都美術館で開催されている。 展覧会会場で感じる優れた芸術作品と権力には関係性がある。こうした芸術家を権力者が支援するというシステムはいつの時代にあっても確実に存在した。ルネサンスの隆盛にもその影響は大きく、豪商メディチ家の存在はとても大きい。 今回の展覧会は、まさに時の権力者が作らせ、愛した作品がそろえられている。キュレーションは多岐にわたり、けっして一つの時代、地域、芸術のスタイルにこだわっているわけではない。そのどれもが権力とはどういうものかを物語るようにち密で、素晴らしく美しい。 いくつかの作品を紹介すれば、芸術を愛したことで知られる乾隆帝の黄金に輝く《龍袍》と呼ばれる外衣が目に留まる。龍は皇帝を表す5本の爪をもち、米、山などの十二章は皇帝が宇宙さえも支配していることを表す。皇帝とはこういうものだと、この外衣は無言の威圧感をもって私たちに語り掛けてくる。 アメリカでもっとも裕福な女性と言われたマージョリー·メリウェザー·ポストが、英国王ジョージ5世とメアリー王妃に謁見する際に購入したエメラルドのブローチもその美しさに目を見張る。中央の大きなエメラルドの表面にはアイリスの模様が彫られている。それをぐるりと囲むダイヤと、そのダイヤに垂れ下がる大粒のエメラルドは、今も昔もアメリカの富の象徴とさえ言える。 日本美術も多く展示されているが、その中でも《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》は見逃せない。史実である平治の乱を題材に描いているが、その人物描写の面白さは興味深い。平治の乱の顛末は、武士の世の中の幕開けではあるが、ここでは貴族は白く、上品に描かれ、武士は下品な顔に描かれている。おそらく貴族階級によってオーダーされた作品なのだろう。また、このクーデターによって焼き払われる貴族の館を襲う炎の描写は素晴らしい。墨という画材がこれほどうまく使われ、炎を引き立てている表現は他に例がない。後の作家に大きく影響を与えたことも理解できる。 今回、約10年ぶりの里帰りを果たした《吉備大臣入唐絵巻》も見逃せない。遣唐使として唐に渡った吉備真備は、その才能を恐れられ、到着早々、唐の役人によって高楼に幽閉されてしまう。突然そこには赤鬼が現れ、吉備真備に知恵をさずけ、両名は協力しあって数々の難題を解き明かしていく。この赤鬼の正体は、すでに唐に渡り、客死していた阿倍仲麻呂だった。奇想天外なストーリー、吉備真備と赤鬼と化した阿倍仲麻呂の動きはまさに12世紀のサブカル、漫画とも言える。 この作品は昭和7年に、日本から売却という形でボストン美術館に渡っている。日本にあれば、確実に国宝に指定された作品だろう。しかし、当時の法により、こうした流出は防ぐことができなかった。その後、日本は第二次世界大戦を経験している。はたしてこうした国宝クラスの美術品を国家が守り切れたかはわからない。 海外流出によってボストン美術館に収められたがゆえにその形を保ち、その後、この作品は何度も日本に里帰りしている。これもまた権力がなせる業ではないか。 日本は権力、スポンサーが美術を擁護することが少ない。こうした文化への権力をより強めていく必要性さえも感じた。 すべてボストン美術館蔵 ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから) https://www.ntv.co.jp/boston2022/ 展覧会基本情報 会期:2022年7月23日(土)~10月2日(日) 会場:東京都美術館 休室日:月曜日、9月20日(火)  ※ただし、8月22日(月)、29日(月)、9月12日(月)、19日(月・祝)、26日(月)は開室 ※日時指定予約制。当日券あり(ご来場時に予定枚数が終了している場合あり) 開室時間:9:30~17:30 金曜日は9:30~20:00 ※入室は閉室の30分前まで 展覧会公式サイト:https://www.ntv.co.jp/boston2022/ お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

特別展「日本美術をひも解くー皇室、美の玉手箱」

特別展「日本美術をひも解くー皇室、美の玉手箱」

特別展「日本美術をひも解くー皇室、美の玉手箱」開催中 宮内庁三の丸尚蔵館には素晴らしい美術作品が収蔵されている。そうした珠玉の作品に、東京藝術大学の収蔵品を加えて構成されたのがこの美術展だ。会場となった東京藝術大学大学美術館は、岡倉天心とフェノロサが中心となって開校した東京美術学校を前身とし、以来、日本の芸術教育として重要な役割を担っている。この展覧会はそうした日本美術のトップとも言える二つの組織が協働で作り上げている。 展示室に入ると、《菊蒔絵螺鈿棚》の美しさにはっと息をのむ。この作品は明治天皇のご許可のもと、東京美術学校と宮内省によって制作された。この精緻かつ美しい螺鈿細工には、東京美術学校の一期生であり、後に漆の第一人者となり、日本人なら誰もが目にしたことがある麒麟麦酒の麒麟のマークをデザインした六角紫水らが関わり、当時の最高の技術と美意識をもって制作されている。 最初の展示作品から、この展覧会には匠という言葉が関わっていることが伝わってくる。日本を代表する各分野の匠が、その技を競い合っている。日本古来の雅楽を舞う楽師を伝統的な彫金と鍛金の技術で制作した太平楽置物は、その工芸技術の高さに圧倒される。高村光雲作のつがいの《矮鶏置物》(宮内庁三の丸尚蔵館蔵、8月28日(日)までの展示)の羽の描写は素晴らしい。また、真っ白な麒麟を表現した十二代酒井田柿右衛門の《白磁麒麟置物》(宮内庁三の丸尚蔵館蔵、通期展示)は、本来の優しい性格を表した姿ではなく、左前脚を上げ、振り返って雄たけびを上げるような雄々しい姿で表されている。 この展覧会には生き物をテーマにした章もある。国宝《唐獅子図屏風》(宮内庁三の丸尚蔵館蔵、8月28日(日)までの展示)は、右隻を狩野永徳が描き、左隻をひ孫にあたる狩野常信が描いている。永徳はつがいの獅子を悠然とした姿に描き、ひ孫の常信は、躍動感あふれる獅子を描いている。 月次絵と呼ばれる一連のシリーズには、皇室ならではの四季の移ろいが感じられる。酒井抱一が描いた《花鳥十二ヶ月図》(宮内庁三の丸尚蔵館蔵、8月28日(日)までの展示)は、その月ごとに花を咲かせる美しい花々と野菜、鳥の姿を組み合わせている。七月の図として描かれた、紺色の朝顔の花の間からのぞく、トウモロコシの姿、のびやかな筆遣いで描いた葉は特に印象的だ。 この展覧会に出展された作品は一度に鑑賞する機会が少ないものばかりだ。この展覧会は、日本人だけでなく、是非とも外国人にも見て頂きたい。日本の美が詰まった宝箱を開けた気分になれる。 特別展「日本美術をひも解くー皇室、美の玉手箱」展覧会公式HP 会期:2022年8月6日(土)〜9月25日(日) ※会期中、作品の展示替え及び巻替えがあります 会場:東京藝術大学大学美術館(台東区・上野公園) ※詳細は展覧会公式HPをご覧ください

離任を前に:コロンビア共和国大使インタビュー

離任を前に:コロンビア共和国大使インタビュー

サンティアゴ・パルド・駐日コロンビア共和国大使インタビュー 駐日コロンビア大使として過ごされた期間を振り返っていただけますか。 2011年にコロンビアコーヒー生産者連合会 (FNC) アジア事務局長として来日し、過去20年の間に前任者の方々が取り組んできた業務を引き継ぎました。9年間に亘り、コーヒー生産者組合と日本の産業界の橋渡しとして、コロンビアの主力商品を推進して参りました。これによってコロンビアの人々とコーヒー生産者に多大な恩恵をもたらすことができました。事務局長として産業界と協働し、協力関係を醸成し、互いのコミュニティの健全さに影響を与える提携関係を増やす機会を楽しんだとさえ言えます。 2019年にはイバン・ドゥケ大統領から、コロンビア共和国の大使として母国に貢献する機会を賜りました。この機会に大変感謝しています。それ以降、自分の業務領域を広げ、活動範囲を拡大する機会に恵まれ、現在ではコーヒーだけでなく、二国間関係全般に及ぶ取り組みを行っています。 新型コロナウイルス感染拡大はありましたが、日本との協力関係を深め、経済関係を強化し、文化や美食、国全体を振興する方法を見出すことができました。日本とコロンビアの力強い関係がより強固になっていくことを見ることができ、達成感を持って日本を後にします。 コロンビア大使館が今後も取り組んでいく課題は何でしょうか。 二国間貿易と投資の促進は日本とコロンビアの関係における重要な要素であり、今後もこの方向を維持する所存です。コーヒーはコロンビアから日本への主要輸出産品であり、日本で高い認知度を得ることができて嬉しく思います。また、輸出産品ポートフォリオの多様化と他のコロンビア産品の輸出促進にも取り組んでいます。日本市場で入手可能である高品質の産品、例えばアボカド、エビ、花、カカオなどです。 コーヒーのプロモーションで学んだ教訓を生かし、コロンビア産カカオでも同様の取り組みを行う予定です。このカカオは特別な名前があり、「芳醇な香りのカカオ又はカカオ・フィノ・デ・アロマ」と、国際ココア機関が定義する品質と製品特徴の分類が与えられています。 日本とコロンビアの二国間協議は、幅広い議題を含むことも注目に値します。特に気候変動に関しては、両国ともに2050年までに脱炭素化社会の実現を宣言しています。この概要では、エネルギー転換は重要な分野であり、コロンビアは水素生産の主導的役割を担う所存です。最近コロンビアは「水素ロードマップ」を発表しました。今後数十年で、次世代の新エネルギーに向けた水素を「クリーンエネルギー」の源としての基本戦略を含むこのロードマップに、日本政府や民間企業などの協力者及びパートナーの支援と投資をもって、引き続き実施に向けて取り組んでまいります。 世界的な新型コロナウイルス感染拡大により、あらゆる国で文化的交流の停滞が見られますが、何か文化的イベントを計画されていますか。 新型コロナウイルス感染拡大が文化的活動の実現に影響を及ぼしていても、私たちはコロンビア文化の振興に貢献する多様な種類のイベントを実施しています。一例として、東京でコロンビア出身の著名な芸術家フェルナンド・ボテロの展覧会「ボテロ展 ふくよかな魔法」を7月3日まで開催いたしました。続いて名古屋では7月17日から9月25日、京都では10月8日から12月11日まで開催予定です。近日中に「リサーチ! プロセスを魅せるデザイン展」がATELIER MUJI GINZAで開始されますが、この展覧会には、コロンビア人デザイナーのシモン・バレン氏が作品を出展しています。将来的には、交響楽団などクラシック音楽で代表的なコロンビア音楽家の活躍機会の推進を前向きに考えています。 私たちが推進しようとしているもう1つの分野は美食文化です。より多くのコロンビアの料理人を日本に招くことが目標です。と言いますのは、コロンビアの美食や産品、文化的伝統の多様性が広く知られてきたからです。コロンビアの美食文化の発展と認知度の例として、コロンビアをリードする料理人で、数年前に日本を訪問したレオノール・エスピノサがつい最近、「世界で最も優れた女性シェフ」に選ばれています。今後は願わくば、美食文化の活動を通じてコロンビアを日本で広める活動を継続してまいりたいです。 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(2020年東京大会)は、コロンビアと日本の相互理解を深めることにどのように貢献したのでしょうか。 2020年東京大会は両国の相互理解を向上させることができた絶好の機会でした。2020年東京大会の一環として、「ホストタウン」の取り組みが企画され、9つの自治体がコロンビアのホストタウンになりました。秩父市、大東市、郡上市、加須市、北九州市、前橋市、埼玉(県)、品川区、草加市です。 これらの日本のホストタウンと、中長期の関係を強化することの重要性を認識したこともあり、文化的交流活動を促進するに至りました。2020年東京大会の開催前に、ホストタウンは選手たちのトレーニングキャンプを実施しました。トレーニングの場となっただけでなく、地域の方々がコロンビアについて知るための素晴らしい機会となりました。このような相互交流を目の当たりして、私は大使としてこの上なく幸福を感じました。 その後、新型コロナウィルス感染拡大に襲われても、選手たちと地域コミュニティは交流を継続する強い意向があり、従来とは違う形でのオンラインによる様々な活動を開催しました。2021年の東京大会の競技に際しては、いくつかのホストタウンがトレーニングのための事前キャンプを実施することができました。この期間には、対面とオンライン双方の活動をもちました。選手たちと地域コミュニティで築いてきた友好関係を実際に目にして、心から感銘を受けました。この友好関係は、必ず将来も続いていくと思います。 また、私たちは大使館として、市長、知事、議員などのホストタウンの皆様と親密な関係を構築することができました。このご縁と、ホストタウンとコロンビアとの関係を今後も維持し続ける所存です。 2020年東京大会に関わる二国間の相互理解についての質問に戻りますが、選手たちの参加が二国間の相互理解を深める上で多大な影響を及ぼしたことが言えます。コロンビアの選手たちは、日本で素晴らしい競技と演技を披露してくれたことを、私たち全員非常に嬉しく、誇りに思います。 最後に、関係者と協力者全員が次のように語ることができたことも、非常に喜ばしく思っております。「2020年東京大会は安全で適切な感染症対策を講じた上で行われました。」関係者全員にとって、この大会は様々な困難を伴う大きな挑戦であったことを忘れられません。しかし、今では殆どの人が、良い選択を取ったことと信じ、また選手たちのためだけでなく世界のためにも、希望のシンボルとなりました。2020年東京大会のような重要な行事を安全に遂行できたことで、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行がもたらした様々難関を乗り越えられることを示したとも言えます。 パルド大使にインタビューをお受けいただき、ありがとうございました。共に、日本を後にされます大使夫人アントニア・サニン様にも、心よりお別れのご挨拶を申し上げます。

かこさとし展 子どもたちにつたえたかったこと

かこさとし展 子どもたちにつたえたかったこと

日本を代表する絵本作家かこさとしの全貌をたどる展覧会が、現在、渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されている。 日本の子どもたちのほとんどは、かこさとしの作品を読んでいるはずだ。 かこさとしは、1926年生まれ。多感な中学生時代に戦争を体験し、レオナルド・ダ·ヴィンチに影響を受け、一度は航空士官を目指すが、強度の近視のために諦める。その後、東京帝国大学工学部応用化学科入学するが三重県に疎開し、終戦を迎えた。その間に、東京の自宅は東京大空襲に襲われ消失していた。 戦後は世の中の価値観が全く変わってしまい、かこさとしは絶望感に見舞われる。しかし、彼はその時代に「セツルメント活動」に出会う。「セツルメント活動」とは、「人間として平和を愛し」、「苦しむ人々のために献身的に尽くす」、「生活の苦難打開に資することを念願する」という理念を持っていた。その当時のことを彼は、「あてもなく彷徨っていた僕の背中をゆっくり前に押してくれた」と語っている。この考えが、後のかこさとしの活動には大きな影響を与えていく。 「セツルメント活動」に参加したかこさとしは、工場労働者の子どもたちの為に自ら紙芝居を描き、上演している。いずれの紙芝居も、労働者の生活を反映し、どこか物悲しい。その活動を経て、1959年の『だむのおじさんたち』で絵本作家デビューし、かこさとしは次々と名作を生み出していく。 この展覧会には「だるまちゃん」「からすのパンやさん」など、日本人なら一度は手にしたことのある絵本の原画、デッサンが数多く展示されている。その一つ一つは驚くほどち密に描かれている。科学を学んだかこさとし独自の自然の観察眼、工場や歴史に対する忠実な描写が反映されている。また、働くことの尊さ、平和、共存、愛情などがすべてに共通するテーマだ。そのテーマは決して押し付けがましいものではない。しかし、絵本を読んだ子どもたちの心に、自然に、何か温かいものをもたらしていることに気づく。 展覧会最後に展示されている「宇宙進化地球生命変遷放散総合図譜」(生命図鑑)は圧巻だ。これはかこさとしの最期のメッセージでもあり、曼荼羅でもある。かこさとしがすべての人に伝えたかったことは、生命はみな同じく尊いということではないか。 よりうつくしく よりたくましく よりすこやかに かこさとしが残したメッセージは実にシンプルだ。だれもがそうありたいと願うが、その実現はどんなにむずかしいことだろうか。 この展覧会で、改めて平和と平等、人権、尊厳の大切さに出会える。 開催期間:2022/7/16(土)~9/4(日)  ※7/26(火)休館 会場: Bunkamura ザ・ミュージアム 開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで) ※金・土の夜間開館につきましては、状況により変更になる場合がございます。 【関連記事】 『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』

フィン・ユールとデンマークの椅子

フィン・ユールとデンマークの椅子

フィン・ユールとデンマークの椅子 現在開催中 高い芸術性と癒しの融合 極上の椅子を楽しむ 東京都美術館と北欧家具デザインの巨匠、フィン・ユールとの繋がりはとても深い。 画期的な企画展を開催し続けている東京都美術館は間違いなく日本でも指折りの名美術館だ。しかし、意外に知られていないのは、その館内にはフィン・ユールをはじめとするデンマークのデザイナーが手掛けた極上の家具が設置されていることだ。疲れたからと何気なく腰かけた椅子から特別の癒しを感じる。そんな特別な空間「佐藤慶太郎記念 アートラウンジ」が東京都美術館にはある。 現在開催中の企画展「フィン・ユールとデンマークの椅子」では、北欧の家具に関わる近代史から紹介されている。その歴史は18世紀に遡り、家具と人々の生活空間は、あらゆる人々に教育を施すというデンマークの啓蒙思想とともに発展してきたことにも理解が深まる。こうした教育と共に生活の質を高めようという運動を背景に、天才的デザイナー、フィン・ユールは生まれてきたのではないだろうか。 フィン・ユールがデザインを手掛けた椅子の数々はとても美しい。この展覧会のちらしにも使われた代表作「イージーチェア NO.45」は特別に優雅な美しい曲線をもつ。その肘は人々の腕にしなやかに、優しく沿うようにデザインされており、人間工学を理解しているとさえも言える。この椅子に座ることは、美しい椅子を楽しむだけでなく、椅子に抱かれ、包まれて、極上の癒しを感じることに他ならない。 この展覧会で特筆すべきことは、実際にこうした美しいデザインを持つ椅子に腰かけて、その感触を自分の体を持って感じ取れる展示スペースがあることだ。鑑賞者は、フィン・ユールとその仲間たちがリードした北欧家具の革命とも言える展示を見た後、このスペースに誘導される。ここでは疲れた身体を癒すにも、北欧家具という実用的な芸術を楽しむのには最適な空間だ。これは都美術館でなければ実現できない画期的かつ特権とも言える展示だ。 今、人々は新型コロナウィルス感染のパンデミックを経験し、自宅で働くという新しい生活スタイルに入っている。自宅が生活と労働の場となった今、人々が求めるのは労働効率と共に、癒しと安らぎではないだろうか。 東京都美術館が渾身のキュレーションで作り上げたこの展覧会にぜひとも足を運んでほしい。美しい家具を見るだけではなく、生活の質と人生を改めて考える素晴らしい時間になるはずだ。 展覧会の詳細: 会期:2022年7月23日(土)~10月9日(日) 会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C 休室日:月曜日、9月20日(火) ※ただし、8月22日(月)、29日(月)、9月12日(月)、19日(月・祝)、26日(月)は開室 開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで) 夜間開室金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで) 展覧会公式サイト:https://www.tobikan.jp/finnjuhl 東京都美術館公式Twitter 東京都美術館公式HP 【関連記事】 夏休みに行きたい美術展…

メキシコ大使館「テキーラの日」テキーラを知って楽しもう!

メキシコ大使館「テキーラの日」テキーラを知って楽しもう!

メキシコだけでなく、世界で長く飲まれているテキーラを記念したイベントがメキシコ大使館で開催された。 「テキーラの日」は、2006 年 7 月 24 日「テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観」がユネスコにより世界文化遺産に登録されたことを記念して、2017 年にこの日をメキシコ大使館商務部が「テキーラの日」と制定した。 テキーラにはいくつもの有名メーカーがあるが、鶏のロゴで知られるサウザ社は歴史が古く、その創業者は「テキーラの父」とも呼ばれている。このメーカーによって1873年にテキーラは米国に初めて輸出された。その後、瓶詰による販売を拡大し、欧州にも輸出、世界的な名酒として知名度を上げていく。 その製造過程は、現在のSDGsブーム以前からすでに環境に配慮している。また、労働人口を創出し、メキシコの発展にも深く貢献している。メキシコでは、テキーラの産業に従事する人々も多く、その工場見学は海外からの旅行者にも大人気だ。 ストレートで飲むとアルコール度数が高いために、日本では危険なお酒と誤解されがちなテキーラだが、その味わい方はとても多い。亡くなった恋人を思って作ったカクテル、マルガリータ、ローリング·ストーンズのミック・ジャガーがこよなく愛したカクテル、サンライズもテキーラベースだ。 古い歴史を持ち、環境にも配慮、価格も手ごろで、人々の気分をリフレッシュさせるテキーラ。この夏はアルコール度数40度のメキシコの名酒を心行くまで楽しんでみたい。 【関連記事】 メキシコ観光サイト「VISIT MEXICO」日本語版サイトを新設

カドカワ武蔵野ミュージアムで開催 ファン・ゴッホ展覧会

カドカワ武蔵野ミュージアムで開催 ファン・ゴッホ展覧会

カドカワ武蔵野ミュージアムで開催中 ファン・ゴッホ ー僕には世界がこう見えるー 会期:2022年6月18日(土)~2022年11月27日(日)会場:角川武蔵野ミュージアム 1階 グランドギャラリー開館時間:10:00~18:00(金・土 10:00~21:00) 最終入館:閉館の30分前休館日:第1・3・5火曜日 現在開催中の「ファン・ゴッホ ー僕には世界がこう見えるー」は、1100㎡を超える巨大スペースの中、ゴッホの生涯を辿り、その視線で彼自身が描いた世界を見ながら、全身でアートを感じることができる新しいタイプの展覧会だ。 34台の高輝度プロジェクターを組み合わせてすべての壁面と床面をシームレスに繋ぎ合わせた展覧会場での映像体験は、あまりにも斬新だ。展示のストーリーはゴッホの若い時代から始まり、自らの命を絶つまでの日々にそって作られている。そのバックには時に切なく、時に優しく、誰もが知っている心にしみる音楽が、まるでゴッホの人生に寄り添うように流れて行く。 初期のゴッホの作品を紹介する場面では、若いゴッホが探し求めている世界を感じることができる。その色合いはグレーが多く、どこか悲しげだ。その後は、ゴッホが自らの道を探りながら、模索し、新しい世界に入っていく。その場目では、ゴッホが見つめた多彩な色合いの世界が展開される。 苦しんで描いたとされる作家ゴッホ。しかし、我々がこの空間で体験できるのは、ゴッホという天才のまなざしと、天才だからこそ見ることができた特別な色の世界だ。さらに、その場にはわれわれにとって癒しとも言える空間が生まれてくる。 会場内では、床に座って鑑賞する人、寝転ぶ人の姿も見られる。椅子も用意されており、そちらに腰かけてじっと鑑賞する人も多い。ここでお勧めしたいのは、会場内にいくつか用意されているハンモックに座っての鑑賞だ。身体にそって体全体をつつむようなハンモックの感触と、色の洪水のような世界に浸ることができる。その瞬間は極上の癒しとも言える。 苦しんだ作家ゴッホ、という解釈はいつの間にか、「色の洪水を体験できた恵まれ過ぎた作家」という解釈に変化している。 新型コロナウィルス感染拡大によって、人々の心の中にいつのまにか閉塞感がうまれてきた。このゴッホの目を通して作られた展覧会では、そうした心の閉塞感から解き放される自分に気が付く。「アーティストの目を通しての絵画体験」という全く今迄になかった体験を是非とも味わってほしい。 埼玉県所沢市に2020年に開業したカドカワ武蔵野ミュージアムは、その斬新な思考で次々と面白い展覧会を企画開催してきている。今後もその独自の活動に期待したい。 角川武蔵野ミュージアム ファン・ゴッホ ー僕には世界がこう見えるー 公式HP

Yuki

角田裕樹、F1残留可能か

F1の残念なフルスイング?次期F1”スーパースター”オスカー・ピアストリに注目が集まる中、F1の“問題児” 角田裕毅の将来は不透明なまま スクーデリア・アルファタウリ (S A T) のチーム代表であるフランツ・トスト氏は、角田裕毅が「聖なる子」よりも「問題児」であることに好印象を表している。「問題児」という表現は角田にぴったりの表現であるのはさておき、同じくアルファタウリ所属のピエール・ガスリーの2023年残留が既に確定したため角田の残留が疑問視されている。 2021年の初めに F1に参入して以来角田は、将来のF1世界チャンピオンになる可能性があるというジュニア・カテゴリーでの評判に応えようと奮闘してきた。 「裕毅は必ず世界チャンピオンになると確信している。」と、フランツ・トストは2021年の初めにドイツのメディアに語った。それからというもの多くのF1専門家は、フランツ・トストが考えを改めたに違いないと信じてきた。 角田はルーキーシーズンで、あまりにも多くのミスを犯し、高額負担になるクラッシュ、予選のパフォーマンスの低下、その結末とも言えるレースのパフォーマンスをもたらしたが、最初のF1シーズン終盤に向かうと調子を取り戻して、アブダビでのシーズン最後のGPでは4位を記録したが、フォーミュラ1での2番目のシーズンは、最初のシーズンと同様にコストのかかるミスや、チームラジオでの失言が起こった。 どん底ピークとなったのは、イギリスGPでのピエール・ガスリーとの接触事故だ。角田はすぐに謝罪したが、カナダG Pでのピットレーンを出る際の単純なドライビングミスや、ハンガリー G Pでの最下位 (19 位) でスピンしたことが、現在の残留未定の原因となっている。 今シーズン変更されたF1のテクニカルレギュレーションによって苦しめられるスクーデリア・アルファタウリは、チームの戦略ミス、ドライバーの途中棄権、AT03の単純なパフォーマンスの悪さは、角田の成績をサポート出来ていない。これにより、2021年のコントラクターズチャンピオンシップで5位を達成するという歴史的な機会を逃したことは、チームとドライバーの両方にとって痛手であり、残念な結果であった。 現状、角田は最大の支援者であるフランツ・トストの厚い信頼を受けているが、トストは「クラッシュは別にして、彼が同じようなパフォーマンスを続ければ、我々と一緒にいるチャンスは十分にあると思う」とし、「(残留は)彼次第だ。彼が良いパフォーマンスを見せれば残留するだろうし、良いパフォーマンスを見せなければアウトだ。簡単なことだ。」と契約延長の可能性が高いことを示唆した。 また、「彼は大きく成長を遂げている、彼は良い仕事をしているが、特定の状況では自分自身をコントロールしなければならず、より規律を保つ必要があり、シーズン後半にそれが見られるだろう。」と角田がまだまだ成長過程であることと「問題児」への期待を語った。 トストの信頼に成績で応えるように、角田の成績は予選・レーストリムでチームメイトのピエール・ガスリーに近づいているようだ。ポイントに関しては、より経験豊富なガスリーが僅か8セッション、予選を5セッションでリードし、角田の11ポイントに対して16ポイントを保持している。…

瀬戸内国際芸術祭開幕!

瀬戸内国際芸術祭開幕!

瀬戸内芸術祭 夏の会期にオンライン内覧会を開催 香川県立ミュージアム(〒760-0030 高松市玉藻町5番5号)では、瀬戸内国際芸術祭2022参加展覧会「せとうちの大気―美術の視点」(会期:2022年8月5日(金曜日)~9月4日(日曜日)の内覧会をオンラインで開催する。 瀬戸内国際芸術祭は、2010年に第1回を開始し2022年には第5回目を迎える。今まで現代美術の世界に大きなインパクトを与えてきた瀬戸内国際芸術祭だが、香川県立ミュージアムは、第一回から芸術祭会期に合わせて特別展を開催し、瀬戸内・香川・アートの魅力を発信してきた。そして、今回はオンライン内覧会という初めての試みに挑戦する。 世界中のアートファンに、瀬戸内国際芸術祭だけでなく、地域のミュージアムの存在や活動についても知ってほしいという。 「せとうちの大気―美術の視点」は香川県出身もしくは、これまで瀬戸内を活動の拠点とした経験のある美術家や写真家、映像作家、デザイナーが美術にまつわる様々なビジョンをもって、瀬戸内をイメージした作品を制作展示する。 現代美術は社会を見つめる媒体ともとれる。我々はこうした作品を通じて、改めて生活を客観的な立場で見直すのではないか。 瀬戸内という大きな芸術祭を開催する土地は、常に生き物のように呼吸し続け、現代にまで繋がっていることを、作品を通して感じることができるはずだ。 内覧会の詳細:8月4日(木)午後6時から8月6日(土)午後6時 48時間限定公開 動画は香川県立ミュージアムのSNSを通じて発信される。 Facebook:香川県立ミュージアム Twitter:@kagawamuseum

メキシコ観光サイト「VISIT MEXICO」日本語版サイトを新設

メキシコ観光サイト「VISIT MEXICO」日本語版サイトを新設

メキシコ観光旅行をより楽しむため、メキシコ大使館は「VISIT MEXICO」日本語版サイトを新設した。 このサイトの日本語版新設、開始を記念して、VISIT MEXICO JAPAN のサポーターとしても活動するEXILEのÜSAと元AKB48のメンバーで、現在はメキシコ在住の入山杏奈が登壇し、間近にみるメキシコの魅力を語った。 EXILEのÜSAは2018 年から6年もの歳月をかけてオリジナルテキーラブランド”HAPPiLA”も展開している。入山杏奈が案内するメキシコは、カジュアルで、どこも女性が心ひかれるような場所ばかりで、今までのメキシコとは違った面を見せてくれる。 二人が紹介するメキシコの魅力に浸りながら、最後はメルバ・プリーア大使の心使いによる本場メキシコ料理を、テキーラを飲みながら堪能した。 メキシコは素敵だ!と改めて感じた参加者はとても多い。ぜひともその魅力を現地でも感じてみたい。まずはサイトをみて、旅行を計画しよう! VISIT MEXICO JAPAN:https://www.visitmexico.com/jp/ 【関連記事】 フェスティバル・ラティノ・アメリカーノ2021・チャリティーバザール