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「No Concept vol.1 – That’s what life is all about」現在開催中!

アートの世界では今、様々な背景の作家が注目を集めている。この展覧会でキュレーターを務める杉本志乃は、重い障害をもった兄と向き合ってきたことをきっかけに、一般社団法人 Arts and Creative Mind を設立。障がいのあるアーティストのサポートを目的として活動をしている。 昨年開催された、「北九州未来創造芸術祭 ART for SDGs」のプログラムの一つ、「多様性への道」展(会場:北九州市立美術館)では、南條史生とコラボし、才能あふれる障がいをもったアーティストの作品を広く展示し、大きなインパクトを残した。 「多様性への道」をきっかけとして、コラボ開始をした南條史生と杉本志乃が改めて紹介する展覧会「No Concept vol.1– That’s what life is all about」では、アーティストたちの生命の息吹を感じる作品が多く展示されている。200年に一度のパンデミックを経験した今、私たちが求めている「何か」がここにある。 【展覧会概要】 会期:2022/7/1(金)〜7/16(土) 会場:東京都目黒区中目黒 1-11-6 N&A アートサイト 時間:13:00-17:30 (日曜・祝日休廊)入場無料…

鬼才、ディミトリス・パパイオアヌー再来日!

ディミトリス・カラミツォス=ジラス新駐日ギリシャ大使も着任し、新たな文化の紹介にも力を入れているギリシャ大使館。 新型コロナウィルス感染拡大もやや落ち着きつつある今、現代ギリシャのアートシーンを代表する振付師、ディミトリス・パパイオアヌーが来日する。 2004年アテネオリンピックの開閉会式の演出を手がけ、近年ではピナ・バウシュ亡き後のヴッパタール舞踊団から初のゲスト振付家に指名されるなど、世界のアートシーンでその存在感を際立たせているディミトリス・パパイオアヌー。 2019年に初来日し、『THE GREAT TAMER』を上演。日本の舞台芸術ファンに衝撃を与えた。今回の来日では、最新作『TRANSVERSE ORIENTATION』を上演する。 パパイオアヌーのルーツとも言えるギリシャ神話とフィジカルシアターを交錯させ、まるで大きな美術館に迷い込んだかのようなスペクタクルを展開する彼のステージは余りにも斬新。点滅する光、ギリシャ神話のミノタウロス、男、女など、生き生きとしたタブローが妖しくパノラミックに展開し、ヴィヴァルディの音楽とともに人類の歴史をめぐる幻想の詩を綴る。 上演予定: 2022年7月28~31日       彩の国さいたま芸術劇場    https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/93564/ 2022年8月10~11日       ロームシアター京都 https://rohmtheatrekyoto.jp/lp/transverse_saitama_kyoto/

駐日アイルランド大使館 ブルームズデーと『ユリシーズ』刊行100周年を祝う

アイルランドとは、著名な文学者を輩出している国でもある。『ガリバー旅行記』を書いたジョナサン・スウィフトやオスカー・ワイルド、ノーベル文学賞を受賞したウィリアム・バトラー・イェイツ、ジョージ・バーナード・ショー、サミュエル・ベケット、シェイマス・ヒーニーといった4人の作家などが頭に浮かぶ。その中でもジェイムズ・ジョイスは特に有名だ。 6月16日は、世界中のジェイムズ・ジョイスの愛好家にとってとても大切な日、ジョイスの作品を記念するブルームズデーだ。これは、1904年6月16日に起こった出来事を描いた、ジョイスの小説『ユリシーズ』の主人公レオポルド・ブルームにちなんでおり、ダブリンを中心にして、多くの人々がこの日を祝う。この日は、ジョイス自身によってえらばれている。その理由は、後に妻となるノラ・バーナクルと初デートを楽しんだからだという。 駐日アイルランド大使館で開催されたこのレセプションは、カヴァナ大使の粋な計らいもあって、あたかも100年前のジョイスが生きた時代に戻ったような時間と空間が創り出された。 ジョイスは音楽の才能にも恵まれ、ピアノの達人であり、ギターも上手だった。一時は音楽家を志していたこともある。1903年にはアイルランドのクラシック音楽コンクール「Feis Ceoil」でテノール歌手のジョン・マコーマックに次いで準優勝もしている。 ジョイスの若かりし頃に思いを馳せ、このレセプションでは、アイルランド出身の俳優ダンカン・ハミルトンによる『ユリシーズ』第4挿話「カリュプソ」の朗読、ジョイスの作品に関係のある有名な歌曲の演奏、女優櫻井明美による『ユリシーズ』第18挿話「ペネロペイア」の朗読が行われた。 こうした趣向を凝らしたプログラムの締めくくりには、『ユリシーズ』に登場する食べ物、飲み物から着想を得たメニューが用意され、参加者たちは心から「100年前のアイルランド」を楽しむことができた。 ジョイスの人気は今も衰えることはない。ジョイスが用いたユーモアは『ユリシーズ』を現代文学の最高傑作とし、今も世界中の読者を魅了し、多くの現代の作家たちに影響を与え続けている。 文化的に豊かな国、アイルランドは日本でとても大きなプロジェクトに着手しようとしている。7月には四谷で新しい「アイルランドハウス(大使館ビル)」の建設が始まる。このプロジェクトは、大変大規模であり、アイルランド外務省も力を入れている。残念ながら、カヴァナ大使はこの8月で任期を終え、帰国が決まっているが、引き続き外務省本省においてこのプロジェクトを見守るという。 今、アイルランドから目が離せない!これほど豊かな文化を持った国を、より深く知ってみたい。改めてジョイスの作品も読んでみたくなる。 駐日アイルランド大使館ホームページ内ニュース:【2022年、『ユリシーズ』刊行100周年】 【関連記事】 セント・パトリックス・デーを祝って カヴァナ駐日アイルランド大使インタビュー

夏休みに行きたい美術展⑵

漫画家・水木しげるの生誕100周年を記念した初の大型展覧会 『水木しげるの妖怪 百鬼夜行展~お化けたちはこうして生まれた~』開催 開催期間:2022年7月8日(金)~9月4日(日)  開催場所:東京シティビュー (六本木ヒルズ森タワー52階) 水木しげるの妖怪世界に魅せられたファンは余りにも多い。妖怪研究に没頭し、現代の日本人に「妖怪」という文化を根付かせた水木しげるはどのように妖怪と向き合い、描いてきたのか。 この展覧会では、水木しげるの描いた日本の妖怪たちがどのように生まれてきたかを紐解くことから始まる。展覧会のタイトルにもなった百鬼夜行の名にふさわしく、水木しげるの妖怪画を100点以上も展示される。併せて江戸時代の絵師・鳥山石燕の「画図百鬼夜行」、昭和初期の民俗学者・柳田國男の「妖怪談義」など、水木自身が所蔵する妖怪関係資料も初公開される。 会期中にはコラボカフェ「妖怪の森Cafe」も登場し、展覧会タイトルからインスパイアされた<百鬼夜行パフェ>をはじめ、妖怪の世界、キャラクター、水木漫画をモチーフにした、8品の楽しいフード、デザート、ドリンクが勢ぞろいするのも楽しみだ。 【関連記事】 『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』 夏休みに行きたい美術展