Author: Hersey Shiga

Editorial Team
第16回ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクール優勝記念 前田妃奈 ヴァイオリン・リサイタル

第16回ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクール優勝記念 前田妃奈 ヴァイオリン・リサイタル

昨年、ポーランドで開催された第16回ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクールで、日本の音大生、前田妃奈がグランプリを獲得したことはまだ記憶に新しい。7月27日には、東京、紀尾井ホールで優勝記念リサイタルを開催した。期待の新人ということもあり、名ヴァイオリニストの徳永二男、音楽評論家などもコンサート会場に顔を揃えた。 前田妃奈がこのリサイタルのために選んだプログラムは以下の通り。 前田妃奈は、活き活きとした熱い表現をもって、これらのプログラムを弾きこなしていた。高校生時代から豊かな表現力が注目されている若手ヴァイオリニストだが、この優勝を期に更に成長した姿を垣間見ることができた。 現在、前田妃奈が使っているのは、2022年8月31日より日本財団から貸与されている1715年製ヴァイオリン、ストラディヴァリウス「ヨアヒム」だ。これはハンガリーの名バイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムが愛用していることでも知られている名器だ。 まだ前田とコンビをくんで1年程のストラディヴァリだが、とても相性がいいように思えた。 第16回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールに出場した機会に知り合ったというピアニストのグレッグ・スクロビンスキも素晴らしい演奏を披露し、若手二人による息の合った演奏にほぼ満席の会場は沸いた。 前田妃奈は今、精力的に演奏活動を行い、世界各地でコンサートを開催している。 まさに期待の大型新人だが、その素顔は天真爛漫だ。パンフレットの冒頭に記載した彼女自身によるメッセージも若々しく、また、コンサートの最後の挨拶にも前田妃奈の性格の良さが現れていた。 今から次のコンサートが待ち遠しい新人ヴァイオリニストの誕生だった。 前田 妃奈  大阪府生まれ。4歳よりヴァイオリンを始め、東京音楽大学付属高等学校を経て、東京音楽大学に特別特待奨学生として在学し、現在、小栗まち絵、原田幸一郎、神尾真由子の各氏に師事。2022年10月開催の第16回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール(ポーランド)優勝同時に4つの特別賞を受賞。第67回全日本学生音楽コンクール全国大会小学校の部第1位。第16回クロスターシェーンタール国際ヴァイオリンコンクール(ドイツ)14歳以下の部第1位、併せてヴィルティオーゾ賞、Forderpreisを受賞。2019年第88回日本音楽コンクール第2位及び岩谷賞(聴衆賞)。2020年第18回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞。その他、霧島国際音楽祭賞、松方ホール音楽奨励賞など、国内外のコンクール、オーディション、マスタークラスで多数の賞を受賞。11歳より、関西フィルハーモニー管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団など関西の主要オーケストラ、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団他とソリストとして共演。公益財団法人江副記念リクルート財団第48回奨学生。

今井信子スペシャル~傘寿記念演奏会~

今井信子スペシャル~傘寿記念演奏会~

世界的ビオラ奏者、今井信子の傘寿記念のコンサートが開催される。今井信子は現在、水戸室内管弦楽団メンバー、ジュネーヴ音楽院とアムステルダム音楽院の教授を務めながら、世界各国で演奏活動を行っている。 日時: 2023年8月18日(金) 19:00開演  会場: 東京サントリーホール 大ホール 出演 指揮:山田和樹 ヴィオラ:今井信子 ピアノ:伊藤恵 ヴァイオリン:竹内鴻史郎 小樽ヴィオラマスタークラスAlumni Nobuko Imai Specialオーケストラ 曲目 料金 S:9,000円  A:7,000円  B:5,000円 チケットの購入は:

奇跡の展覧会 「古代メキシコ-マヤ、アステカ、テオティワカン」東京国立博物館で開催

奇跡の展覧会 「古代メキシコ-マヤ、アステカ、テオティワカン」東京国立博物館で開催

今年は日本とメキシコの外交関係樹立135周年になり、そうした長い良好な関係を象徴する様な素晴らしい展覧会が現在、東京国立博物館で開催されている。 メキシコの古代文明が始まったのは紀元前15世紀と考えられている。その後、スペインに侵攻によってマヤ文明が植民地化されるまでの歴史的な「文明」をこの展覧会では見ることができる。 展覧会は以下の4つの章によって構成されている。 第一章:古代メキシコへのいざない 第二章:テオティワカン 神々の都 第三章:マヤ 都市国家の興亡 第四章:アステカ テノチティトランの大神殿 メキシコの古代文明に触れてみて、一概にその感想を述べるのは余りにも難しい。しかし、あえていうのであれば、メキシコの人達は古代から自然に感謝し、神を崇め、自然の恵みによってもたらされる生活を楽しんできたのではないだろうか。 高貴な人々の石像には、豊穣の神とされるトウモロコシ神の姿を感じさせる姿で作られている。実際に、王侯貴族は子供が生まれるとトウモロコシ神に似せるために頭蓋骨を細長くするように矯正されていたらしい。この展覧会のために初めて日本に来た「赤の女王(レイテ・ロハ)」にもその雰囲気が感じられる。 「赤の女王」は、発見されたときに赤い辰砂に覆われていた為、その名前が付けられた。この女性は、おそらく埋葬された状況からも、パカル王の王妃であろうと考えられている。その姿は神々しく、女王の頭はやや細長く表現されている。初めて目にするその姿には畏敬さえも覚える。 また、多くの石偶、石碑、土器なども数多く展示されている。オルメカ様式の石偶はジャガーと人間の姿を併せ持つ。幼児にも見える顔は特徴的だが、とても可愛らしい。球技をする人の土偶は、躍動感にあふれている。食料源を多様な動植物に依存していたテオティワカンでは、そうした生活様式は土偶、土器等にも表れており、鳥形土器は、奇抜なアクセサリーを沢山つけたアヒルの形をしている。きっと古代の人達はこの土器を使うことを楽しんでいたのだろう。 メキシコは今も発展し続けている国であり、ラテンアメリカのリーダーとしての役割も担っている。それはこうした古代文明の優れたDNAを現代メキシコ人も引き継いで、常に自分たちの「文明」を創造し続けているからではないか。是非とも見ていただきたい展覧会だった。 HerseyShiga Globalでは、メルバ·プリーア駐日メキシコ大使のインタビューも掲載。そちらも併せてお読みください。

インドネシア大使館 バリ政府公認 バリ島の魅力を紹介、体験型観光をより楽しむために

インドネシア大使館 バリ政府公認 バリ島の魅力を紹介、体験型観光をより楽しむために

日本人にとって人気の高い海外リゾートの一つは、バリ島であることは間違いない。ガルーダ・インドネシア航空は週に5便は定期就航しており、それだけ多くの日本人がバリ島を訪れている。新型コロナウィルス感染拡大が落ち着いた今年、更に多くの日本人がバリ島を訪れることが予想される。 ヘリ・アフマディ駐日インドネシア大使は、例年は同じ時期に桜が満開となる時期には、外交団のみならず、近隣の人々も招いて毎年お花見を楽しむが、今年はコロナ禍があけたこともあり、バリ島の文化を紹介することとなった。それには、今年はインドネシアと日本国交樹立65周年という記念すべき年に当たることも影響している。この記念すべき年に、両国では「One heart(心ひとつに)」をテーマとして多くのイベントが開催されている。4月3日には駐日インドネシア大使夫妻の全面的な協力により、「ワストラの物語」と題した大掛かりなイベントをインドネシア大使公邸で開催した。 バリ州政府からはこの日のためにワヤン・コスター知事とバリ・デクラナスダの会長を務めるプトゥリ・スアスティニ・コスター夫人が来日した。その他にも、産業貿易局長、地域国家手工芸品評議会 (Dekranasda)、バリ州ヌグロホ銀行インドネシア駐在員事務所長、ファッション·デザイナー、ファッションモデル、バリ出身のアーティスト等も来日した。また、バリに拠点を持つインドネシア銀行、バリ地方開発銀行、Perumudaなどの多くの企業、省庁等がスポンサーとなった。 「ワストラの物語」と題されたイベントでは、バリの工芸品の数々も披露され、バリ島の各地の結婚衣装のファッション・ショー及び、現代デザイナーによるファッション・ショーが開催された。この「ワストラの物語」は、以前フランスでも開催されたことがあり、その優雅で豪華な演出とバリ文化は深い感動をもってフランス人にも受け入れられた。また、フランスを代表するクチュールメゾンでもあるクリスチャン・ディオールは、ENDEKというバリ島の織物に感銘を受け、2021年のコレクションで使用している。 4月3日のイベントには外交団、メディア、旅行関係者などの多くが集まった。豪華な結婚衣装をまとったモデルたちの優雅な動きは大変印象的であった。また、続く現代のデザイナーによるファッションショーは、バリ島の吟遊詩人とも言うべきアーティストが演奏するリコーダーの音楽にのってモデルたちが多くの作品を紹介した。どの作品も個性豊かであり、ある作品はバリの伝統衣装を彷彿とさせ、ある作品はバリ島の新しい時代を象徴するようでもあった。 インドネシア大使夫妻は大使公邸を使ってたびたびこうした文化を体験するイベントを開催している。ここで改めて感じたことは、今、観光は大きく変化していることではないか。新型コロナウィルス感染拡大前のバリ島観光は、観光とショッピングなどがメインだった。しかし、今はバリ島を体験するという新しい時代が来ている。バリ島には豊な自然があり、食もおいしい。しかし、それ以上にバリの文化、歴史を事前に学び、よりバリを体験できる楽しみ方がこれからの観光ではないだろうか。 少し長めに滞在し、体験する。そんなバリ旅行をしてみたくなった。 【関連記事】

Tokyo Gendai パシフィコ横浜で初開催 好調なスタートを切る

Tokyo Gendai パシフィコ横浜で初開催 好調なスタートを切る

アジアを中心にアートフェアを開催している「The Art Assembly」が日本に進出し、パシフィコ横浜で初開催をした「Tokyo Gendai」は、世界的水準を満たしたアートフェアとして好調なスタートを切った。 7月6日(木)のVIPプレビューを始め、7月7日(金)から7月9日(日)まで、現代アートシーンを牽引する世界的なギャラリーが集まり、現代アートを代表する巨匠の作品から、新進気鋭のアーティストの作品までを幅広く紹介した。前評判の高さもあり、6日のVIPプレビューには、河野太郎デジタル大臣を始め、ラーム・エマニュエル駐日米国大使夫妻、駐日エチオピア次期大使などの外交官、香港の有名俳優なども訪問している。 スポンサーにはアートに重点を置いたSMBCグループがプリンシパル・パートナーとなった。その他にも世界的なブランドが名前を連ね、豪華な雰囲気を出していた。 優秀なギャラリーが集まった結果として、非常に見ごたえのある展示であった。また、各スポンサーが展開したカフェなども水準が高く、アートを鑑賞する時間としてもとても楽しめた。メディアカフェという試みも意味が大きい。しかし、アートフェアとしてギャラリーが実際にアート作品を販売することについては、どのように盛り上がったかは未知数でもあった。 しかし、「Tokyo Gendai」の開催によって、新たに現代アートへの注目が集まり、ファンが確実に増えていったことは大きな功績に確実に繋がっている。投資として現代アートの購入も注目されている今、SMBCグループがプリンシパル・パートナーとなっていることも意味は深い。 初回は大成功だったと思える。第二回、第三回と「Tokyo Gendai」が活躍を続けていくにより、社会も人々の考えも変化していくことだろう。投資としても身近な楽しみとしても、現代アートが日本に深く根付くことを願う。 【関連記事】

蔡國強の大規模個展「蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」

蔡國強の大規模個展「蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」

「〈原初火球〉—それは私の思想とビジョンに基づく出発であり、今日まで私に付き添ってきた。」 2008年の北京オリンピック開会式での「大脚印ービッグフット」と言う着想に基づく花火プロジェクトでも知られる中国出身の世界的アーティスト、蔡國強。この度、国立新美術館とサンローランの共催により、大規模な蔡の個展が開催されている。 蔡はこの展覧会について「自らを省みる展覧会」と語る。大きな会場全体が蔡國強の意図するインスタレーションのような空間となっていることを鑑賞する人は必ず感じることだろう。この展覧会は、蔡國強が過ごしてきた主として3つのあゆみを辿っている。その三つのあゆみとは、中国で作家として歩みだした時期、芸術家として重要な形成期を過ごした日本、アメリカや世界を舞台に活躍する現在までだ。 展示も歩んできた旅路を辿るようであり、日本初公開のガラス、鏡に焼き付けた新作、その他、貴重な記録映像なども公開され、彼の芸術家としての姿を間近に見ることもできる。火薬がもたらす何かにフォーカスした作品、世界の注目を浴びた爆発イベント《スカイラダー》の記録画像など、蔡の今までも優れた作品を改めて鑑賞すると同時に、蔡が探求し続けているAIなどを使った作品も紹介されている。 本展の開幕に先立って、かつて蔡が長い時間を過ごした福島県いわき市では白天花火《満天の桜が咲く日》も開催された。展覧会の終盤の展示では、蔡が過ごしたいわき市での日々、人々との交流も観ることができる。改めて、蔡は日本で芸術家として大きく成長したことが分かる。 多彩な作品群に触れつつ、蔡國強が抱く壮大な世界観を是非とも感じてほしい。

エストニア大使、大きな成果を残して離任へ

エストニア大使、大きな成果を残して離任へ

2018年に着任したヴァイノ・レイナルト駐日エストニア大使が2023年7月に離任することになった。7月5日に白金の八芳園で開催されたフェアウェル・レセプションには、幅広い大使夫妻のお付き合いを示すかのように、多彩な業界から多くの人々が集まった。 5年間に亘るレイナルト大使の任期中には新型コロナウィルス感染拡大が起こり、多方面で活動が制限された。しかし、その間にもエストニアは世界のIT大国として日本で多くの注目を浴びていた。このレセプションにも、平井卓也初代デジタル大臣が出席し、乾杯の音頭を取った。 IT関連に続いて、文化面でもエストニアはその知名度を上げてきている。エストニア発のおしゃれでファッショナブルなファッション、雑貨なども百貨店などでのポップアップショップ開催などを通じて多く紹介され、大人気を得ている。また、エストニア、バルト三国にフォーカスをあてた料理本も人気が高い。 レイナルト大使とカイレ・ユルゲンソン夫人は日本に続いてトルコに駐在することも発表された。また、日本語が上手なアルゴ・カングロ公使参事官の離任も同時に発表された。 距離的に離れてしまうが、これからもデジタル、ITを駆使してレイナルト大使夫妻、カングロ公使参事官とは連絡を取り合いたい。今後も両国がより親しく、共に発展していくことを願ってレセプションは幕を閉じた。

現代アートは楽しい!「Tokyo Gendai」2023年7月に開催

現代アートは楽しい!「Tokyo Gendai」2023年7月に開催

現代アートは難しい、わからないという人が多いが、実際に見てみると実に楽しい。 現代アートを思いっきり楽しめるアートフェア「Tokyo Gendai」がこの夏、開催される。 「Tokyo Gendai」は、アジア太平洋州を中心に、アートフェアを開催してきた「The Art Assembly」が企画、開催する。「India Art Fair」(インド)、「台北當代 (TAIPEI DANGDAI)」(台湾)、「Sydney Contemporary」(オーストラリア)、「PHOTOFAIRS Shanghai」(中国)、「ART SG」(シンガポール)などに続く6番目の大規模なアートフェアとなる。 今まで開催してきたアートフェアにおいても、最先端の美術に鋭い目を持つ美術関係者、コレクターを虜にしてきた。商業的な交流の場であるとともに、アーティストにとってもとてもクリエイティブな場となっている。 「Tokyo Gendai」の開催における取組みは、世界的に著名なアーティストの作品と同時に、比較的キャリアの浅いアーティストの作品も展示し、アーティストを支援し、その才能を伸ばしていこうとすることではないか。 その構成は4つのセクションに分かれており、それぞれにテーマを持って展開されている。 Galleries 展示のクオリティが高く、ギャラリーを代表するアーティストの作品を紹介。 Hana(花) 新人または中堅の…

完成の時期が視野に収まってきた「未完の聖堂」とは?『ガウディとサグラダ・ファミリア展』開幕

完成の時期が視野に収まってきた「未完の聖堂」とは?『ガウディとサグラダ・ファミリア展』開幕

スペインが生んだ建築家アントニ・ガウディ(1852~1926)。バルセロナで建築を学んだガウディは大学卒業直後からその頭角を現す。 カウディは多くの名建築を残しているが、やはり一番有名なのはサグラダ・ファミリア聖堂だろう。1882年に始まったこの聖堂建築では、ガウディは二代目の建築家であった。 ガウディにとって、この未完の聖堂は設計建築だけでなく、資金調達にまで奔走し、晩年はすべての仕事を断ってサグラダ・ファミリア聖堂竣工を目指す。しかし、その完成を見るまでもなく、ガウディは段差につまずいて転倒し、そこに通りかかった市電に轢かれて命を落とす。 この展覧会は以下の章から構成されている。 第1章「ガウディとその時代」。若き日のガウディの軌跡を追う。 第2章は、「ガウディの創造の源泉」。ガウディは「人は創造しない。人は発見し、その発見から出発する」という言葉を残した。「歴史」「自然」「幾何学」の3つのポイントから、ガウディ独自の建築様式の源泉とその展開を辿る。 第3章「サグラダ・ファミリアの軌跡」はこの展覧会のメインとなっている。 現在ではサグラダ・ファミリア聖堂といえばガウディだが、実はガウディは二代目の建築家に当たる。最初は宗教関連の出版などを手掛けるジュゼップ・マリア・ブカベーリャが「貧しい人々のための大聖堂」として提案した。1882年に着工した時は、ビリャールが初代設計者に就任した。ガウディはそのポジションを翌年に引き継いだ。すでに地下聖堂は完成間近だったが、ガウディは大幅に設計を変更している。 その後、ガウディはこのサグラダ・ファミリア聖堂の建築を一生の仕事とし、資金集めも行いながら完成を目指した。しかし前述のような不幸にあって、この世を去ることになる。 しかし、その後は外尾悦郎をはじめとする優秀な人々にその意思は引き継がれ、2026年にイエスの塔の竣工が予定されるまでに建設作業が進んだ。 スペインは昔から「100年に一度、桁外れの天才を生み出す」と言われる。ベラスケス、ゴヤ、ピカソ、そしてガウディがその代表と考えられる。第4章「ガウディの遺伝子」では、ガウディがその後の建築と建築家に与えた影響も紹介されている。その中には伊東豊雄、磯崎新などの、日本人建築家の名前と作品も見られる。 完成の時期が視野に収まってきたサグラダ・ファミリア聖堂。その竣工前に見ておきたい展覧会だった。

新たな日米関係に向けて 真珠湾国立記念碑と広島平和記念公園の姉妹公園協定締結

新たな日米関係に向けて 真珠湾国立記念碑と広島平和記念公園の姉妹公園協定締結

新たな日米関係に向けて、平和への願い 6月29日、東京の駐日米国大使館において、ラーム・エマニュエル駐日大使と松井一実広島市長がハワイ州の真珠湾国立記念公園と広島県広島市の平和記念公園との間の姉妹公園協定に署名した。 この協定に至るには、G7広島サミットで核保有国を含む各国首脳が被爆地・ヒロシマを訪問したのがきっかけだったという。 この協定締結について「私が昨年、広島平和公園のゲストブックに書いたように、広島での教訓は、私たちを戦争のない、平和に開かれた世界へ導く北極星でなければなりません。それは真珠湾にも当てはまります。この新しい姉妹公園協定は、真珠湾と広島を訪れてその歴史を学び、今後のより良い方向性を描くアメリカじんと日本人のコミュニティを拡大するでしょう。」とエマニュエル大使はコメントしている。 2016年、現職の米国大統領として初めて広島を訪れたバラク・オバマ元大統領は、この協定について祝辞を贈っている。 「安倍首相の真珠湾訪問と私の広島訪問は、両国間の同盟を深める重要な一歩となりました。本日のこの合意は、新たな歴史的効果を記念するものです。日米両国の国民を結びつけることによって共通の過去を持ち、平和と協力に基づいた共通の未来を築くことが可能となりました。」 また、この協定の締結を支援した真珠湾国立記念公園を有するハワイ州のジョシュ・グリーン知事は次のようコメントを寄せている。「この協定は、平和、文化、観光、教育の促進におけるこれら二つの公園の協力を広め、世界が常に平和を維持できるようにするものです。将来の世代を世界的な紛争から守り、平和を守ることの重要性を忘れないでください。」 日米間での姉妹公園における協定締結は、2016年に締結されたゲティスバーグ国立軍事公園と岐阜関ヶ原古戦場記念館の協定締結に続いて二件目となる。 より強固になる日米の平和に関わる協定には大きな期待と感謝が各地から寄せられている。