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世界最先端の取り組みを紹介エルサルバドル大使館主催イベント「コーヒーとNFT」

この度、在日エルサルバドル大使館は、エルサルバドルが世界に紹介したい3つの要素、コーヒー、テクノロジー、アートを組み合わせたユニークなイベント「Connecting the future: Coffee & NFT」を開催した。 このイベントに参加することにより、エルサルバドルのアイデンティティとも言える要素を体験することができた。特に展示された絵画に描かれていたテーマのように、人々と触れ合い、豊かなコーヒー文化に触れることもできた。 開会に当たり、ディエゴ・アレハンドロ・ダルトン駐日エルサルバドル大使は、日本のコーヒー、NTFなどのビジネスの関係者に向けて感謝を述べた。また、このイベントの作品展示に協力した 「アート·ドリーマー」のCEO 兼バリスタで、表参道でこだわりのコーヒーショップ、「KOFFEE MAMEYA」を展開する國友栄一およびアーティストのクリストファー·グレングレンを紹介した。 終始、NFTなどに関する議論、コーヒーの試飲、歴史と文化を感じさせる魅力的なアートと活気に満ちたイベントであった。 エルサルバドルについて: 良質なコーヒーの産地として世界に認められているエルサルバドルは、日本のスペシャルティコーヒー市場でもトップシェアを誇っている。 大量生産ではなく、丁寧に作られてきたコーヒーはとてもおいしく、人気を集めていることが評価されている。 エルサルバドルは、2021 年 9 月に世界で初めてビットコインを法定通貨として導入した。現在はエルサルバドルでは米ドルとビットコインの3つが流通しているが、政府は公式のビットコイン·ウォレット (ビットコインを保管する電子ウォレット) を設け、国民の移行を推進している。 そうした背景には以下の様な理由がある;…

バリアフリーな音楽に触れる ベルギー大使館主催 フィリップ·ラスキン·コンサート

ベルギーは美しい国土と文化遺産に恵まれ、ビール、チョコレート、ワッフルなどの明るいイメージもある、日本人が最も訪れてみたい国の一つだ。また、ヨーロッパを代表する音楽大国でもある。大作曲家として名高いウジェーヌ・イザイ、セザール・フランクを生み出し、モネ劇場という美しいオペラハウスも有する。エリザベート王妃国際コンクールは優秀な音楽家の登竜門として名高く、チャイコフスキー国際コンクール、ショパン国際コンクールと並ぶ世界3大音楽コンクールの一つだ。日本からも多くの若い演奏家がこの最難関と言えるコンクールに挑み、バイオリニストの堀米ゆず子を始め、多くの演奏家が優勝、入選を果たしている。 その音楽大国ベルギーの駐日大使館でロクサンヌ・ドゥ=ビルデルリング大使とステファン・レーム氏夫妻がピアニストのフィリップ・ラスキンを招き、コンサートを開催した。きっかけは大使夫妻がケニアに滞在中にこのピアニストと出会ったことであったという。ラスキンはブリュッセル王立音楽院でピアノ、室内楽、作曲を学び、多くのコンクールで上位入賞を果たしている。現在はウィーン国立音楽アカデミーで教鞭をとりながら、国際的な活躍をしている。 上記のような経歴を読み、きっと正統派のピアノコンサートであろうと想定していたが、その予想は大きく外れた。この日、ラスキンが演奏したプログラムは、ドメニコ・スカルラッティからブラームスラフマニノフはプロコフィエフ、さらにはジャズ、自作の曲まで「メランコリア」をテーマに旅する形で展開された、非常にバラエティ豊かな内容であった。 最初のスカルラッティによる曲ではあ、ラスキンはまるで鐘のように、ピアノは打楽器と言いたげに弾き、ブラームスではではこの作曲家が望んだような寛大な音で演奏した。ラフマニノフではロマン派の作曲家の曲らしいロマンチックな色合いを見せた。また、チック・コリアへのオマージュとして選んだ曲では目の覚めるような超絶技巧でジャズを演奏している。 祖父母がウクライナとロシア出身というバックを持つラスキンは、この度のロシアによるウクライナへの武力による侵攻にも心を痛めている。その思いを込めて自ら作曲した曲は、ウクライナの歴史と土地、現在の姿を思い起こさせた。曲の冒頭には水が流れるようなフレーズが現れ、それはシュヴァルツヴァルト(黒い森)に端を発し、黒海に繋がるドナウ川を思わせる。続いて現れた荒々しいフレーズは武力によって破壊されていくウクライナの街、人々の生活と歴史そのものだ。彼のピアノはとても雄弁であり、人々を説得させる力に満ちている。 プログラムの最後に選ばれたのは、ジャズの即興曲であった。その自由自在な発想と演奏は素晴らしく、音楽にはクラシック、ジャズなどという境界は何もないと改めて感じさせてくれた。 ベルギーはLGBT、SDGsといった今、現代人が取り組まなければならない課題をリードしている国でもある。音楽でもクラシック、ロック、ジャズといった垣根を取り払い、人々のあるがままの感情と心の動きを表現することを学ぶことができるのだろう。 雰囲気もプログラムもとても素敵なコンサートだった。フィリップ・ラスキンの改めての来日とコンサートを楽しみにしたい。 【関連記事】

アルジェリア料理を楽しむ〜大使夫人のランチ〜

駐日アルジェリア大使館のラルビ・カティ大使とファヒマ夫人は公的な外交に加え、民間を交えた草の根の交流にも大変積極的だ。12月には日本の子供達と日本に滞在しているアフリカの子供達を大使公邸に招待し、日本中近東アフリカ婦人会(通称NCAF、会長:小池那智子)、児童合唱・リトミックの「どんぐりのド」とのコラボによってとても楽しい音楽イベントも開催した。 この度は、昨年度にアルジェリア大使夫妻と共に活動をした日本中近東アフリカ婦人会のメンバーたちがファヒマ夫人のご厚意で大使公邸に招待され、本格的なアルジェリア料理のランチを楽しんだ。 アルジェリア料理と言えばクスクスが思い浮かぶ人も多いだろう。アルジェリア大使館で出されるクスクスは「日本で一番おいしい」という評判を得ている。ここにはアルジェリア料理を本国そのままに作るベテランのシェフもいる。そこで大使にお願いしてシェフにそのレシピを紹介していただいたこともある。 この度はお料理が大好きというファヒマ夫人が選んだメニューとなった。もちろんその極上のクスクスも入っていた。ラムを上品に煮込んだクスクスはアルジェリアを含む北アフリカ、アラブを代表する味だ。さらにこのランチで参加者がそのおいしさに注目したのは、Rechta (リシタゥ)と呼ばれる料理だった。 リシタゥというこの料理の名前はペルシャ語で「糸」を意味するリスタに由来する。日本では知られていないが、アルジェリア料理を象徴する一品だ。本国ではお祭り、婚約、結婚式などのお祝いの際によく提供されるという。 材料は細く平たいパスタ、チキン、ひよこ豆、カブ、ズッキーニで、さらにカブとシナモン風味のチキンが入ったソースをかけていただく。薄めの塩味がおいしく、「これで二杯目!」という声も多く聞かれたほど人気だった。 美味しい物を囲んでの異文化交流ほど楽しいものはない。日本中近東アフリカ婦人会には、夫の転勤などに伴って中近東アフリカに滞在した経験を持つ婦人、その文化に興味を持つ人々などもメンバーになっている。ファヒマ夫人と共通の「お料理の話題」などで盛り上がり、楽しい時間を過ごすことができた。 なお、ファヒマ夫人は得意の料理の腕を活かして、鎌倉でもアルジェリア料理の講習会を開くという。中近東アフリカ婦人会も本場のお料理を学ぶ機会を設けている。その試みは長く続けられており、大使館関係の婦人たちの協力を得て料理集も2冊編集、出版、販売している。直近ではエチオピアコーヒーのセレモニーを学ぶ機会も設けている。 日本中近東アフリカ婦人会は今年10月に久々にホテルで大きなバザーの開催も予定しており、コロナ禍をぬけてますますその活動は面白くなっている。 【関連記事】

勝ち組になろう!ジャマイカ大使館、勝ち豆 ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日を祝う

2月14日はバレンタインデー、3月14日はホワイトデー、2月4日の節分には恵方巻を食すなど、日本には食を交えた「おいしい記念日」がある。次にブームが来るのは1月9日の勝ち豆「ジャマイカ・ブルーマウンテン・コーヒーの日」ではないだろうか。 1月は入試直前でもあり、「勝ち」という言葉は受験生の励みにもなる。厳しい受験勉強の合間にも、香り豊かなブルーマウンテンコーヒーを飲んで、「勝ち組」となることを願い、あらたにモチベーションアップにも繋がる。では、なぜブルーマウンテンコーヒー豆は「勝ち豆」と呼ばれるのだろうか。それは、この最高級と言われるコーヒー豆が潜り抜けてくる過酷な環境とそれに耐える逞しさ、強さにある。 ジャマイカが世界に誇るブルーマウンテンコーヒーの歴史は1723年に、ルイ15世がフランス領マルティニークに3本のコーヒーの木を贈ったことに始まる。その5年後に当時イギリスの統治下にあったジャマイカ総督は、マルティニーク総督から1本のコーヒーの木を譲り受ける。それがジャマイカコーヒーの歴史の始まりとなった。 ジャマイカの首都キングストンに近く、世界遺産にも登録されているブルーマウンテン地区には特有の気候があるが、それは決して温暖と言える気候ではない。毎年襲い来るハリケーンをはじめとする過酷な自然災害にさらされ、ブルーマウンテンの木々はそれに打ち勝っていく。そうして実ったコーヒーは収穫され、さらに厳しい品質検査を乗り越えていくことになる。出荷されるのは「試練に打ち勝った勝ち豆」だけだ。これがブルーマウンテンが「勝ち豆」と呼ばれる所以だ。 1967年1月9日、この日はジャマイカのコーヒー関係者にとって忘れられない日となった。「勝ち豆」ブルーマウンテンの最大量を載せた船は、今を遡ること55年前のこの日に、初めて日本に向けてキングストンの港から出航した。そこからジャマイカと日本を繋げる「民間大使」として、ブルーマウンテンコーヒーは大きな役割を果たしている。 2020年に着任した現在のショーナ-ケイ・リチャーズ駐日ジャマイカ大使は、この「ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日」をとても大切にしている。コロナ禍が幾分落ち着いた今年、リチャーズ大使は、ジャマイカ国旗にある3つの色とその意味を意識した大振袖を着用し、コーヒー及び観光業関係者をもてなした。黒地の大振袖にゴールドの袋帯、グリーンの帯留と帯揚げといういでたちは、力強く想像的な人々(黒)、太陽の光と活気(ゴールド)、天然資源に恵まれた土地(グリーン)を意味する。 女性の第一礼装である大振袖の着用は、日本人にとっても決して楽なものではない。しかし、リチャーズ大使は日本の礼儀に則り、日本式に髪を結い、大振袖を着用し、日本のマナーによって人々を迎えた。この心使いに、ジャマイカが持つホスピタリティを感じる関係者は多く、さらには「来年の着物はきっとグリーンに違いない」という憶測まで飛んだ。 また、今年は海外渡航も緩和されたことがあり、ジャマイカの観光についても紹介された。ユネスコ創造都市ネットワークの加盟都市キングストンはまた、豊かな文化を持ち、音楽はボブ・マーリー、美術では彫刻家・画家のマリカ・レイノルズ、美術の母といわれたエドナ・マンリーに代表されるように、文化も豊かだ。また、リチャーズ大使の毎年のおもてなしの心にも見られるように、ジャマイカの人々は心優しく、海外からの旅行者を歓迎している。 ブルーマウンテンコーヒーを飲んで遠いジャマイカへ思いを馳せ、がんばった自分へのご褒美としてこの美しい国を訪れてみたい。 【関連記事】