Author: Hersey Shiga

Editorial Team
【インタビュー】ヘリ・アフマディ駐日インドネシア大使

【インタビュー】ヘリ・アフマディ駐日インドネシア大使

インドネシアと日本の外交関係について教えて下さい 日本は様々な分野においてインドネシアの戦略的パートナーです。特に新型コロナウイルス(Covid-19)のパンデミックの真っ只中の景気回復において、両国間の協力関係がより強固なものになった事へは疑いの余地がありません。パンデミックにより、世界の国々、特にインドネシアと日本は、共に回復を遂げる為、よりオープンで相乗的な関係になりました。インドネシアは、国連が制定している持続可能な開発目標(SDGs)の達成を加速するため、貿易・投資・産業の課題においても協力関係を築けるよう日本に呼びかけています。これは、インドネシアが議長国を務めるG20のテーマでもある『共に回復し、より強く回復する』への真のサポートの表れでもあり、立ち直る力を持つ持続可能な世界経済を回復させる為の取り組みです。 インドネシアでの新型コロナウイルスの状況、対策はどのようなものでしたか?日本との協力関係はありましたか? インドネシア政府は、健康と経済的利益とのバランスを取りながら管理をしてきました。2020年11月以来、インドネシアと日本は新型コロナウイルスの取り扱いにおいて多くの協力を重ねてきました。医薬品や医療機器、保健セクターの人材育成、保健サービス、医療情報技術、高齢者向け保健サービスにおいて協力してきたことに加え、日本からのワクチン支援も受けました。2022年1月末までに、200万回分以上のアストラゼネカ製のワクチンがインドネシアに到着し、2021年には、日本より約420万回分のワクチンがインドネシアへ提供されました。 この支援は、両国間の戦略的パートナーシップ強固にする、特にインドネシアの経済回復を加速するしおいて具体的な支援だといえます。これまでも、インドネシア政府と日本政府の間では、様々な保険分野の協力が行われており、2021年6月18日には保健分野における協力覚書(MoC)を通じてワクチンの分野におけるパートナーシップが確立されました。この保健分野における覚書には、大阪大学を通した、食品、健康、バイオテクノロジーでの協力も含まれます。これは、ワクチンの分野で両国間の保健分野での協力を実施し、国の経済回復を加速するための取り組みにおいても重要なステップです。また、保健セクターにおけるもう1つの協力関係は、医薬品規制に関する協議の枠組み、協力体制に関するインドネシア食品医薬品局と日本の厚生省との間の協力覚書(MoC)です。 ジャカルタからヌサンタラへの首都移転計画について教えて下さい 首都を移転する主な理由の一つは、(ジャカルタのある)ジャワ島の人口負担が大きくなっていることです。特にジャカルタ市街では人口密度が非常に高い。2015年の人口調査によると、インドネシア人の約56%がジャワ島に集中し、他の島での人口密度は10%未満となっています。一方、ジャワ島よりもはるかに広大なカリマンタン島の2021年12月31日時点での人口密度は、総人口2億7000万人の約6%に過ぎません。 インドネシアの新首都となる街はヌサンタラと呼ばれています。ヌサンタラ(Nusantara)は『島間』を意味し、 インドネシア語で”nusa”は「島」、”antara”は「中間」を意味します。ヌサンタラは東カリマンタン州、ボルネオ島の東海岸に位置しています。ボルネオ島はインドネシア最大の島ですが、人口は比較的少なく僅か6%です。将来の首都となる街は、海線に非常に近くなっています。 もう一つの理由は、ジャワ島のインドネシアの経済成長または国内総生産(GDP)への経済的貢献が圧倒的であるのに対し、他の島々の経済的貢献が遥かに遅れているという事です。インドネシア中央統計局の2021年のデータに基づくと、ジャワ島のGDPへの経済的貢献は約58%ですが、他の島に至っては約3%です。 新首都・ヌサンタラは、東カリマンタンでの新しい首都の名前として選ばれました。これは、この言葉が長い間に亘って国際的に広く知られているためです。ヌサンタラという名前は、14世紀頃のマジャパヒト時代に生まれました。 多くの国が新しい首都ヌサンタラに投資をしたいと考えていますが、今はまだ、インドネシア政府は新首都開発の準備に注力している状況です。 何十年にも渡り、日本とインドネシアは非常に強力な商業関係を保ってきました。日本はこの首都移転プロジェクトにおいてどんな貢献が出来るでしょうか? 政府の出費は約20パーセント程度と予想しています。残りは電気や水道などのインフラを整える外国企業を含む企業資本に頼ることになるでしょう。インドネシア政府が開発を全て担うというよりは、いわゆるPPP(官民パートナーシップ)と呼ばれる協力に繋がります。インドネシア国内だけではなく、世界中から多くの投資家が参加することになるでしょう。 このプロジェクトの着工直前には、ソフトバンクがボルネオの新首都建設プロジェクトへ投資をしないと声明を出しましたが、数多くの投資家がこのプロジェクトを支援しているので、心配する必要はありません。もちろん、興味を持っている日本企業もいくつかあります。インドネシア大使館とインドネシアからの代表者とで、日本企業の関与について協議を行っている森元首相とも会談を行いました。新首都では、スマートシティ構築を進めており、日本はこの分野で多くの試みを行ってきたと思うので、(新首都プロジェクトにおいても)経験と新しい試みを重ねていくだろうと確信しています。 インドネシアは天然資源が豊富で、ASEAN内でも日本の主要貿易国であります。近年はどのような製品・産業を推進していますか? インドネシアと日本は、特に産業部門において、包括的な経済協力の向上に引き続き努力しています。インドネシアと日本の間には、現在、一般的な検討交渉の段階にある日本インドネシア経済連携協定(IJEPA)を含む多くの経済協力があります。次に、新製造業開発センター(MIDEC)のコラボレーションもあります。 日本政府も自動車産業分野での協力強化に関心を持っています。この技術協力プロジェクトには、経済産業省(METI)や国際協力機構(JICA)など、日本の様々なパートナー機関が関わっています。これにより、インドネシアを輸出先の生産拠点にするために、自動車産業セクターへの投資を増やすことが可能となってきています。 現在、日本の四輪車以上の産業会社は21社あり、年間200万台以上の生産能力を持ち、3万8千人の直接労働者が尽力しています。総投資額は140兆ルピアに達し、業界のバリューチェーンに沿って働く約150万人の人々がそれによって生計を立てています。日本は、電気自動車セクターを含め、インドネシアへの投資に引き続き取り組んでいます。 両国はまた、新しいコラボレーション、すなわち官民による「パブリックプライベートトラック1.5」に合意しました。この合意には、地域および世界のサプライチェーン、インフラ開発、デジタル経済、人材育成、持続可能な産業における協力を強化するための革新的で持続可能な経済社会のための日本インドネシア共創パートナーシップが含まれます。いずれもインドネシアの開発優先事項であるセクターです。 2021年1月から12月までのインドネシアと日本の貿易総額は324億米ドルであり、2020年の同時期である243億米ドルより33.5%ほど高いレベルを示しています。投資額では、2021年の日本のインドネシアへの投資額は6,931件で23億米ドルであり、インドネシアの投資家の中で5位にランクされています。 現在日本は、コロナ規制の一環で国境管理を実施しています。インドネシア出身の学生たちにとっても入国規制がありますが、今後進展はあるでしょうか? はい。私は昨日、入国検疫で3日間過ごしたお母さんに出会いました。今日、彼女とその友人は、学生寮へ入室する許可が下りました。彼女は1年半以上も前から(日本留学に向けて)勉強を始めており、(入国が遅れたことは)とても残念な事です。今までオンライン授業で勉強し、日本の入国制限が徐々に緩和され、観光客や非観光客の入国を許可するに至っているので、学生の入国についても、より一層の改善を期待しています。インドネシアの熟練労働者の入国希望者は、入国制限が緩和され、既に日本に入国しています。報告によれば、ある一つの会社では、約600人の学生を研修生として派遣する予定だそうです。来年には1,000人から2,000人ぐらいの来日が可能になるでしょう。年末までに、ある企業は約6,000人を派遣すると予想されています。この動きが良いスタートになることを願っています。…

Ahmed Araita Ali Receiving Imperial Honors by Hersey Shiga

アホメド・アライタ・アリ前ジブチ大使へ旭日重光章

2022年5月10日、日本・ジブチ間の関係強化及び友好親善に寄与したとして、天皇陛下からアホメド・アライタ・アリ前駐日ジブチ大使に旭日重光章が贈られた。 アライタ前大使は、経験豊かな教育者かつ外交官で、2008年から2021年までの長期に亘り、駐日ジブチ共和国日本大使を務めている。その他にもオーストラリア、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、韓国、タイ、ベトナムの大使を務めた。大使としての日本に約13年間に及ぶ在任中、ジブチと日本の関係を強化するために戦略的に取り組んできた。 前駐日ジブチ大使アホメド・アライタ・アリからの喜びのコメント: 式典は岸田首相の「各国と日本の関係を強化するためのお力添えを祝福し、感謝ししております」というスピーチにから始まりました。 我が国、ジブチと日本の関係においては、フェリーボートのプロジェクト(今月10周年を迎えるジブチ海運局が、同国内海のタジュラにおいて、南部の首都ジブチ市と北部主要都市のタジュラ、オボック市を結んで運航されるフェリーボートの建造と港湾機材の調達のために必要な資金供与)、日本の自衛隊派遣、JICAなどの数々の功績があげられます。 式典では、天皇陛下がジブチと日本の関係の強さ、その重要性を述べられたこともあり、深く記憶に残るものでした。 ジブチと日本との関係性について: 今回の叙勲としても象徴的であるのは、今月、ジブチに駐屯する自衛隊基地が10周年を迎えたことです。 個人的な観点から申し上げれば、世界のビジョンは変化したと言えるでしょう。東京は決して遠い場所ではなくなり、世界は小さな村になりつつあり、すべてが手の届くところにあるようになりました。私の子どもたちは日本育ちですので、日本は第二の故郷と言えるでしょう。 私の全体的な見解として、日本は開かれた国であるということでもあります。ここに13年間滞在しておりましたが、その後に、アラビア語を話す小池東京知事を前に、日本の寛容さを理解していただけるような本を書くことにしました。 また、高円宮親王妃久子殿下が名誉総裁を務める「「にっぽん-大使たちの視線」」などの取り組みは、日本と世界が対話することにも大きく貢献しています。 私たち家族が日本で得た思い出は、数え切れなく、また忘れられないものです。このような叙勲の機会もあり、大変名誉であり、うれしく思っています。 その他の叙勲者について 元駐日大使の叙勲者は以下の通り 【旭日大綬章】 ジョン・ビクター・ルース :元駐日アメリカ合衆国大使、日本・アメリカ合衆国間の関係強化及び友好親善に寄与 【旭日重光章】 セイエド・アッバス・アラグチ :元駐日イラン大使、元外務省政務担当次官、日本・イラン間の関係強化及び友好親善に寄与 ユスロン・イーザ・マヘンドラ :元駐日インドネシア大使、元インドネシア・日本議員連盟会長、日本・インドネシア間の関係強化及び議員間交流の促進に寄与 ヒシャーム・バドル :元駐日エジプト大使、元外務省多国間関係・国際安保担当次官、元駐ジュネーブ・エジプト国連常駐代表、日本・エジプト間の関係強化及び友好親善に寄与 ケダル・バクタ・マテマ :元駐日ネパール大使、日本・ネパール間の関係強化及び友好親善に寄与 アリウ・イブラ・バー :元駐日モーリタニア大使、日本・モーリタニア間の関係強化及び友好親善に寄与 リチャード・ラモエレツィ :元駐日レソト大使、日本・レソト間の関係強化及び友好親善に寄与 陳 鴻基 :元亜東関係協会会長、元台北駐日経済文化代表処副代表、日本・台湾間の友好親善及び相互理解の促進に寄与…

映画『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』を観に行こう!

映画『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』を観に行こう!

世界でもっとも有名なアーティストと言えば、間違いなく上がるのがボテロの名前だ。ボテロはコロンビアが生んだ、現代最高のアーティストであり、南米のピカソとも呼ばれている。  日本でも極めて知名度が高いボテロの人生に迫る映画「BOTERO フェルナンド·ボテロ 豊満な人生」が現在、上映されている。  この映画は、ある意味、非常に感動的であり、真実の重みも感じる。  ボテロの作品の最大の特徴は、そのふくよかさにある。すべてがふくよかで、自然で素朴だ。なぜ彼は全てをふくよかにしたのか。この映画を通して、人々はボテロの画家としての人生、その作風「ボテリズム」が生まれた背景に迫る。  ボテロの人生は、作品に現れるようにふくよかで、ユーモアに満ちたものではなかった。貧しい家庭に生まれ、苦労し、人を愛し、愛に破れ、芸術にも行き詰った。まだ幼い我が子を交通事故で無くし、その事故でみずからの右手の一部も失っている。芸術家にとっては致命的だ。  そうした苦労を乗り越えて、ボテロが至ったのは、「描く対象の美しさや官能性を追求した結果である今の作風」だ。  ボテロの母国コロンビアへの愛情はとても強い。映画の中で最も印象的だったエピソードは、ボテロがコロンビアのメデジンに平和の象徴でもある「豊満な鳩」のブロンズ像を寄贈し、公園に展示された。ところが、テロリストたちはそのボテロの作品に爆弾を仕掛けた。多くの死者、負傷者が出る大惨事となり、もちろんボテロの作品も爆破されてしまう。その気の毒な程に破壊された作品に対し、ボテロはそのままに展示することを願う。そして、さらにその横に、新たな「豊満な鳩」を展示している。  また、ボテロが育った時代、故郷メデジンには画廊も美術館もなかった。ボテロは市長の願いを聞き入れ、美術館建設に一役買う。多くの作品、自分が買い集めた名画のコレクションをボテロはすべて寄附した。さらに、「ああ、ここにモネの作品が一点でもあったら」、という市長の独り言を聞いたボテロは、市民のため、コロンビアの国民のためにモネの作品を加える。  かつて危険な都市であったメデジンは今、こうした人々の努力によって、美しく平和な街に生まれ変わった。  ボテロはいま、モナコに暮すが、彼はいつの時代もコロンビア人であることを誇りに思っている。そして、常に彼は「単なる絵描き」でいることを純粋に願い、いつも新たな気持ちで作品作りに向かう。  芸術を愛する人だけでなく、全ての人々にこの映画を見て頂きたい。必ずボテロとボテロを生んだコロンビアが大好きになる!  映画『フェルナンド·ボテロ 豊満な人生』公式サイト 【関連記事】 ゴールデンウイークに行きたい展覧会レスリー・キー:世界で活躍ファッション・フォトグラファーの撮影現場

Anna Högberg and Friends Performed at JazzBird by Hersey Shiga

スウェーデン出身のジャズ·ボーカリスト、アンナ·ヘーグベリと仲間たち

スウェーデン出身のジャズ·ボーカリスト、アンナ·ヘーグベリと仲間たち5月19日 青山のジャズバードで感動のライブ! 出演者; アンナ・ヘーグベリ(ボーカル)後藤魂(ピアノ)片野吾朗(ベース)佐々智樹(ドラム) すでに二年半におよび活動を共にしている彼ら。青山のJazzBird、鎌倉のDaphne’sなどで名演奏を披露。 コンサート情報会場:青山ジャズバードhttps://jazzbird.sakura.ne.jp/ファーストセット開始は19:30PM(開場: 19:00) Performers:Anna Högberg (vocal)Tamashi Goto (piano)Goro Katano (bass)Tomoki Sassa (drums)

日本ラテンアメリカカリブ振興協会:タパス ・ パーティー開催

日本ラテンアメリカカリブ振興協会:タパス ・ パーティー開催

今年のJAPOLAC(日本ラテンアメリカカリブ振興協会)タパスパーティのテーマは『Let’s Restart Our Social Life.(社交を再スタート!)』。ラテンアメリカとカリブ海のテイスト満載のパーティは、そんな社交の再開に相応しい場となった。 JAPOLAC(日本ラテンアメリカカリブ振興協会)の代表理事リッテル・ディアス博士は、団結の必要性について、ラテンアメリカの商業的利益、日本との友情関係を代表する使命について開会スピーチを行い、墨田区長の山本亨氏、そして本イベントを後援としてサポートしたペルー、キューバ、アルゼンチンの駐日大使、大使館へ感謝の意を語った。 株式会社ウニードス( KYODAI)、株式会社喜代村すしざんまい等を協賛に迎え、賑やかなスタートを迎えたタパス・パーティでは、本格的なラテンアメリカのタパス料理が提供され、各国郷土料理の微妙な違いをも味わえる貴重な機会となった。 各国原産のコーヒーや、アルコール類も提供され、ゲストが開放的な気分になったところで、プロのダンスサーによる タンゴ、サルサ、メレンゲ、バチャータのデモンストレーション、 またそれぞれの基本ステップを学べるプチレッスンも開催された。アルゼンチンのカップルによる情熱的なタンゴには、誰もが心を奪われた。 JAPOLAC(日本ラテンアメリカカリブ振興協会)の皆さま、また多くのボラティアスタッフのきめ細やかなおもてなしにより、大変素晴らしいものとなった。 ≪イベント詳細≫ 開催日:2022年5月14日(土) 会場:すみだ産業会館 墨田区・丸井共同開発ビル8階階 このイベントの収益の一部は、経済的に困難な状況にある子供たちの音楽教育を支援する慈善団体『フロリアン・パウケ財団』に寄付される。 詳細は: 【関連記事】 『ラテンアメリカ·カリブ振興協会』 『個性豊かなオーガニックコーヒーを日本へ』 『日本でチリのオーガニックワインが発売開始 大使館で試飲会開催』…

ウクライナ支援:チャリティコンサート・レセプション

ウクライナ支援:チャリティコンサート・レセプション

ウクライナの惨状に心を痛める人は多い。ジョーン·ミッチェル·ファン·デル·フリート駐日オランダ王国大使夫人と、NY出身のチェロ奏者である橋本ジェシカもその一人だった。  祖国を離れ日本で暮らす彼女達は、「小さくともウクライナのために尽くしたい」という気持ちを日本人の友人、大岩弘子に伝えた。彼女もまたウクライナのために何かしたいと強く願っていた。彼女は、自身が所属する千代田キワニスにその支援を求め、会長の澤井敏子と、副会長の徳川孝子を二人に紹介した。二人はウクライナ支援のためのチャリティー開催の意向をキワニスメンバーに伝え、合意を得る。更に、音楽の力を借りるべく、日本クラシック音楽連盟会長の入山功一にも相談を持ち掛ける。入山氏の支援を受け、今最も人気のあるチェリスト佐藤晴真と、ピアニストの大伏啓太も参加し、芝学園講堂にてチャリティコンサートが開催されることとなった。 千代田キワニスクラブのメンバーは、自作のチラシ、チケットを手に、友人や知人にこのチャリティー活動への賛同を求めた。ジョーン・ミッチェル駐日オランダ王国大使夫人は、オランダ大使公邸でのレセプション開催の為準備を開始した。彼女等の活動とその志は外務省関係者へも届き、林優子外務大臣夫人、ウクライナ議員連盟会長を務める森英介衆議院議員、駐ウクライナ日本大使の松田邦紀夫人の賛同を得ることになる。  ウクライナに心を寄せる人々が、正に「手作り」で準備した今回のコンサートとレセプション。用意された230枚のチケットは、20名の女性等によって販売されたが、たった4日で売り切れとなった。こうして3週間という短い時間で準備されたチャリティーコンサートとレセプションは、4月3日に開催された。生憎の雨模様であったが、多くの来場者が集まり、コンサートのチケット収入の他にも多くの支援金が寄せられた。  コロナ禍での開催にあたり、ワールドカップ、オリンピックなどを運営した経験も持つジョーン夫人のアイディアを受け、コンサートを挟んで、レセプションは2度に分けて開催された。また、ジョーン夫人の呼びかけに応じた各国大使夫妻も支援に駆け付けた。  コンサートでは、佐藤晴真が心を込めて熟考した素晴らしいプログラムを披露した。アンコールでは、かつて世界国際平和デーにパブロ·カザルスが国際連合本部で演奏した『鳥の歌』が選ばれた。この曲は、カザルスが「私の生まれ故郷カタルーニャの鳥は peace、peace (平和、平和)と鳴くのです」と、平和への願いを込めて編曲・演奏したという。また、日本在住の作曲家で、橋本ジェシカのピアニストを務めるサイモン·ベストンはこの日の為に、ウクライナ国歌を2台のチェロとピアノ向けに編曲し、佐藤晴真、橋本ジェシカ、サイモン·ベストンが演奏した。  短い準備期間だったこともあり、当日は多少の混乱もあったが、それでも今回のチャリティーイベントは大成功を収め、総額238万5951円もの支援金を集めた。このチャリティーを開催するにあたって、主催者の女性達は「弾丸や戦車を買う為でなく、薬、食料を買うために使ってほしい」とその信念を語った。今回の支援金は全額、彼女たちの信念の下厳選された各機関を通じてウクライナの女性と子供たちの支援に使われる。  【今回のチャリティーイベント支援金の寄付先一覧】 セーブ·ザ·チルドレン  京都市(キーウ市の姉妹都市)  国境なき医師団  国際キワニスクラブ  このチャリティーによって、改めて学んだ事がいくつかある。それは「誰かの為に働くことの大切さ」だ。また、そう思う気持ちを声に出す勇気も必要だ。確かに、このチャリティーから得られた金額は、世界的に見れば少額かもしれない。しかし、市井に暮す人々がお互いに手を取り合った時、大きな力を発揮することを誰もが感じることができた。  仮に武力で領土を侵略できたとしても、人の心まで侵略することはできない。 ウクライナに平和が戻ることを心から祈りたい。世界が平和であることを改めて祈りたい。  【関連記事】 多彩な音楽家を支援して プレコンサート開催  オランダ王国大使公邸 チューリップガーデン一般公開 駐日オランダ王国大使館 公式HP

トム・クルーズ4年ぶり来日!

トム・クルーズ4年ぶり来日!

最新主演映画『トップガン マーヴェリック』の公開を5月27日(金)に控えるトム・クルーズ。約4年ぶり、通算24回目の来日を予定していることが発表された。 1986年公開の映画『トップガン』から36年、待望の続編となる『トップガン マーヴェリック』の全世界公開に先駆け、5月4日(現地時間)米・サンディエゴにてグローバルプレミアが開催された。トム・クルーズは「本当に最高です。何年もロックダウンした中で映画の撮影を続けてきたけど、こうしてファンの皆と会えて、顔が見られるなんて、この場に立てて光栄です」と彼にとっても思い入れのある作品であると語り、「『トップガン マーヴェリック』が、ビジュアルの上でも物語の上でも1作目と同じ世界観で、かつ現代に続いているものとして捉えられるかどうか。非常に面白い挑戦でした」と作品に賭ける期待を滲ませた。 今月5月下旬の来日が予定されている。 『トップガン マーヴェリック』公式サイト

ようこそ!新任ペルー大使が語る「ペルーの本当の魅力」とは?

ようこそ!新任ペルー大使が語る「ペルーの本当の魅力」とは?

アンバサダーインタビュー:2022年4月4日 H. E.ロベルト・セミナリオ、駐日ペルー大使 •新駐日大使としてのミッションをお話しいただけますか。 では、このインタビューを始めたいと思います。まずは、この機会を与えてくださった皆様に感謝を申し上げます。 この度の着任については、日本との関係をより強化する多くの機会に恵まれ、私の国、ペルーのために奉仕することは喜びであり名誉だと思っております。今後、数年の間に、二国間の議題となるような重要なイベントがいくつかあります。その最初となるのは、二国間関係樹立150周年を、2023年に祝うことがあります。ペルーは、ラテン·アメリカで最初に日本と外交関係を結ぶことを合意した国です。また、ペルーは2024年にAPEC会合を主催する予定となっており、この機会には日本の政府高官らによるペルー訪問が期待されています。 大阪万博が開催される2025年には、ペルーの政府関係者らが来日することにも期待が集まっています。 COVID-19のパンデミックによって難しくなった活気に満ちたビジネス、対面のミーティングが、今年は回復することを願っています。 •ペルーと日本の関係の最近の進捗、進展をどのようにご覧になっていらっしゃるのでしょうか? いままでは、多国間メカニズムでの協力、両国の共通の関心事である二国間協議事項への収束に向け、より深く探求していくことを促進するために、重要な政治的プロセスを進めてまいりました。経済的な議論においてはある程度は促進されてきており、その結果、ペルー製品の新しい市場を開くことを含め、貿易と投資の流れはスムースに進んできています。この経済促進への努力は、観光と文化外交と並ぶ、広報や民間も含めて推進していくパブリック・ディプロマシーに統合されたビジョンの一部と言えます。 それでもなおペルーと日本が戦略的パートナーであることを考えると、二国間の協議事項での充実を目指す取り組みには、まだまだ改善の余地があると思います。ペルーと日本は政治的および経済的な自由の維持と促進などの重要な利益、人権と民主的制度への支援、両国の人々と国際社会全体の繁栄の拡大についてなど、多くの価値観をも共有しています。 この点においてペルーと日本が取るべき行動とは、150年に及ぶ友好関係を築いてきた「無理のない範囲でということ」を乗り越え、さらにより広く深い絆を生み出すだめにも二国間関係を再発見し、それらを目的とした包括的な中長期ビジョンに導かれていくことでしょう。 •今後、ペルーと日本の関係を強化するために、どの分野への焦点と機会を見ていらっしゃるのでしょうか。 鉱業セクターと輸送インフラへの投資を通じたペルーの発展への日本の貢献は、否定できませんが、ペルーが提供する友好的な法的な枠組みを考慮に入れると、この取り組みはまだ十分に発展していないと言えます。 •差別のない扱い:外国人投資家は国内投資家と同じ扱いとなる。 •ほとんどのすべての経済セクターへの無制限のアクセスが可能。 •自由な資本移動。 •自由競争。 •私有財産の保証。 •国民から株式を取得する自由。 •内部および外部のクレジットにアクセスする自由。 •国際紛争解決メカニズムへのアクセス。 2021年から2022年のプロジェクトポートフォリオには89億ドルの投資が含まれており、その投資分野は先に述べられた鉱業と輸送、その他に衛生、エネルギー、通信、健康、教育などの分野を含んでいます。…