ジャマイカ大使館「ジャマイカ料理・クッキングクラス−独立60周年を祝う」開催

ジャマイカ大使館「ジャマイカ料理・クッキングクラス−独立60周年を祝う」開催

ジャマイカは今年、独立60周年を迎えている。その記念活動の一環として、ショーナ=ケイ・リチャーズ大使及びジャマイカ大使館と港区が主催し、ジャマイカ料理のシェフによるクッキングクラスが開催された。 ジャマイカといえば、ボブ・マーリー、レゲエ、ブルーマウンテンコーヒーなどを思い浮かべる日本人は多い。しかし、少しでもジャマイカの食に触れた人々は、ジャマイカ料理のおいしさを絶賛する。 このシンプルで、味わい深くおいしい料理を引き立てるために、上質のラム酒を作り、食後にはおいしいブルーマウンテンコーヒーを飲むようになったのではないかと思うほどだ。 今回は、ジャマイカ料理のシェフ、リチャーズ大使の支援の下、港区男女平等参画センターにおいて、クッキングクラスが開催され、30名近い日本人が参加した。そこでジャマイカ料理のシェフたちが指導したのは、アキー・アンド・ソルトフィッシュ(ジャマイカ名物)、ジャークチキンとバナナフリッターなど代表的な料理の数々だ。いずれの材料も簡単に日本のスーパーマーケットで購入できる。缶詰のアキーとジャマイカの有名なジャークソースはインターネットでも購入できる。どの料理もとても美味しく、日本人の口に合い、「おかわり!」という声が出そうになる。 参加者たちは調理過程も、味も、十分に楽しんだ。ここで少し参加者の感想を紹介したい。 「ジャマイカ料理をいただく機会はなかなか無いので、シェフによる本格的なレシピを教わりながらの料理はとてもレアな体験でした。」 「シェフや大使館のみなさんはとても気さくで、料理中も「Great!」「Perfect!」などと声をかけてくださり、またそれぞれのグループの料理がうまくいっているか常に気にかけていて、細やかな配慮を感じました。」 「ジャークチキンをオーブンで焼く際、日本では温度の単位が「℃」ですが、「°F」の温度で設定してしまったため、倍近くの高温となりチキンがちょっとバーニングするというハプニングもありましたが、それもまた国際交流イベントならではの出来事と思います。」 「出来上がった料理はどれもおいしく、特にアキー&ソルトフィッシュは初めて食べましたが、フルーツと塩漬けの魚との組み合わせが相性よく気に入りました。」 「ジャマイカには行ったことはありませんが、料理を食べながら、美しいカリブ海とボブ・マーリーの音楽に思いをはせた時間を過ごしました。今度は自宅でもジャマイカ料理にチャレンジしてみたいと思います。」 「リチャーズ大使は本格的なジャマイカ料理を楽しんでいただこうと、詳細なレシピを準備してくださった。作り方は意外に簡単!今日の夜はジャマイカ料理が食卓に並ぶかもしれない!」 ジャークソースを販売する、Spice Road有限会社ホームページ:http://www.tinsandbottles-spiceroad.com/ ジャマイカ大使館ホームページ:http://jamaicaembassy.jp/indexJ.html 【関連記事】 ラテンアメリカ・カリブ諸国大使館 チャリティーバザーを開催 ジャマイカ・ブルーマウンテン・コーヒーの日 ショーナ-ケイ・M・リチャーズ駐日ジャマイカ大使インタビュー

ジャマイカ、独立60周年を祝う!

ジャマイカ、独立60周年を祝う!

ジャマイカと日本の繋がりは本当に深く、また長い。その一つには、ブルーマウンテンという世界一といっていいほどおいしいコーヒーが結んできた繋がりがある。 ジャマイカは今年、1962年8月6日の独立から60年目を迎えた。英連邦の加盟国ジャマイカの国家元首であったエリザベス二世の在位70周年にもあたり、現在のウィリアム皇太子が訪問するなど、世界からも祝福を受けている。 日本でも9月2日、ホテルオークラでナショナルデー・レセプションが開催された。駐日ジャマイカ特命全権大使を務めるショーナ・ケイ・リチャーズ閣下は、ジャマイカの国旗にあるグリーンのドレスを身にまとって、来賓をもてなした。そのスピーチには日本への感謝が溢れており、そこに集まった人々は誰もが大使の心使いを深く感じ取っていた。 ジャマイカといえば、ウサイン・ボルトを思い浮かべる人も多いと思う。そうした陸上競技への支援、キャンプの受け入れなどもあり、ジャマイカは鳥取県とは非常に親しい関係にある。この日も鳥取県知事の平井伸治氏が出席し、鳥取県の中学生による動画も配信された。まさに、草の根交流がなされているのだと感じるひと時であった。 そのあとは、もちろんジャマイカを身体で感じる時間となった。本場の音楽が演奏され、歌手が登場し、いつのまにか人々は身体を動かし始める。ジャークチキンをはじめ、とてもおいしいジャマイカ料理も存分に楽しみ、ジャマイカの文化を肌で感じながら、独立60周年を祝うことができた。 独立60周年の本年、ジャマイカはレガシー・プロジェクトも着々と進めている。プロジェクトでは、新国会議事堂の建設、ジャマイカ鉄道の運航再開が計画され、また、植民地時代の奴隷制度や権力に勇敢に立ち向かった7人のナショナルヒーローと、ジャマイカの元首相4名の肖像画がデザインされた新紙幣も発行される。 ジャマイカは素敵で若い国だ。新しい紙幣でブルーマウンテンコーヒーを買い、ジャマイカ鉄道に乗って、旅をしたい気分になった。 【関連記事】 ショーナ-ケイ・M・リチャーズ駐日ジャマイカ大使インタビュー 女性が活躍する国、ジャマイカからのメッセージ ジャマイカ・ブルーマウンテン・コーヒーの日

メキシコ流おもてなしで祝った「メキシコ独立戦争開始212周年」

メキシコ流おもてなしで祝った「メキシコ独立戦争開始212周年」

9月13日に、駐日メキシコ大使館において「メキシコ独立戦争開始212周年記念レセプション」が開催された。 開会の挨拶では、駐日メキシコ特命全権大使、メルバ・プリーア閣下がメキシコの歴史も説明。「ビバ!メヒコ!」という掛け声とともに、鐘を鳴らしてこの日を祝った。 メキシコの経済成長は目覚ましい。日・メキシコ経済連携協定の締結以来、メキシコはラテンアメリカ諸国における置ける日本企業進出拠点となっており、日本の経済交流は着実に発展している。その為、このレセプションには、ビジネスマンの姿も多く見られた。 また、細やかな心遣いと温かい人柄で知られるプリーア大使の配慮によって、日本人の口にあう多くのメキシコ産の食材をつかった、本当においしいメキシコ料理が提供された。中でも参加者に最も喜ばれたのはメキシコ産の新鮮なマグロではないだろうか。 メキシコ産の養殖マグロは、美しい色と脂ののった深い味わいで、日本でも高い評価を得ている。並んで、メキシコ産マンゴー、グレープフルーツなどの果物も極上と言っていい味わいを出している。 メキシコはマヤ文明に代表される高度な文明を持った国であったが、スペインに征服され、植民地となった。しかし、民衆は独立を求め、11年に亘る独立戦争を経て、独立を勝ち取っている。 独立運動を指揮した英雄、ミゲル・イダルゴ・イ・コスティーリャは、先住民たちの言葉を理解し、貧しい農民の生活を改善しようと努めたことでも知られる。平和な時代となり、豊かな農産物は世界に出回り、経済を成長させている。これからもメキシコはさらに豊かで、希望にあふれた国になって行くのだろう。 メキシコ流のさりげないおもてなしに感謝しつつ、早くも来年の独立記念日が待ち遠しくなるひと時だった。 【関連記事】 メキシコ観光サイト「VISIT MEXICO」日本語版サイトを新設 メキシコ大使館「テキーラの日」テキーラを知って楽しもう!

ラテンアメリカ・カリブ諸国大使館 チャリティーバザーを開催

ラテンアメリカ・カリブ諸国大使館 チャリティーバザーを開催

14カ国の駐日ラテンアメリカ、カリブ諸国の大使館による楽しいバザーが開催されます。本場の食事、飲み物も楽しめ、珍しい物産、アクセサリーなども購入できる。秋の一日を異国情緒豊かなバザーで過ごしてみよう! なお、入場券代およびバザーの一部収益はラテン アメリカ・カリブ諸国の福祉・慈善事業に 寄付される。 物販コーナー:お食事、飲み物、民芸品、各国名産物 くじ引きで豪華賞品あたる! 往復航空券、高級ホテル宿泊券、 レストランお食事券、ワイン、シャンパン、 テキーラ、ラム酒、各国民芸品、お菓子詰め合わせ、オーガニック飲料、チョコレート、絵画、 コスメ詰め合わせ、キッザニア入場券等各種 参加大使館:ボリビア、コロンビア、コスタリカ、キューバ、 エクアドル、ハイチ、ジャマイカ、メキシコ、 ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、 ベネズエラ、ウルグアイ 開催の詳細: 日程       2022年10月23日(日) 時間       10:00-15:00 入場券   2000円(抽選券付・豪華賞品多数あり) ※入場券は参加各大使館よりお買い求めください。 ※パナマ大使館  チケットに関するお問い合わせは、cooperation@embpan.jpまたは03-3505-3661 (田口)までご連絡ください。…

カリブ海のリズム〜Rhythms of the Caribbean〜

カリブ海のリズム〜Rhythms of the Caribbean〜

カリブ海のリズム(Rhythms of the Caribbean) ジャマイカを思いっきり楽しむ夜がやってくる。 日時:10 月 07 日(金)18:30~21:00(開場 18:00) 場所:日本外国特派員協会「FCCJ」 東京都千代田区丸の内 3-2-3 丸の内二重橋ビル 5 階 地図はこちらから ジャマイカと言えば音楽。本場仕込みの歌手、ロベルト・ザ・スペシャリストが出演し、DJヒートによるレゲエ、アメリカンクラシック、ロックンロール、R&Bを演奏。 プロダンサーのショーン・クルサムによるデモンストレーションとフリーダンスも楽しみ。 ジャークチキンに代表される本場のジャマイカ料理も味わえる。 遠くて近い国、ジャマイカを楽しもう! 入場料:5,000 円(食事、飲み物込み。2時間制)事前振り込みでお願いいたします。振込手数料はご負担をお願いします。 当日受付 6,000 円(現金、PayPayでお支払い下さい) ドレスコード:スマートカジュアル、クールビズ 主催:日本ラテンアメリカ・カリブ海振興協会(JAPOLAC) 東京都中央区築地 4-12-2-806 TEL:(日本語) 03-6264-3858   (英語、スペイン語) 03-6264-3859 メール:info@japolac.com 協賛:株式会社喜代村(すしざんまい) 、ジャパンパートナーシップホールディングズ株式会社、…

パナマ大使はビジネス界出身 そのキャリアがもたらす新たな視点でパナマの魅力を語る

パナマ大使はビジネス界出身 そのキャリアがもたらす新たな視点でパナマの魅力を語る

長年ビジネスで培われた経験を活かし、駐日パナマ共和国カルロス・ペレ大使閣下は、日本とパナマの外交関係に独特とも言えるビジネスの視点をもたらしている。 この度の、ペレ大使のインタビューでは、そうした深い洞察を感じることができた。大使は日本ではまだあまり知られていない、日本とパナマの外交関係などにまつわる歴史も丁寧に話している。さらに、パナマ運河の人気の秘密や同国のユニークな経済および観光の魅力についても語っている。観光の楽しみでもある食に関しては、「Arroz Con Pollo(アロス・コン・ポジョ、鶏肉入りご飯)」を「お好み」として紹介。特に甘いプランテン(調理用バナナ)といただくのがお勧めのようだ。 大使は1974年にパナマシティ生まれ、パナマのラテンアメリカ科学技術大学(ULACIT)で学び、2019年10月に来日している。ペレ大使は民間企業の出身というバックグラウンドを持っているが、父と祖父は外交官として奉職しているという。 日本とパナマの外交関係について ペレ大使:日本とパナマの外交関係は長く、1904年に遡ります。1903年11月3日にパナマがコロンビアから独立を宣言した約60日後に、アジアの国として初めて外交関係を結んだ国が日本でした。これは運河があったことによって後押しされていると言えます。 日本船籍の6割がパナマ籍であり、日本は運河の第2位の利用国です。日本で使われるLPG(液化石油ガス)の8割がパナマを通過しており、パナマ運河は日本にとって重要な輸送・商業ルートと言えます。パナマは日本との間に強いパートナーシップと非常に強固な関係を築いており、その健全な関係を維持し、海運業界のお客様の声を聞くようにすることが大使としての任務のひとつでもあります。 パナマ経済の特徴について教えてください。 ペレ大使:パナマは、その地理的な位置の恩恵を受けています。地域で最も先進的な空港があり、全長約82キロの運河(パナマ運河=大西洋と太平洋を隔てる)に恵まれています。また、パナマは多くの多国籍企業が集結する経済の中心地でもあります。パナマには約140社の多国籍企業があり、日本企業も約40社あります。キャノン、パナソニック、ソニー、日本工営、トヨタ自動車などの主要な日本企業がこの地域に集まっています。パナマには “潜在力 “があるという調査結果が出ています。それは400万人のパナマ人だけでなく、ラテンアメリカの7億人の人々にも通じることでもあります。 パナマは、民主的で安全な国です。住宅や商業施設など、どのような企業でもこの地域で成長するためのインフラが整っています。また、パナマは自然災害が少ないため、データセンターやロジスティックセンターに適しています。パナマにはラテンアメリカ最大のフリーゾーンがあり、地域に貢献し成長している製薬企業があります。日本の企業がフリーゾーンに製品を送り、そこから中南米の他の地域に流通を行っています。 日本とパナマ間で、今後も成長が期待される分野は何でしょうか? ペレ大使:数件のプロジェクトが進行中ですが、特にJICA(国際協力機構)とのプロジェクトが注目されています。パナマ首都圏都市交通3号線整備事業の建設資金はJICAによって提供されています。この整備事業は、パナマシティの西部で行われますが、推定70万人にサービスを提供することになる重要な事業です。プロジェクトの完成後は、通勤時間が大幅に短縮され、人々の生活が変わることになるでしょう。現在、パナマの人々は出勤時間に間に合うように、朝3時か4時頃に起きて、17キロメートル離れたパナマシティまで通勤移動しなければなりません。これでは家族や愛する人と過ごす時間が少なくなってしまいます。家族を中心とした生活を醸成することは非常に重要ですので、日本からの資金援助と強力なパートナーシップによって解決に至ることに、大変感謝しています。 日本政府との協力による「パナマ湾浄化事業」は、パナマシティの衛生・環境状況を改善するため、排水収集システム、排水遮集システムおよび下水処理施設の建設を目的としています。このプロジェクトの調印は2007年6月になされました。パナマは、これらの日本との協力関係とこれまでの進捗を大変誇りに思っています。 日本でのパナマコーヒーの人気は高まっています。少し詳しく教えていただけますか。 ペレ大使:日本でパナマと言えば、まずパナマ運河、次にパナマ・ゲイシャ・コーヒーを思い浮かべるでしょう。私から農業部門への提言は、貿易を継続し、カカオのような高品質の製品を生産する競争力を持つことです。パナマは、カカオとラム酒の第一級の栽培国です。パナマはカカオの栽培と輸出に観光を組み込んでいます。パナマに日本人観光客を呼び、日本に農産物を輸出するという、両国にとってWin-Winの関係になることでしょう。 コーヒー業界は順調に推移し、特に日本のコーヒー市場において良い業績を上げています。ゲイシャコーヒーは14、15年前に始まりましたが、それは偶然の産物とも言えます。ですが、このコーヒーの味が日本人の好みに合うように、コーヒービジネスを日本に浸透させなければなりません。昨年、ゲイシャコーヒーのトッププロモーターである日本のサザコーヒーは、1ポンドあたり約2,000ドルの値段を付けました。現在では、何軒かのコーヒーショップでゲイシャコーヒーを取り扱っていますが、いつもすぐに売り切れてしまいます。これは、需要が非常に高い一方で、生産量が非常に少ないことを意味します。なぜなら、どこでも栽培できるというわけではないからです。ゲイシャコーヒーは、一般的なコーヒー豆ではないので、特定の湿度、高度、温度の下、管理しながら育てなければなりません。 持続可能な観光、SDGsへの取り組みについてお聞かせください。 ペレ大使:持続可能な開発目標に向けて取り組み、次世代のために未来に貢献することは、パナマにとって非常に重要なことです。パナマ運河が直面している最大の課題のひとつは気候変動の影響です。これは運河が一定の水量で機能しているためです。通常、雨季は3月か4月に始まり、12月に終わります。しかし、今は5月に雨が降り始め、1月に止むという気候の変化が起きています。パナマでは1年を通して8ヶ月間が雨季です。運河にとっては非常にありがたいことですが、干ばつになると水位が著しく低下するため、状況が懸念されます。そのために新たな水源を探さなければなりません。運河にとって期待されるプロジェクトがあり、そのひとつは40億ドルを投資する淡水プロジェクトです。 観光に関しては、パナマが国連世界観光機関と持続可能な観光への関与に関する協定を締結していたことを、誇りに思っています。パナマは、観光の持続可能性についても共有するつもりです。もちろん、パナマには美しいビーチ、美しい山々がありますが、パナマの最も重要な財産は人だといえます。パナマには、観光客のために食事を提供し、サービスを提供したいと考えている人々がおります。ですので、将来的に、実際にもっと多くの日本のお客様を、観光目的で受け入れることができるようになるでしょう。しかし、問題は「どうやってパナマに行くか」です。日本人の休暇は短いですね。残念ながら、日本とパナマを結ぶ直行便はありませんので、パナマ大使館はその実現に向けて努力をしています。これはパナマだけでなく、ラテンアメリカ諸国への便宜を図るためでもあります。中米・南米にとって、パナマは戦略的な位置にあるため、新しい空港ターミナルが建てられ、アメリカ大陸の83都市に直行便が就航しています。直行便が最も多いとされる2番目の都市はメキシコシティで、58都市とつながっています。日本から直行便が到着すれば、中南米やアメリカのどこにでも行くことができます。 パナマの伝統工芸、モラの歴史についてお聞かせください ペレ大使:モラはグナ・ヤラ族の工芸品です。グナ族(インディアン)とは、パナマの北部、378の島々からなるサンブラス諸島に住む先住民を指します。モラはリバースアップリケという技法を使ったハンドメイドアート(衣服)です。「モラ」という名称は世界のどこにも存在せず、パナマではグナ・ヤラ族だけが使っています。パナマの文化の一部と言えます。”世界のどこにいても、モラを見たら、その作品をとても誇りに思う。” モラはグナ族の人々にとって、漁業以外では一番の収入源となっています。…

日本画家・太田慧香個展『「共に生きる」-自然の寄り添い』

日本画家・太田慧香個展『「共に生きる」-自然の寄り添い』

日本画家・ 太田慧香個展『「共に生きる」-自然の寄り添い-』 東京・セイコーハウス銀座ホールにて開催中(9月11日迄) 古典的な技法で美しい花鳥風月を描き続けている日本画家、太田慧香の個展が今、訪れた人々に深い感動を与え、高い評価を受けている。 前回の太田湘香との二人展から3年という時間を空け、満を期しての初の個展開催となった。その間には、母であり日本画の師でもあった太田湘香を亡くし、また、新型コロナウィルス感染拡大という予想もつかない事態にも遭遇している。そんな中で、太田慧香が改めてみつめたのは「自然の偉大さ」「寄り添う自然」であり、その自然と「共に生きる」というあり方だったのだろう。 作品には、太田慧香が抱き続けている「自然への畏敬」と共に深い愛と真摯に芸術に向き合う力強い信念が感じられる。特に、四曲一双の屏風「深山幽谷」は見る人の心を打つ。将来、この作品はきっと彼女の代表作になるに違いない。木々が生い茂る深淵な山々には、湧き上がるような明るい光が湧き上がってくるようで、それはあたかも「明けない夜はない」と、不安の中にいる人々にまだ見えぬ希望を語り掛けるようだ。 太田慧香は小さな生き物にも優しいまなざしを注ぐ。稲穂にとまる雀、コスモス、紅葉などの間に遊ぶルリビタキ。どれも愛らしく心安らぐ。しかし、稲穂からおちた米をついばむ、正面を向いた雀のまなざしは、自然に生きることの厳しさを物語るかのように強く、たくましい。 今回の展覧会の作品には、扇、ストールなどと並んで、日本の住宅にも飾れるような小品もいくつか出展している。伝統的な表装も多いが、アクリルなどの新しい素材を使い、立体感溢れるモダンな表装には心惹かれる。こうして現代に息づきつつ、太田慧香の描く花鳥風月は、日本の伝統美を現代に伝えているのだと思う。 ふらりと立ち寄っても癒される。見る覚悟で行っても満足できる。そんな素晴らしい個展だ。 【関連記事】 日本美術を学ぶこと、その精神を理解すること 虚心会 太田慧香 個展のお知らせ 山種美術館

日本ジョージア国交樹立30周年記念イベント開催

日本ジョージア国交樹立30周年記念イベント開催

日本ジョージア国交樹立30周年記念事業「Summer Art & Music Fest with Nina Ananiashvilli」開催 ジョージアと日本は1992年8月3日に外交関係を樹立、今年は30周年にあたる。国交樹立30周年を記念して、ジョージアと日本両国では多くのイベント、友好交流事業が行われている。ジョージアには日本を代表する芸術家が訪問し、また、日本にもジョージアを代表する数多くの芸術家が来日している。 その一つとして、一般社団法人日本ジョージア文化交流協会主催、外務省、在日ジョージア大使館が後援する記念事業が開催された。「Summer Art & Music Fest with Nina Ananiashvilli」と題されたこのイベントでは、ジョージアが生んだ世界的バレリーナ、ニーナ·アナニアシヴィリがスペシャルゲスト・イベントアンバサダーを務め、ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使がスピーチを行い、多くの観客を歓迎した。ジョージアと日本の記念すべき年を祝う為、多くの駐日大使も参列した。 この記念事業の第一部はトビリシカルテット弦楽コンサート〜ジョージアの調べ〜、第二部は日本を代表する太鼓芸能集団「鼓童」による公演となった。 トビリシカルテットの日本での歴史は古い。日本で活躍するジョージア人と日本人による弦楽四重奏団であり、その演奏には定評がある。この度はジョージアを代表する現代作曲家スルハン・ツィンツァーゼによる楽曲をメインに演奏した。いずれの曲もジョージアの各地に伝わる民謡を題材として作曲されたものだが、美しく、もの悲しく、心にしみる音楽で、深く聞く人の心を打つ。 また、「鼓童」による演奏はダイナミックで、身体に伝わってくる太鼓の振動と機敏な動きに目が離せなかった。 こうした優れたプログラム構成、演出は、ニーナ・アナニアシヴィリとレジャバ大使あってのことだろう。ジョージアの芸術と日本の文化を知り尽くした二人が協働したことによって生み出された、素晴らしい時間にしばし酔いしれることができた。 ジョージアという国はとても誇り高い。旧ソ連からとても早い時期に独立を求めた共和国であり、世界最古ともいえるアルファベットも守り続けている。代表的な料理シュクメルリは日本ではブームとなり、その食の豊かさも見逃せない。…

国際文化交流パーティ”SUMO”開催 日本の国技を楽しむ

国際文化交流パーティ”SUMO”開催 日本の国技を楽しむ

日本の国技と言えば相撲。長い歴史を誇る日本古来のスポーツだが、今も日本人に深く愛され、さらには世界の人々にも愛され続けている。モンゴルをはじめ、海外から力士を目指し、相撲部屋に入門する若者も多い。 今回のイベントは、超党派 大相撲の発展を求める議員連盟のアドバイザーを務め、元力士でもある永井明が中心となり、より深い相撲文化の普及と国際化を目指して企画、運営された。 このイベントでは、元力士を揃え、会場内に土俵を作り、実際に力士同士がぶつかり合って数々の技を披露した。もちろん、相撲には日本古来、培われた美学ともいえるマナーがある。土俵の上での礼儀、取り組みでの禁じ手なども紹介された。いずれも外国人にも理解していただけるよう、丁寧な英語での説明がなされた。 続くアトラクションでは、会場に集まった参加者が力士の着ぐるみをきて相撲をとった。最初は参加に躊躇していたが、皆が沸き立ち、多くの男性が参加し、真剣に相撲をとった。駐日レバノン大使の令息も進んで参加し、引退したとはいえ、稽古を積んだ力士を互角の勝負をした。これは長い相撲となったが、どちらも譲らず、力相撲となった。最後は駐日レバノン大使のご令息が若さにものを言わせ、本物の相撲さながらの技で勝ちを得た!続いて、日本でレスリングのトップ10に入るという選手も参戦。その勝負も真剣そのもので、スピード感あふれる取り組みに改めて会場は沸いた。 最後にはそれぞれが力士と記念撮影。本当の土俵であれば、女人禁制であるが、ここでは誰もが土俵に入り、力士のポーズをとった。 相撲はもはや日本だけのスポーツとは言えないほどグローバルになった。しかし、その美学は守られ、それは日本人の心とも言える。 力士の経験もある永井明氏には、今後も本当の相撲を世界に広めるべく、活躍していただきたい。 Read also, KONISHIKI:大関が語る相撲 ディミトリス・カラミツォス−ジラス新駐日ギリシャ大使に聞く アルジェリア独立60周年記念インタビュー

名作《ゲルニカ》を身近に

名作《ゲルニカ》を身近に

名作ゲルニカを身近に「ゲルニカが来た!大迫力の8K映像空間」 2022年8月16日(火)~8月28日(日)NTTインターコミュニケーション・センター【ICC】で開催 ピカソの名作《ゲルニカ》。ロシアのウクライナ侵攻に伴い、これほど注目を浴びた名画はない。 ピカソはその生涯において4度の戦争を体験している。米西戦争、第一次世界大戦、スペイン内戦、そして第二次世界大戦だ。ピカソは、戦争そのものを描くことはなかったが、内戦ぼっ発から第二次世界大戦の終了まで、彼は絵筆を武器に見えない敵と戦い続けた。ピカソは1945年3月24日「レ·レトル·フランセーズ」で掲載されたインタビューで、「絵画は部屋を飾るために描かれるのではない。それは攻撃と、敵に対する防衛のための闘いの武器である」とも答えている。 1937年4月にスペインのゲルニカはドイツ空軍による大規模な爆撃を受ける。それを知ったピカソはパリ万博に展示する作品のテーマにこの《ゲルニカ》への爆撃を選んだ。 《ゲルニカ》は現在、スペイン・マドリードの国立ソフィア王妃芸術センター美術館に展示されている。《ゲルニカ》は門外不出だ。それはスペインにとって「最後の亡命者の帰還」という意味もあるだろう。しかし、制作から1958年までの間、各地での展示、梱包を繰り返したため、キャンバスは劣化し、ボロボロの状態になっている。それが《ゲルニカ》が門外不出となった大きな要因だ。 その《ゲルニカ》を現地に行かなくても鑑賞できるよう、NHKとICC(NTTインターコミュニケーション・センター)が協働し、325インチの8K高精細映像による上映を実現させた。監修には日本のスペイン美術の重鎮、早稲田大学名誉教授の大高保二郎氏があたった。 8K画像で再現された「門外不出の世紀の傑作」は余りにも素晴らしかった。踏みつけられ、傷ついた人々、苦しむ馬、母に抱かれた息絶えた赤ん坊、、、全てがありのままに再現され、更には肉眼では気付かない詳細な部分までも見ることができる。この大きな画面を通して、まるで《ゲルニカ》に抱かれるように、この傑作を鑑賞し、ピカソがなぜこの作品を描いたかも肌身をもって感じることができる。 8Kの映像空間はどこででも再現できるのだろうか。もしそうであれば、日本のみならず、世界各地でこの《ゲルニカ》を再現してほしい。この8K画像を通じて、人々は戦争の愚かさを知ることができる。現代においては、マスターピースを移動させるか、自分自身でその場に赴き鑑賞するだけではなく、こうした手法でも、芸術に真摯に向き合うことができる。 芸術とは形を変えるが、いつの時代も人々の意図と時代を反映する媒体だ。 <関連動画>NHKアーカイブス(https://www.nhk.or.jp/archives/museum/guernica/)で本展関連動画を公開中