ザ・ペニンシュラ東京ステーキ&グリル「Peter」

ザ・ペニンシュラ東京 〜 Live Jazzの優雅な夜

ザ・ペニンシュラ東京のステーキ&グリルレストラン”Peter”と、”Peterバー”では、ニューヨークの“Blue Note”を本店に持つジャズ・クラブ、ブルーノート東京のサポートで、毎月1回、ディナータイムに日本の新鋭アーティストの生演奏を堪能しながら、お食事やカクテルを楽しめる『Peter センターステージ supported by ブルーノート東京』を開催。 第3回目となる6月9日(木)のゲストは、ピアニスト持山翔子氏とベーシスト小山尚希氏によるユニットm.s.t. (Make the Scenery Tune~景色に音を~)。クラシックをベースにした独自のアレンジで、ジャズスタンダードや映画音楽なども演奏するお二人の、”日常の小さな出来事”をテーマにしたオリジナル曲の生演奏を披露。 ホテル24階にある”Peter”の繊細なお食事と本格ライブミュージックで、ラグジュアリーで優雅なディナーのひとときはいかがだろうか。 【イベント詳細】 日程: 2022年6月9日(木) ※毎月1回を予定、7月以降は調整中 時間: 3セッション 19:30-19:50 / 20:20-20:40 / 21:10-21:30   料金: ミュージックチャージ2,800円  【お問合せ】 ザ・ペニンシュラ東京 ステーキ&グリル「Peter」…

駐日イタリア大使公邸にてハウスコンサート開催

駐日イタリア大使公邸にてハウスコンサート開催

2022年5月9日、ジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使とサビーナ・ダントニオ同夫人はピアニストの岩田珠美氏協力のもと大使公邸にて「ハウスコンサート」を開催いたしました。 この会の為に、サビーナ夫人と岩田氏は、日本生まれイタリア育ちのチェリスト、マルモ・ササキ氏、著名な女性ギタリスト、村治佳織氏、能の謡と近代音楽との融合をはかり唯一無二の音楽活動を続ける青木涼子氏など、いずれも日本を代表する音楽家の方々にお声かけしました。 空が夕闇に染まり始めた頃、岩田氏のクロード・ドビュッシー作曲「月の光」のピアノ演奏によりコンサートが始まりました。続いてマルモ・ササキ氏がヴィターリ作曲の「シャコンヌ」を、村治佳織氏が「アランフェス協奏曲」を演奏しました。能声楽家の青木涼子氏はイタリアの現代音楽の作曲家アンナキアーラ・ゲッダが「源氏物語」を主題として作曲した「物の怪(もののけ)」を歌唱しました。 青木氏がまとったドレスはパリで活躍するデザイナー、中里唯馬氏によるデザインのもので、能の動きを計算しつくしたドレスは青木氏の歌唱を引き立て、より深い感動をもたらしました。また「ピアノ界のフェラーリ」と称されるイタリアの至宝、「ファツィオリ」のピアノにより岩田氏の演奏はさらに高尚な音楽となりました。 このコンサートのテーマは、「イタリア」「日本」そして「愛」であり、そこに「女性の本質」というエッセンスが加えられました。ベネデッティ大使とサビーナ夫人の日本文化への深い理解とわが国への敬意が感じられた素晴らしい機会にもなりました。また、大使公邸を彩るセンスの良い現代美術のコレクションも堪能した来場者たちは、改めて「イタリアの良さ」を感じ、まさに心温まるひと時を過ごされました。 この夜のハウスコンサートには、ファツィオリをはじめ、グッチ、アペロール、プロセッコ、サンペレグリノ、ヴェストリといったイタリアの著名なブランドが集結し、会に華を添えました。 駐日イタリア大使公邸 1965年にイタリアの建築家ピエール=フランチェスコ・ボルゲーゼと日本の建築家村田政真の設計によって建築されたイタリア大使公邸は、美しい邸宅と庭園を誇ることで知られています。 公邸内にはフォンタナ、カステラーニ、ブリ、ドラジオ、ノヴェッリ、トゥルカト、サントマソ、ペリリ、ジオ·ポモドーロとアルナルド·ポモドーロなど、60年代初頭に活躍したイタリア人の巨匠たちによる抽象アートの傑作が飾られています。 公邸から見渡せる江戸時代から続く庭園は、かの有名な一休和尚によって着想を得たとも言われています。 この公邸はかつて、旧伊予松平藩の江戸屋敷でもありました。 またこの地は主君の敵討ちをおこなった赤穂浪士47士の討ち入りの物語とも深いつながりがあります。 外部リンク:イタリア大使館 【関連記事】 イタリア大使館 チャリティバザー 駐日イタリア大使によるチャリティー活動 お告げの聖フランシスコ会支援 チュニジア大使公邸にてコンサート ロシア文化フェスティバル 2021

石井竜也アーティスト写真

「ラスコー洞窟の壁画」をイメージ【TATSUYA ISHII CONCERT TOUR 2022 「ISHYST」】

石井竜也が今年もコンサートツアーを開催している。 石井竜也の活動は幅広く、舞台・イベント等のプロデュース、ファッション、インテリアのデザイン、絵画・オブジェ制作も含まれ、さらに役者や映像監督等、表現者でもある。そのすべてを詰め込んで、石井竜也ワールドを披露したのがこのコンサートだ。 今年は「ラスコーの洞窟の壁画」をイメージし、舞台を作り上げている。石井自身も「ラスコーの洞窟」についてかなり学んでおり、その世界観を語っている。ここで石井竜也が歌ったのは、かつての大ヒットでもなく、むしろ隠れていたと言えるような曲の数々だ。しかし、その隠れた曲はそれぞれに歌詞に味わいがあり、メロディーも美しい。かつての米米CLUBの時代から石井竜也を愛してきたファンは、コンサートの度に進化していく石井竜也に出会うことができる。 曲の合間のトークもとても面白い。しかし、面白いだけではなく、石井竜也が常に世界と、彼の周りの世界にとても温かい目を向けていることもわかる。トークによって心和む人、彼の世界感に同意する人も多いはずだ。 石井竜也は本当に素晴らしい歌唱力を持っている。年齢を重ねても、日ごろの鍛錬によりこうした美しい声と歌唱力を保っていることもわかる。多彩な活動を見せるアーティスト、いしいたつや。しかしその本質は、日本を代表するボーカリストであり、平和を愛するアーティストであることが分かる。 石井竜也と同じ空間で2時間を過ごしたら、人はみんな「ISHYST」になってしまうだろう。 【東京・大阪公演スケジュール】 6月19日(日) 東京/Zepp DiverCity(TOKYO)開場16:00 / 開演17:00お問い合わせ先:ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00〜15:00) 6月26日(日) 大阪/Zepp Namba開場16:00 / 開演17:00お問い合わせ先:キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~16:00 日曜日・祝日休業) 詳細は:https://www.t-stone.com/concert/2022ishyst.html 【関連記事】 ウクライナ支援:チャリティコンサート・レセプション マイ・イマジネーション ― 創造性は無限だ! レスリー・キー:世界で活躍ファッション・フォトグラファーの撮影現場 『ARTS for…

沖縄復帰50周年記念 特別展「琉球」

沖縄復帰50周年記念 特別展「琉球」

日本美を守り伝える「紡ぐプロジェクト―皇室の至宝・国宝プロジェクト―」の一環として、沖縄復帰50周年記念特別展「琉球」が、2022年5月3日(火)から2022年6月26日(日)まで上野・東京国立博物館にて開催中。 沖縄が本土に復帰して50年目の今年、沖縄の文化を知る特別展が東京国立博物館で開催されている。 この展覧会は、15世紀の誕生以来アジア各地の中継貿易として栄えた琉球王国の時代をテーマにした「万国津梁、アジアの架け橋」や、沖縄が昭和47年に復帰してからの琉球文化の復興と継承の道のりをテーマにした「未来へ」など全5章で構成されており、沖縄に栄えた文化をあらゆる角度から見ることができる。また、アジアの架け橋として、中継貿易の中心地でもあった沖縄に暮す人々、中継貿易に携わった人々の姿、書簡なども多く展示され、彼らのバイタリティーを感じ、その姿を垣間見ることができる。 展示作品の中で、特に目を奪われたのは、花鳥風月を描いた屏風絵を含む数々の絵画だ。当時、琉球画壇を背負うべく中国に留学した山口宗季とその師でもあった孫億の傑作が並ぶ。この二人の絵師による絵画は数が少ない上、徳川美術館、九州国立博物館などに現在は所蔵されており、こうして一度に鑑賞できる機会はなかなかない。 第二会場に移ると、琉球王国と国王尚家に伝わる国宝「尚家宝物」には目を奪われる。特に素晴らしいのは尚王の冠と、国王の儀式のための正装の衣装だ。王宮を飾った調度品にも「海の王国」であった琉球らしい、海の生物のデザインが見受けられる。改めて琉球の高い文化レベルと芸術性を感じ取ることができる。 この展覧会には、首里城の北側にあった尚家の菩提寺、円覚寺に収められていた仏像も展示されている。円覚寺総門に置かれていた仁王像は第二次世界大戦での爆撃によって13の破片となった。その他の仏像も戦争により、とても気の毒なお姿になってしまった。 こうした破壊された仏像は、第二次世界大戦中、唯一の地上戦が行われた沖縄の悲劇、被害を今に伝える。この展覧会が琉球王国の高い芸術性を示すだけはなく、平和への祈りを人々に伝えていることが深く感じられる。 是非とも東京国立博物館に足を運んでいただきたい。6月26日まで開催。 沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」HPはこちらから 【関連記事】 日本画家・西嶋豊彦&華道家・假屋崎省吾  スペシャルコラボレーション 映画『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』を観に行こう!

お洒落なアフリカングッズをゲット!中近東アフリカ婦人会が出展

お洒落なアフリカングッズをゲット!中近東アフリカ婦人会が出展

中近東アフリカに暮した経験を持つ日本人女性と在日中近東アフリカ諸国の大使館の女性達で構成される日本中近東アフリカ婦人会(通称NCAF、会長:小池那智子)では、中近東アフリカ諸国のテキスタイル、ビーズなどを使ったおしゃれなグッズも作成·販売している。 この度、二子玉川ライズにて開催されるストリートマーケット・「ふたこ座」への出展が決定。 素敵なアフリカンプリントを使った手作りグッズからお気に入りの一点を探してみてはいかがだろうか。 【イベント詳細】 開催日:2022年6月7日(火曜日) 開催時間:11:00~19:00 開催場所:二子玉川ライズ ガレリア アクセス:東急田園都市線·大井町線 二子玉川駅から直結 入場料:無料 アフリカングッズは、NCAFのオンラインストアからも購入可能 日本中近東アフリカ婦人会HP:https://www.yamaboshi.com/africa/ Facebook:https://www.facebook.com/ncafinfo/ Twitter 【関連記事】 アフリカの魅力が満載:AWAAJバザー チュニジアの独立66周年を祝って はじめまして。 アルジェリアと日本ー60年の友好を祝って エルフ・モノド・オノラ ハイチ大使インタビュー

「A Quiet Sun」田口和奈展

個展「A Quiet Sun」メゾンエルメスにて開催

オーストリア、ウィーンを拠点に制作、活動をするアーティスト田口和那(1979年東京生まれ)の個展「A Quiet Sun」が銀座メゾンエルメスにて開催される。  田口和奈(1979年東京都生まれ)は、現在オーストリア、ウィーンを拠点に制作、活動をするアーティスト。東京藝術大学美術学部絵画専攻油画領域を卒業後、同大学院美術研究科で博士号を取得し、2010年には五島記念文化賞美術新人賞を受賞。これまで、アジアや欧州での個展やグループ展参加など、精力的な活動を行っている。 田口は、多重的な構造を持つモノクロームの作品を通じて、時間や空間といった形而上の存在を見出そうとする制作を続けている。例えば、自ら制作した絵画や彫刻を多重露光で撮影する、プリントした印画紙の上に油彩のドローイングを描き、再び撮影をするといった重層的な手続きを経て生まれる作品には、写真でありながらも、長い時間をかけて画布に向かう絵画と同様の地平を見出すことができる。 また、田口の作品は、しばしば過去の美術作品の参照や、匿名のファウンドフォトや雑誌といった既存のイメージの応用を含む。収集した過去のイメージから象徴を読み取ろうとする身振りは、アビ・ヴァ―ルブルグ(1866-1929)の「ムネモシュネ・アトラス」からの影響も受けている。アーティストは、それらのイメージの中にある複数の時間軸や身体の断片から、記憶を生み出す星座的空間の兆しを掬い取り、そこに節制と偶然を招き入れるべく、時に修復し、時に自作の中へと再び迷い込ませるのだ。 「A Quiet Sun」は、本展のために制作した作品群と、田口が収集するファウンドフォトを用いて編成される。神話や匿名の記憶は、ゼラチンシルバーの中に息づく様々な身体の身振りや触覚からもたらされる。ギャラリーにあふれる強い自然光をそのまま用いながら、建築を発見し、空間を整え、レイヤーを与えてゆくような大胆かつ繊細な展示方法は、田口の写真制作における問題意識を異なる角度から解釈する試みでもある。写真という身体(コーパス)が、溢れる太陽の中で移ろいやすい像を結ぶ時に、どのような光のしじまが見いだされるのだろうか。 私の関心であり同時に問いであるのは、集めたファウンドフォトが非常に魅力的である理由である。「エウリュディケーの眼」は、神話のイメージを拠りどころに、現実の予感が入り混じったイメージで、これまでの作品より即興的かつ多層的な構造をもっている。ファウンドフォトの発見、修復、修繕というプロセスは、ゼロから作りだす私の制作のプロセスとは違う地点から同じ空間に向かっているようだ。この展覧会について考えることは、私の関心が交差しているその空間について考えることである。 田口和奈「A Quiet Sun」のノートより 【イベント情報】 会期:2022年6月17日(金)~9月30日(金) ※予定開館時間:月~土 11:00–20:00(入場は19:30まで)     日 11:00–19:00(入場は18:30まで)※ギャラリーは基本、銀座店の営業に準じております。※開館日時は予告なしに変更の可能性がございます。随時こちらでお知らせ致します。休館日:不定休入場料:無料会場:銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階(中央区銀座5-4-1 TEL 03-3569-3300)主催:エルメス財団…

Exhibition at Shibaura House by Hersey Shiga

長崎からオランダへ『To the Sea/海へ』開催

海で繋ぐ日本とオランダのクリエーターたち オランダと日本のクリエーターたちがデザインを手がけた和菓子やジュエリー等の展示会、『To the Sea/ 海へ』が港区のSHIBAURA HOUSEで開催される。 ここで紹介されるのは長崎、平戸の玉藻の海、琴の海(大村湾)の真珠の海でとれたあこや真珠のジュエリー、平戸の海でとれる天草をつかった和菓子等だ。いずれも環境保護を重視し、着色などの人工的な要素は何もない。自然であり、あるがままの美しさを感じることができる。イベント、ワークショップも企画されている。 職人、クリエーター、生産者にフォーカスを当てた素敵な展示会になりそうだ。 【イベント詳細】 ”To the Sea_海へ” 企画:C& 大地千登勢 会期:2022年5月26日(木)~5月28日(土)11:00-20:00 会場:SHIBAURA HOUSE 1F・港区芝浦3−15−4 販売:菓子・あこや真珠ジュエリー購入可能 主催:平戸熊屋  【展示内容詳細】 ワークショップのお申し込みはこちらから 5/26 (木)17:00-19:00 ワークショップ:蒔絵 “海、青海波紋をあこや貝に蒔く” 5/27…

アフリカの魅力が満載:AWAAJバザー

アフリカの魅力が満載:AWAAJバザー

アフリカ諸国の文化を伝えるべく活発に活動をしている、A W A A J、アフリカ大使夫人会(会長:ノンブメレロ·バスツー、ジンバブエ特命全権大使夫人)は、5月20日、駐日アンゴラ大使館のホールにて、AWAAJバザーを開催した。 数年おきに開催されるこのバザーは、今回もアフリカ諸国の大使夫人たちが集まり、各国の名産品、手工芸品などを展示販売した。アフリカの情熱的な絵柄のプリントなどを使ったグッズ、チュニジアの美しいガラス細工、タイル、動物柄のテーブルナプキンなど、デザイン性に優れ、日本人に好まれる商品が沢山販売された。 このバザーでの収益金は、各国に分配され、それぞれ恵まれない女性と子どもたちを支える慈善団体等へ寄付される。 また、中近東アフリカ婦人会(会長:小池那智子)と社会福祉法人 青少年福祉センター(理事長:荒船旦子)もブースを出展し、手作りグッズなどを多く販売した。その中でも、手編みのセーターなどの商品は人気が高く、人々の目を引いていた。 中近東アフリカ婦人会では、中近東アフリカ出身の婦人たちとの交流も多く、日本語、編み物、お料理などを互いに学びながら楽しい時間を過ごしている。ときには遠足、半日のアウティングなども楽しむ。二年に一度は秋に大規模なバザーも開催し、アフリカ中近東の魅力を日本に伝えている。 こうした活動に興味のある方は以下のサイトをご参照下さい。 日本中近東アフリカ婦人会 社会福祉法人 青少年福祉センター 【関連記事】 アフリカ・アラブ大使夫人会:日本YMCAを支援 はじめまして。 アルジェリアと日本ー60年の友好を祝って チュニジア大使公邸にてコンサート 母と娘の物語 If you are…

【インタビュー】ヘリ・アフマディ駐日インドネシア大使

【インタビュー】ヘリ・アフマディ駐日インドネシア大使

インドネシアと日本の外交関係について教えて下さい 日本は様々な分野においてインドネシアの戦略的パートナーです。特に新型コロナウイルス(Covid-19)のパンデミックの真っ只中の景気回復において、両国間の協力関係がより強固なものになった事へは疑いの余地がありません。パンデミックにより、世界の国々、特にインドネシアと日本は、共に回復を遂げる為、よりオープンで相乗的な関係になりました。インドネシアは、国連が制定している持続可能な開発目標(SDGs)の達成を加速するため、貿易・投資・産業の課題においても協力関係を築けるよう日本に呼びかけています。これは、インドネシアが議長国を務めるG20のテーマでもある『共に回復し、より強く回復する』への真のサポートの表れでもあり、立ち直る力を持つ持続可能な世界経済を回復させる為の取り組みです。 インドネシアでの新型コロナウイルスの状況、対策はどのようなものでしたか?日本との協力関係はありましたか? インドネシア政府は、健康と経済的利益とのバランスを取りながら管理をしてきました。2020年11月以来、インドネシアと日本は新型コロナウイルスの取り扱いにおいて多くの協力を重ねてきました。医薬品や医療機器、保健セクターの人材育成、保健サービス、医療情報技術、高齢者向け保健サービスにおいて協力してきたことに加え、日本からのワクチン支援も受けました。2022年1月末までに、200万回分以上のアストラゼネカ製のワクチンがインドネシアに到着し、2021年には、日本より約420万回分のワクチンがインドネシアへ提供されました。 この支援は、両国間の戦略的パートナーシップ強固にする、特にインドネシアの経済回復を加速するしおいて具体的な支援だといえます。これまでも、インドネシア政府と日本政府の間では、様々な保険分野の協力が行われており、2021年6月18日には保健分野における協力覚書(MoC)を通じてワクチンの分野におけるパートナーシップが確立されました。この保健分野における覚書には、大阪大学を通した、食品、健康、バイオテクノロジーでの協力も含まれます。これは、ワクチンの分野で両国間の保健分野での協力を実施し、国の経済回復を加速するための取り組みにおいても重要なステップです。また、保健セクターにおけるもう1つの協力関係は、医薬品規制に関する協議の枠組み、協力体制に関するインドネシア食品医薬品局と日本の厚生省との間の協力覚書(MoC)です。 ジャカルタからヌサンタラへの首都移転計画について教えて下さい 首都を移転する主な理由の一つは、(ジャカルタのある)ジャワ島の人口負担が大きくなっていることです。特にジャカルタ市街では人口密度が非常に高い。2015年の人口調査によると、インドネシア人の約56%がジャワ島に集中し、他の島での人口密度は10%未満となっています。一方、ジャワ島よりもはるかに広大なカリマンタン島の2021年12月31日時点での人口密度は、総人口2億7000万人の約6%に過ぎません。 インドネシアの新首都となる街はヌサンタラと呼ばれています。ヌサンタラ(Nusantara)は『島間』を意味し、 インドネシア語で”nusa”は「島」、”antara”は「中間」を意味します。ヌサンタラは東カリマンタン州、ボルネオ島の東海岸に位置しています。ボルネオ島はインドネシア最大の島ですが、人口は比較的少なく僅か6%です。将来の首都となる街は、海線に非常に近くなっています。 もう一つの理由は、ジャワ島のインドネシアの経済成長または国内総生産(GDP)への経済的貢献が圧倒的であるのに対し、他の島々の経済的貢献が遥かに遅れているという事です。インドネシア中央統計局の2021年のデータに基づくと、ジャワ島のGDPへの経済的貢献は約58%ですが、他の島に至っては約3%です。 新首都・ヌサンタラは、東カリマンタンでの新しい首都の名前として選ばれました。これは、この言葉が長い間に亘って国際的に広く知られているためです。ヌサンタラという名前は、14世紀頃のマジャパヒト時代に生まれました。 多くの国が新しい首都ヌサンタラに投資をしたいと考えていますが、今はまだ、インドネシア政府は新首都開発の準備に注力している状況です。 何十年にも渡り、日本とインドネシアは非常に強力な商業関係を保ってきました。日本はこの首都移転プロジェクトにおいてどんな貢献が出来るでしょうか? 政府の出費は約20パーセント程度と予想しています。残りは電気や水道などのインフラを整える外国企業を含む企業資本に頼ることになるでしょう。インドネシア政府が開発を全て担うというよりは、いわゆるPPP(官民パートナーシップ)と呼ばれる協力に繋がります。インドネシア国内だけではなく、世界中から多くの投資家が参加することになるでしょう。 このプロジェクトの着工直前には、ソフトバンクがボルネオの新首都建設プロジェクトへ投資をしないと声明を出しましたが、数多くの投資家がこのプロジェクトを支援しているので、心配する必要はありません。もちろん、興味を持っている日本企業もいくつかあります。インドネシア大使館とインドネシアからの代表者とで、日本企業の関与について協議を行っている森元首相とも会談を行いました。新首都では、スマートシティ構築を進めており、日本はこの分野で多くの試みを行ってきたと思うので、(新首都プロジェクトにおいても)経験と新しい試みを重ねていくだろうと確信しています。 インドネシアは天然資源が豊富で、ASEAN内でも日本の主要貿易国であります。近年はどのような製品・産業を推進していますか? インドネシアと日本は、特に産業部門において、包括的な経済協力の向上に引き続き努力しています。インドネシアと日本の間には、現在、一般的な検討交渉の段階にある日本インドネシア経済連携協定(IJEPA)を含む多くの経済協力があります。次に、新製造業開発センター(MIDEC)のコラボレーションもあります。 日本政府も自動車産業分野での協力強化に関心を持っています。この技術協力プロジェクトには、経済産業省(METI)や国際協力機構(JICA)など、日本の様々なパートナー機関が関わっています。これにより、インドネシアを輸出先の生産拠点にするために、自動車産業セクターへの投資を増やすことが可能となってきています。 現在、日本の四輪車以上の産業会社は21社あり、年間200万台以上の生産能力を持ち、3万8千人の直接労働者が尽力しています。総投資額は140兆ルピアに達し、業界のバリューチェーンに沿って働く約150万人の人々がそれによって生計を立てています。日本は、電気自動車セクターを含め、インドネシアへの投資に引き続き取り組んでいます。 両国はまた、新しいコラボレーション、すなわち官民による「パブリックプライベートトラック1.5」に合意しました。この合意には、地域および世界のサプライチェーン、インフラ開発、デジタル経済、人材育成、持続可能な産業における協力を強化するための革新的で持続可能な経済社会のための日本インドネシア共創パートナーシップが含まれます。いずれもインドネシアの開発優先事項であるセクターです。 2021年1月から12月までのインドネシアと日本の貿易総額は324億米ドルであり、2020年の同時期である243億米ドルより33.5%ほど高いレベルを示しています。投資額では、2021年の日本のインドネシアへの投資額は6,931件で23億米ドルであり、インドネシアの投資家の中で5位にランクされています。 現在日本は、コロナ規制の一環で国境管理を実施しています。インドネシア出身の学生たちにとっても入国規制がありますが、今後進展はあるでしょうか? はい。私は昨日、入国検疫で3日間過ごしたお母さんに出会いました。今日、彼女とその友人は、学生寮へ入室する許可が下りました。彼女は1年半以上も前から(日本留学に向けて)勉強を始めており、(入国が遅れたことは)とても残念な事です。今までオンライン授業で勉強し、日本の入国制限が徐々に緩和され、観光客や非観光客の入国を許可するに至っているので、学生の入国についても、より一層の改善を期待しています。インドネシアの熟練労働者の入国希望者は、入国制限が緩和され、既に日本に入国しています。報告によれば、ある一つの会社では、約600人の学生を研修生として派遣する予定だそうです。来年には1,000人から2,000人ぐらいの来日が可能になるでしょう。年末までに、ある企業は約6,000人を派遣すると予想されています。この動きが良いスタートになることを願っています。…